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ちんこ短し恋せよ乙女 作者:真木あーと
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第十一節

 えー、何だかヤバい事になった。
 俺はまだ一戦しかしていないのに、ランキング戦に出られる十回戦を飛び越えて十二回戦に出場出来るようになった。
 で、この上位で異変があった。
 日本チャンピオンが、タイトルを返上したらしい。
 これは別に普通の事で、世界戦に出るには、国内ライセンスをまず返上してから国際ライセンスを取得して挑戦、というパターンが普通だ。
 で、こういう場合、ランキング一位と二位が決定戦を行うわけだが、大久保さんが強引にここに俺を捻じ込んだ。
 つまり、俺と二位の人がまず、試合を行い、その勝者が一位と対戦して勝った方がチャンピオン、というわけだ。
 ここで二位の選手が、俺が六十点満点を取った事を知り、割に合わないと思ったらしい。
 何故なら、俺に負ければ一気にランクを失う上に、勝っても、まだ一位を倒さなければ、チャンピオンになれないからだ。
 別に国際ライセンスはランキング十位以内なら、取得可能だ。
 ただ、世界戦でのマッチメイクがチャンピオン経由の方がしやすいってだけだ。
 だから、逃げるように国内ライセンスを返上し、世界戦へ行ってしまった。
 一位の人は、逆にデメリットがない。
 俺に勝てばチャンピオン、負けても一位のままだ。
 俺がすぐにチャンピオンを返上すると睨んで、次を狙うことも出来る。
 勝てば期待の新人に勝ってチャンピオンになったと有名になって世界戦に打って出られる。
 なんだかんだでショーだから、有名であればあるほど金を稼げるし、金を稼げる相手なら、マッチメイクがしやすい。
 そんなわけで、俺はランキング一位の人と対戦することになった。
 って、俺、まだ二戦目なんだけどさ。
 そんなわけで、チャンピオン決定戦という事で、控室もかなり豪華になった。
 この前の八回戦部屋とは違ってまず、相部屋じゃないし、そのくせ部屋が広い。
 テレビや冷蔵庫もあって、なんと机の上には弁当が置いてあった。
 いや、何度も言うけど、俺はまだ二戦目なんだがな。
 本来なら四回戦部屋にいなきゃならない選手だぞ?
 ちなみに四回戦部屋は敵味方なく同部屋なので、結構気まずいらしい。
「うわぁ、広い部屋。お弁当食べていいのかな? あ、お茶入れるね」
「うん、そうしてくれるのはありがたいんだけどさ……何で結愛がいるんだ?」
「え? だって、協力するって言ったでしょ? この間からずっと伊澄ちゃんに話聞いてたから、大体のことは分かってるし、私もマッチメイクに協力したんだよ?」
「え? どういうこと?」
「チャンピオン決定戦にいきなり新人をねじ込むのは、並大抵のことじゃないわ。私一人では出来なかったと思う」
 伊澄が補足する。
 いや、このマッチメイク、お前らの仕業かよ!
「……まさか、あの場であんなことを言うなんて……私では絶対に無理だったわ」
 いつも何を言い出すかわからないファンタジスタ伊澄が身を震わせるくらいの事って、一体何だろう?
 もしかして、結愛の家って、みせちんの世界じゃ結構口が利ける一家とか?
 いや、それなら親父さんが派遣労働してるってことはないよな。
 じゃあ、一体どういう──。
「やあ、調子はどうだい?」
 そこに入って来たのはコミッショナーの大久保さんだった。
「あ、こんにちは」
「おはようございます、大久保さん」
「おはようごさいます」
 伊澄だけでなく、結愛も挨拶をかわす。
 あれ? 結愛って、大久保さんと会ったことあったっけ?
