(26)
「って事でクラスの男子みなさーん。俺の彼女の涼子に手出したら、
ソイツの体引き裂いて俺ん家で飼ってるピラニアのエサにしてやるから★」
ヒロが言うとけして冗談には聞えないところが怖い。
クラスの男子は青ざめた顔をして涼子と視線を合わせないようにしている。
「ちょっと!不良少年!何勝手な事言ってんのよっ!アタシあんたの彼女になったつもりなんて・・・・・」
「照れてるの涼子?そんなところも、かーわいー」
もう何を言っても無駄だと分かった涼子は呆れた顔をして弁解するのを諦める
「あと、彼氏に“不良少年”は無いでしょー!!!もう俺不良卒業したし♪
・・・・・って事で、俺の事はダーリンかヒロって呼んで」
“呆れた”を通り越し涼子はハッキリ言って“引いていた”
「じゃぁ・・・・・ヒロで・・・・。」
シカトするのも何か可哀想なので明らかに引いた目で答えてあげる
初めて会った時とは、間逆にハイテンションなヒロを見て
やっぱ、翼とは従兄弟でも似ていないと以前思っていた事を訂正した時だった・・・・・・
ピーンポーン
パーンポーン
「涼子、主人の元に10秒以内で返って来い。さもないとお仕置きだからな。」
ピーンポーン
パーンポーン
授業中だと言うのにも関わらず相変わらず無茶な命令を出してくる“御主人様”
“お仕置き”に何されるか分からないので涼子は、とにかく急いで教室を出て行こうとする
「ちょっと涼子何処行くんだよっ!」
ヒロに手を掴まれドアに手を掛けようとしていた涼子の体が止まる
「ご主人様の元。」
べっと舌を出し、手を振り解いて急いで生徒会長室へと向かう
命令なんて本当は嫌なはずなのに心の何処かでわくわくしている自分が恥ずかしくなる
あの赤いカーペットの生徒会フロアに入り、
生徒会室の扉が見えたとき涼子の心臓脈拍数は通常の2倍はあっただろう
ガチャッ・・・・・
扉を開けると窓側にある生徒会長専用のソファーに腰を掛け顔をしかめている翼の姿
「3分48秒。」
その手にはストップウォッチがあり、時間を見るなり不機嫌そうな顔をする
「ペットが主人を待たせるとはいい度胸だ、どうせヒロとイチャツイていんだろう?」
そう言って不貞腐れた子供のようにソファに顔をうずめる
「え・・・・翼・・・・・?」
あきらかにそれは、ヒロに嫉妬しているようにしか聞えない
涼子は少し顔を赤らめながら翼の方へ近づく
「お仕置きだな。」
ソファに埋めていた顔を上げると、翼は力まかせに涼子をソファに座らせる
「ッ?!!!!」
今日3度目のあの心地よい体温が涼子に覆い被さってくる
ソファに押し倒された涼子は当然翼の力に勝てる訳も無く目を瞑るしかできない
首筋に生暖かい翼の唇が重なりゆっくり吸い取られていく
たまに涼子は体をビクンと震わせ、また強く目を瞑る
角度を変え何度も何度も涼子の首筋に赤い跡を残していく翼
その時涼子は自分の体の変化に気付き始めていた
胸の奥を掻き乱され、奪われる事を心の何処かで望んでいるような
そんな経験は生まれ初めてなので少し戸惑う
「涼子っ・・・・・。」
翼のあの低い声がいつもと違う甘い声となって涼子の耳元で囁く
囁いたと思えば耳を甘噛みされたり、ピチャピチャと
聞いているだけで恥ずかしくなるような官能的な音が部屋中に響く
「・・・・っァッあ・・・。」
不意に漏れてしまう涼子の甘い声
そんな声を出した事を恥じるように涼子は顔を真っ赤にし、翼から逃れようとする
けれど、また翼の力に押さえられ体を固くする事しかできない
「涼子の感じた声もっと聞かせてよ・・・・」
再び耳元で囁かれる翼の甘い声に酔いしれてしまいそうになりながら
涼子は必死に平常心を保とうと耳をふさごうとする
「・・・・・お仕置き終了。」
そう言うとさっきまで覆い被さっていたあの心地よい体温が急に消えてしまう
翼はソファから体を起こすと乱れた服を直し、部屋を出て行ってしまった
「え・・・・・・・?」
ソファにただ一人残され、唖然としている涼子
体の中にまだ熱が疼いていて、翼が残したもどかしさにおかしくなりそうだった
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