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夜明けの月
作:BIRUSU



パーティー戦終了


「さて、いよいよ決着の時が来たようだな」

 すでに仲間をすべて完食し終えた女王とのタイマンが、今まさに始まろうとしていた。

「まったく、お前の食欲にはあきれるよ。だが、そのおかげでこっちは何とかやってこれたんだ感謝するよ。いや待てよ……そもそもお前がいなければあいつらはいないはずなんだから、感謝する意味なんてないか。とりあえず、無理だとは思うけど1つ言っておく。このまま引き下がってくれない?」

「キシャーーーーー!」

 女王は奇声と共に一番近場にある餌へとその歩みを進める。
無論餌とは俺の事だ。

「やっぱり、無理だよな」

 かなりのスピードで突撃してくる女王をかわし、後ろから鞭での攻撃にうつる。
鞭はうなりを上げ女王の背中へとその威力を発揮しようとしたのだが。

カキン!

 甲高い金属音と共に、その攻撃ははじかれてしまった。
奴の装甲は鉄並みらしく、鞭のような武器でははじかれてしまう。
鞭での攻撃ではダメージを与えられないので、威力重視の武器に変えようとしたが、武器を変えようにも、ハンマーのような武器は持ち合わせてはいない。

(うまく関節狙ってダメージ与えるしかないか)

 鞭ではダメージを与えられないため、ウィップパーツは邪魔でしかない。
 うまく移動しながらパーツを取り外す作業にかかる。
 少しでも早く外そうとするのだが、激しく動いても外れないようしっかり固定されているためなかなか外れない。
かた結びしてある紐を走りながら解く感じだ。

「だーーーーー! 追ってくるな! 外せないだろうが!」

 女王に追いかけられながら必死に外そうとしていたのだが、あまりにも外れないためむかついた俺は反転して思いっきり女王を蹴飛ばした。

「いってーーー!」

 蹴飛ばされた女王は、バランスが崩れそのままヘットスライディングするように地面へとダイブ、いっぽう思いっきり蹴飛ばした俺は、女王のあまりの硬さによって悶絶させられる。
 しかし、痛がるのもほどほどにしておかないとウィップパーツを取り外すことが出来ないので、足をさすりたいのを我慢して切り離し作業へと移る。

(ここを思いっきり上に上げて、ここを右にってあ〜〜〜〜いてぇ! 泣いちゃうぞこれ)

 蹴った時に弁慶の泣き所も打っているので泣きそうになるのを必死にこらえながら、作業を続けようやくパーツを取り外すことに成功。
 それにしても、レベアルとは違いなんだかんだで女王との対決は余裕がある。
一度、必要以上の恐怖体験をしたため、怖いという感覚が鈍っているのかもしれない。
だがそのおかげでハイテンションになり、いつも以上に動けている感じなのでよしとする。

「さて女王よ。お仕置きの時間だ」

 そう言い放つと女王にすぐさま近寄り、甲殻の間接部分にワンツーをくれてやる。
カキンカキンと金属音が鳴り響くがそんなのお構い無しだ。
今俺に出来る最大の攻撃がこのもっとも原始的な攻撃手段、手でぶん殴る事だけだからだ。
 女王は俺をなんとしてでも食おうと体当たりしてつぶそうとするが、身軽になった俺には単調な体当たり攻撃はあたるわけもなく、右へ右へと回りながら同じ部分を何度も何度もぶっ叩いては避けるの繰り返しだ。
 同じ部分を叩かれている甲殻は、次第に欠けはじめその肉体をあらわにしてくる。
そして幾度目かの攻撃を食らわせたそのとき、大きく甲殻が外れ左のジャブがそのやわらかいボディーへと突き刺さる。

 ブシューーーーー!!

 勢いよく、血が噴出し全身に緑色の血が降り注ぐ。
その生暖かい感触と強烈な臭いは気持ち悪さが際立つ。

「悪食なだけあって、血のにおいが最悪だ」

 普通のコロラドの血も結構強烈な臭いをしていたが、女王ほどではない。
こいつは、本当に見境なく食事をしているためその影響がもろに血に現れていた。

「ピギャーーー!!」

 甲殻が破れ、その体には異物が進入し痛みを伴う。
その状況で、もっとも行おうとする行動。
女王はその異物を取り外そうと急激に体を反転させ遠心力で排出しようとした。
 まだ左腕を抜いていなかった俺は、その行動に巻き込まれ大きく飛ばされてしまった。
そのとき、今では少なくなった地球からの品眼鏡も飛ばされてしまった。
こっちの世界にきて視力は戻ったものの、ずっとつけていたものだ。
なんとか受身を取り、眼鏡を拾いにいこうとしたが眼鏡は女王の下敷きとなり無残な最期を遂げていた。

「ぶっ殺す」

 普段余りキレない俺だが、さすがに愛用品を壊されて黙っているわけもなくスピード3割ましでの攻撃が始まった。
その攻撃は容赦なく無慈悲に淡々と繰り返された。
 むき出しになった体の部分に、次々とラッシュを決めていく。
左、左、右、距離をとってまた左、左、右と繰り返される。
そして1分ぐらいだろうか、数十発の攻撃を受けた女王からは絶え間なく流れ出していた血がほとんどでなくなり、動きが止まりついにはその巨体を横たえた。
女王の最後である。

「ふぅ〜〜〜、柄にもなくキレちまった」

 そうぼやきながら、俺と女王との戦いを邪魔しないよう遠くへと移動していたリットへと向かう。

「それじゃ、こいつらの殲滅証明部位とって帰るとするか。つっても女王とリットの倒した兵隊コロラドしか残ってないけどな」

「ですね。全部食べられちゃいましたしね」

 2人して、向き合い苦笑いした後、殲滅証明部位の顎を取り町へと向かい始めた。
ちなみに町に着いたとき、ドロドロに汚れてる俺を見て町人に白い目で見られ凹んだのは内緒である。












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