「結愛っていつ大久保さんと会ったんだ?」
「うん、この前マッチメイクの時に」
 ああ、そうか、大久保さんを介してマッチメイクしてるはずだから、当然大久保さんと話はしてるか。
「じゃ、紹介はいいかな。俺の新しいマネージャですけど」
「もちろん知っているよ。いいマネージャを雇ったね。駆け引きがとても上手だ」
 大久保さんが感心するようにうんうんと頷く。
「そうなんですか? どんな駆け引きしたのか聞いてませんが」
「そうだろうね。おい」
 大久保さんが後ろに声をかけると、見たことのある屈強な男が二人入って来た。
「えっと、何ですか?」
 俺は身の危険を感じたので聞いてみる。
「彼女とね、取引をしたんだよ」
 大久保さんがにじり寄ってきた。
 あ、思い出した、この二人、この前無理やり毛を剃られた時にも俺を押さえてた人たちだ。
「私にもう一度毛を剃らせる代わりに、チャンピオン戦に参加させるというね」
「え? ちょ……うわぁぁぁっ!」
 俺は、屈強な男に押さえられ、ホモのオッサンにちんちんの毛を剃られているところを、二人の可愛いマネージャに見られていた。
 しかもこれを仕組んだのは、このマネージャだというね。
 その後、俺がしくしく泣いたのは言うまでもない。
 信じていた男の人に襲われた女の子みたいに。

「さ、そろそろ準備しましょうか」
「そうね。コスチュームも用意してあるわ」
 さめざめと泣いている俺のそばでは、俺に興味がないかのようにほったらかしにされていた。
 みんなしねばいいのに。
 俺を売った隣の席の美少女と、それを容認した幼馴染の美少女は、俺を放置したまま準備を始める。
 くっそ、あのおっさん今日は手が滑るも何もなく、普通に指入れてきたぞ。
 俺もたまらずに「ああっ!」って声を出してしまった。
 悔しい、悔しい、悔しい!
 俺、何やってんだ。
 それよりも俺をこの道に引きずり込んだ奴と、あのおっさんに俺を売りやがった奴が、すぐそばで仲好さそうに話してるのにも腹が立つ。
 お前らいつか同じことしてやるからな。
「わあ、格好いいね、これ」
「ええ、ちゃんとしたリングローブ専門店で作ってもらったから。サイズも問題ないわ」
 何でお前が俺のサイズ知ってんだ。
 まあ、俺の寝室まで入ってこれる奴だし、俺のサイズとか測るチャンスはいくらでもあったか。
「さあ、鷹士、いつまでも初めてを犬に奪われた女の子みたいに泣いてないで、これを着て」
「お前の例えは俺の想像の上空を行くな」
 伊澄に起こされた俺は文句を言いながらも、素直に立つ。
 そろそろ時間だと思ったからだ。
「とりあえず、今着てる服を脱いで、これを着て?」
 そう言って差し出されたのは、銀色のローブと、海パンよりも長めの短パンだった。
 っていうか、これってもろに、ボクサーの登場衣装じゃないか!
「え? これを着るのか?」
 なんだかやたら恥ずかしいぞ?
「ええ、鷹士の場合、まだ試合でブリッジをが使えないでしょうから、上半身は裸の方がいいわ」
 その理論はさっぱりわからない。
「まあいい、お(マネージャ)が用意したものなら黙って着るさ。更衣室はどこだ?」
「ここだよ?」
「そうか、そういやそうだな。じゃ、出てってくれ」
「嫌よ」
「なんでだよ!?」
「それは、もちろん見たい──マネージャだからだよ?」
「便利な言葉だな、マネージャ!」
「さあ、時間がないから早く着替えなさい?」
 伊澄が俺の服を脱がそうとする。
「やめろって! お前らおかしいだろ。何考えてんだ!」
「おかしくはないわ。これはタイトルマッチよ? マネージャが具合を事前に確かめるのは当然の仕事よ」
「そんなわけ──わあっ!」
 俺が油断している間に、背後から結愛が俺のズボンを下ろしにかかった。
 足を開いて何とか足首まで下ろされるのは免れたものの、股間は隠しきれていなかった。
「伊澄さん、足押さえて」
「分かったわ」
「やめろぉぉぉぉっ!」
 俺は美少女二人から服を守るという戦いを、試合前から繰り広げていた。
 もうね、俺も二人も必死だから密着しまくってて胸とか脚とか尻とか、あと股とかも押したり押さえられたりしてて、あと、二人ともミニスカだし、パンツも何回か見た。
 しまいには何やってんだ俺ってなって、最後には息が切れて全部脱がされた。
 名目上は着替えさせることだった二人だが、実際は脱がすことだけが目的だった二人は、息が切れている俺にパンツを穿かせようとはせず、二人もただじーっと俺の股間を見ていた。
 今になってアップしてる俺の股間をな。
 だってさ、なるだろ。
 俺本人が疲れて立ち上がる気力すらなくても、こんな美少女たちと寝技を繰り広げてたら、なるって!
