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湯煙殺人事件
作:針井 龍郎



エピローグ


 例の事件から2日後、横溝刑事が海原のアパートを訪ねてきた。事件の件で話があったからだ。

 事件の後、解決に貢献したという事で海原は警察署に呼ばれたのだが、彼はその申し出を丁重に断り、自分が事件にかかわったことを公開しないよう頼んだ。なので、海原はその後の事をまったく知らないのだ。

 武田はあの後、橘を殺したことを白状した。

「橘は、武田が会社の金を横領していた事を偶然知って、その事で武田をゆすっていたらしい。それに我慢出来なくなった武田が、あの日綿密に計画していた殺人を決行したそうだ」

 横溝刑事は武田の動機をそう説明した。海原はそれを黙って聞いていた。

「話は変わるけど、海原さんはこっち帰ってきてからまだ仕事決まってないですよね?出来たら私に紹介させて欲しいんですけど」

「まぁ一応話だけでも……」

「そうですか、助かります。医学の知識に堪能でしっかり護身もできて頭のキレる人物を雇いたい、探してきてくれ、と知り合いに頼まれまして……。ここなんですけどね」

 横溝刑事は一枚の名刺を海原に渡した。

『探偵事務所
  所長 大川剛』

「どうでしょう、お願いできますか?」

「探偵事務所ですか。まぁ結構おもしろそうな所ですし、明日か明後日にでもおうかがいします」

 海原の日本での日々はこうして幕をあけたのだった。ただ、それが波乱にみちた日々だと言う事に海原はまったく気づいてはいなかった。


 どうでしたでしょうか?初投稿なものでまだまだ未熟な点も多いですが、今後ともよろしくお願いいたします。
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