(35)
「こんな所で告白とは、流石俺の涼子だ。」
「ッ???!!!!」
屋上のドアから出てきたのは今一番居て欲しくなかった人物
「翼ッ?!!何で此処にッ・・・・・?!!」
「よぉ望、もう約束忘れたか?良い度胸じゃねぇの。俺の涼子に手を出すとは。」
昨晩のアザが痛々しく残る翼の顔には、ハッキリと怒りと悲しみの入り混じった表情を浮かべていた
「まったく、困ったもんだ、なぁ副生徒会長さん、この問題児どうしたらいいと思う?」
「え・・・・ッ?」
なんと翼の後ろから顔を出したのは、沢山の包帯を巻いたヒロの姿だった
「う〜んこれは困りましたね。
何らかの処分を下しましょうか生徒会長サン。」
優等生ぶった口調で翼と話すヒロは昨日あった事件を忘れそうになるほどだった
「それは後にして、ちゃんと聞いたかヒロ?涼子は俺が好きだとよ。」
翼は涼子とヒロを交互に見てニヤリと笑顔を向ける
唖然としていて忘れていたが先程自分の言ったことを思い出すと涼子は顔が真っ赤になった
「ったく、何だよこんなSな生徒会長何処が良いんだよまったく。」
呟くように言うと不機嫌そうに口を紡ぐヒロ
「涼子、今からお前を解雇する・・・・・・・―――
そして今から涼子はこの俺様の彼女に任命する。」
「へ・・・・?」
「何?こんなクサイ台詞を俺にもう1度言わす気?」
見上げればあの冷静なはずの翼の姿は無く、顔を真っ赤にした一人の青年
「翼にいじめられたらいつでも俺の所に来いよ♪俺キープでも全然平気だし」
「キっキープ?!そっ・・・・それより・・・・翼とヒロは昨日喧嘩して・・・・えっ?違うの・・・?」
いろんなことが一気に起こりすぎて混乱してしまう
「バーカ・・・・・昨日の事なんてもう忘れたよ、俺等基本仲良いし」
ッ〜!!!?人騒がせにもほどがあるよ〜ッ!!!
ほっとしたような、びっくりしたような涼子は気が抜け床に倒れこんでしまった
「おいッ!!!大丈夫かよ涼子っ!!」
「こっ・・・・・腰抜けちゃった・・・・――」
う〜恥ずかしい///何やってんのよアタシ〜//!!
穴があったら入りたいという言葉を始めて実感した涼子だった
「ったく・・・・相変わらず手のかかるやつだな・・・・・」
「ひゃッ?!!!!///」
翼は涼子をひょいと持上げると、屋上のドアに手を掛ける
「つっ・・・・つばさ!!おろして!!///アタシ重いし大丈夫だからっ・・・・!///」
涼子はもう緊張と恥ずかしさで気が気でない
「俺がこうしたいからこうしてんの、文句ある?
それと・・・・・ヒロ全校生徒体育館に集めといてヒロの副生と会長就任式やるから★」
軽く舌を出すと翼は、悪餓鬼のような笑みを浮べてヒロと望を屋上に取り残す
「翼っ降ろしてよ〜っ///パンツ見えちゃうっ!!」
涼子の抵抗は尚続き翼も翼でムキになって降ろそうとしない
「俺の彼女なら彼女らしく大人しくしてろ。体育館まであともう少しだ」
涼子が顔を上げると目の前にはもうすぐそこに体育館があった
「はい、了解しました手の掛かるお姫様のご希望に添いますよ。」
小さく溜息をつくと翼はスネた子供のようにしぶしぶ涼子を降ろした
「翼のバカ・・・//早く降ろしなさいよ、もぅっ・・///」
本当はもっと、こう“ありがとう”とか“ごめんね”とか、気の利いた言葉を掛けたかったが、
なかなか口が開かずについ、憎まれ口を叩いてしまう
「そんな事言って良いんだ、彼氏に。」
「ひゃっ!?//」
翼は涼子の顔を持上げるとぷにっとホッペをつかむ
「ッ///何すんのよ馬鹿ッ!!!!」
・・・・・――////
キスされるかと思った////
そんな風に自惚れていた自分に恥ずかしくなる
「開けるぞっ・・・・・――・・・・・・」
建てつけの悪い体育館のドアを開けるとそこには・・・・・
「ッッ???!!!!」
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