 これは生理現象なんだよ、なんて思ってても、それを言う気力はない。
 俺はのろのろと立ち上がって、自分でパンツを穿いた。
 二人のマネージャは、寄り添ってソファに座っている。
 なんかね、俺、いろいろ挫けそうだけどさ、悔しいけどこの子達可愛いんだよな。
 普通なら絶対許せないことを連続でされてるのに、どうにも許してしまうんだよな。
 とりあえず、一度穿いたパンツは帰りには脱がなきゃならないから、その時にまた大騒ぎになるかと思うと、疲労感が半端ない。
 そんなことを考えながら、俺は銀色のローブを纏った。
「亜様さん、出番です準備お願いします」
 控室にスタッフが呼びに来た。
「じゃ、行ってくるか」
 俺は二人を背に、立ち上がった。

          ■

「それでは本日のメインイベント。チャンピオン決定戦始めます」
 舞台控え室から、舞台上のマイクパフォーマンスを聞いていた。
「赤コーナー、ランキング一位、世界を狙える最年少。山崎翔(かける)!」
 大きな声援。
 やっぱりランキング一位になるとそれなりに有名なんだろうか。
 最年少、ってことは、ここからじゃ見えないけど俺より年下ってことか。
 俺も結構若いと思ってるけど、俺より下となると、高一とか中三くらいか。
「青コーナー、六十点満点の伝説、微笑みの貴公子、亜様鷹士!」
 名前とともに、俺は舞台に飛び出した。
 大きな歓声。
 俺の六十点満点という逸話も観客の間に広まっているようだ。
 全身が高揚する。
 俺はまた、この歓声の下に帰ってきた。
 そう思うと、控室でのごたごたもどうでもよくなる。
 この前と注目度は全く違う。
 最初から期待されている。
 だが、期待は俺だけじゃない。
 俺は対戦相手を見る。
「……っ!?」
 対戦相手、最年少選手のそいつは、中学生の前半か、もしくは小学生にも思える。
 俺から見ても子供にしか見えないそいつが俺の対戦相手なのか?
 これは、まずいな。
 俺の強みは、この子供みたいな股間にある。
 もし、こいつも同じく子供っぽさでここまで来ているのなら、見た目も子供っぽいこいつの方が強い。
 いや、ギャップのある俺の方が上か?
 結局のところ、見られ少女の趣向に依存するんだよな。
「それでは、青コーナー先攻」
 今度は俺が先攻か。
 俺はローブを脱ぐ。
「頑張って」
 あれ? いつの間にか俺の後ろにいた伊澄がローブを受け取る。
「何でお前ここにいるんだ?」
「きちんとセコンド登録したからよ。この前は免許取れてなかったからそれが出来なかったのよ」
 いや、セコンドって……。
 何するんだ?
 そう言えば相手の選手にも母親っぽい人がついてる。
 まあいいや、今はそれどころじゃない。
 俺は立ち位置に立つ
 観客がしん、となる。
「レディー、ルック!」
 レフリーの声が響き、扉が下りる。
 出てきた女の子は、何が起こっているのかよく分かっておらず、だがいきなり開いた扉に驚いていた。
「……え?」
 どちらかと言うと、無垢そうな女の子。
 そんな彼女に、俺は笑いかける。
 女の子は、やはり少し安心したように微笑みを返す。
 いや、満面の笑みを返してきた。
 あ、ヤバい、この子可愛い。
 そして俺は、ズボンを下ろした。
 少し驚いた彼女は、でも俺の股間を見、また俺の顔を見て股間を見た。
 ……なんか、目が合うのは結構きついな、これ。
 俺は居たたまれなくなって、そのままみんながやっているブリッジをやってみた。
「よっと……」
 慣れないので少しバランスが崩れる。
 俺の半アップしたそれがゆらゆらと揺れる。
 女の子の顔は見えなくなった。
 代わりに後ろにいた伊澄が俺を見下ろしているのが見える。
「ぷっ、あはははははっ」
 なんだか分からないが、女の子が笑い出した。
 え? ここまでに笑うような要素あったか?
 いや、よく考えたら、いきなり男が下半身裸でブリッジ始めたら滑稽だよな。
 俺は死ぬほど恥ずかしいと思いながらも、時が過ぎるのを耐えた。
「そこまで!」
 扉が閉じる。
 ふう、やっと終わった。
「判定!」
 審判がまた相談し始めた。
 だが、すぐに話はまとまり、得点が出た。
「十九、十九、十九合計五十七点!」
 どよめき。
 前が満点だったのに今回は違うからだろうか。
「おめでとう、実質満点よ」
 後ろにいた伊澄にローブを渡される。
「どういうことだ?」
「これは勝負だから。先攻は後攻がそれ以上のパフォーマンスをした時のために、基本的に満点にはならないわ」
 そうなのか、そう言えばここで満点取ってしまったら、あいつがどうあがいても勝てる見込みがなくなってしまうからな。
 これは勝負であるとともに、ショーだからな。
 観客が見て喜ばれてこそ成り立つ競技だし。
「後攻、赤コーナー前へ!」
 俺の試合を見ていたあいつ、えっと、山崎? って奴が前に出る。
 こいつはこれまで日本一位だったんだよな。
 ってことは、日本チャンピオンの次に強いわけで。
 やっぱりこいつもウエアードなんだろうか?
 だとすると、見た目で俺とこいつのどっちが有利だ?
「レディー、ルック!」
 審判の声とともに扉が開く。
 向こうには、さっきとは違う女の子。
 山崎は、俺と同じように女の子に笑いかけていた。
 俺よりも無邪気な様子は、負けているかもしれない。
「せいっ!」
 そして、ブリッジしながら、ズボンを下ろす。
 そこから出てきたのは、俺のものとは全く違っていた。
 ウエアードどころか、その歳、その見た目にして、既にズル剥けで、しかも黒く光っていた。
 その形は、ひどくグロテスクでさっき少し安心した女の子は一瞬で怯えだした。
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
 叫びが、会場内に響く。
 それは、心からの恐怖の悲鳴だった。
「そこまで!」
 扉の向こうに女の子が消えていく。
「判定!」
 そして、得点が出る。
「十六、十八、十七合計五十一点!」
 歓声が、上がる。
 え? 俺はあれよりも上なのか?
 勝った……のか?
「勝者、青コーナー亜様!」
 大きな歓声に包まれる。
「っしゃぁぁぁぁぁぁっ!」
 俺の叫びは、歓声の中に消えた。
 後ろから、伊澄に抱きしめられる。
 よく分からないまま、俺は手を上げて、声援に応えた。
「新チャンピオン決定、チャンピオン亜様鷹士!」
 大きな歓声の中に溺れていくように、何もかも分からなくなっていた。
 裏から出てきた、結愛を抱き締めて頬にキスして、後ろから頬をつねられたのは覚えている。
 ローブを脱いで上半身裸で前後美少女に挟まれて興奮した俺は、パンツも自分で脱いだ気がした。
 女の子スメルで興奮してフルアップだったそれを大久保さんが触ろうとしたので蹴り倒した気がした。
 そして、こんなことを観客の前でやっていたことを、すっかり忘れていた。
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