(25)
「ご・・・・っ・・・ごめんなさィ・・・・っ・・・。」
大きな瞳に涙をいっぱい溜めながら涼子に謝る望
あの後、解雇は取り消しにされたものの、翼にキツイお仕置きをされた望は体を小刻みに震わせていた
「もぅ良いからっ・・・・・望君涙拭いてっ・・・・・?」
「ぁ・・・・ありがと・・・・ぅっ・・・・りょうちゃんっ・・・・」
昨日の望の姿を忘れるぐらい望の泣き顔は可愛くて、抱きしめたくなる。
「もう良いから望は、早く授業に戻れ。」
奥のドアから湧き出てくるように翼が顔を現し、望を部屋から追い出してしまった。
「アタシもそろそろ授業行かないとねっ!」
そう言って涼子が立ち上がろうとした時・・・・・・・
「待て。」
翼に、思いっきり腕を引っ張られ体が傾く
「いった!何よ?アタシになんか用?!」
保健室での恨みをまだ根に持ってる涼子は少し強めの口調でキレてみる
翼は掴んだ手を自分の方へと力ずくで引っ張り再び涼子を抱きしめる
「ちょっ・・・・///なんなのよっ!昨日から・・・離しなさいよ変態っ!!///」
自分の感情とはウラハラに翼を突き飛ばそうとする涼子
「ちょっと暴れるな・・・・・・もう少し・・・・・・よし!・・・・付いた・・・・・」
金属が当たるような冷たい感触が首筋に感じる
ふと見ると涼子の首には、キラキラと輝く綺麗なネックレスが付けられていた
「首輪の代わりだ。無くしたらお仕置きだからな。」
きっぱりと言い捨て翼は涼子を置いて部屋を出て行ってしまった
赤らめた顔を隠すために・・・・・・・
翼が出て行ったのを確認すると涼子は再びネックレスに視線を落す。
「・・・・・・本当綺麗なネックレス・・・・これ、相当高かったんじゃ?!!」
これ程の綺麗なネックレスだ、しかも真ん中には、薄いピンクのダイアにプラチナのチェーンそれ相当の値段だろう
改めて翼の凄さを知った涼子だった・・・・・・・・――――
キーンコーン
カーンコーン
幸福感に浸っている暇も無く授業開始のチャイムが鳴る。今は、丁度3限目の家庭科の授業だろう
真面目な涼子は校内パンフレットを片手に、急いで家庭科室へと向かった
ガラッ・・・・!
「すいません!遅れましたッ!!!」
息を切らし涼子は家庭科室に勢い良く入っていく
「あ!涼子だ!やっと来た〜家庭科は先生用事で居ないから自習だよ、涼子ツイてるねー!」
可愛らしい笑顔でにっこりと涼子に微笑みかけてくれるカナ
そして、ぞろぞろと次から次へと集まってくる女子生徒たち
「涼子って、生徒会専用寮に住んでるんでしょ?!やっぱ豪華なのっ?!!」
皆興奮したように目をキラキラさせて涼子に詰め寄ってくる
「べ・・・・別に・・・・案外普通の寮だよ・・・・?」
苦笑い交じりで涼子は、みんなに寮内の説明やお世話役の黒木の話などをした
涼子が何か言うとみんな大げさに声を上げたり涼子を羨ましがった
「なんか生徒会長涼子に会ってから変わったよね。」
カナがそう言うと周りのみんなも次々に頷く
「アタシなんて前、廊下ですれ違っただけですっごい睨まれたし!」
「アタシなんか、生徒会長に廊下走っていて怒鳴られたんだから!」
次々に女子生徒たちの口から出る前の翼の話
「でも、涼子が来てから刺が取れたって感じ♪さっきアタシ生徒会長に“おはよう”って挨拶されちゃったもん」
嬉しそうに顔を赤らめるカナ。そんなカナを見ていると涼子は胸が痛くなった
「あ〜あ、あんなカッコいい彼氏がいるなんて涼子幸せ者だ〜」
みんな意味有りげにニヤニヤと涼子を見うる
「・・・・・///ち・・・ちがっそんなんじゃ・・・・・!!!」
そんなんじゃないから!と涼子が否定しようとした時
「あんなカッコいい彼氏って、まさか俺の事ー?」
「??!!!!」
みんなは一瞬にして凍りつく。なんたってそこには髪を黒く染めたヒロが立って居たから。
「ねーみんなぁ、俺髪黒く染めたんだけどォー似合ってるー?」
更にヒロは、涼子と出会う前では、決して有り得ない笑顔を女子生徒に向けてみせる
「・・・・・/////に・・・・にぁってるょ・・・・///・・・・・・ね?り・・・・りょうこっ・・・・・」
顔を茹蛸のように赤らめた女子生徒たちは、そのキラースマイルから逃れるためとっさに涼子に話を振る
「え・・・・あ・・・・うん、似合ってるんじゃない?アタシ的にはそっちの方が良いと思うよ?」
「良いと思うって事は、こっちの髪の方が好きって事だよね・・・・・?」
「・・・??う・・・うん、好きって事だけど・・・・?」
涼子は、全く意味が分からずただ適当に答える
「俺も涼子が好きだよ。」
突然の告白にビックリして涼子は、椅子から飛び落ちそうになる
涼子だけでは無く回りにいた女子生徒たちもマヌケな顔で口をポカンと空けていた
「涼子言ったろ?“好き”って、俺も涼子が好きだから。俺たち相思相愛だな♪」
あまりに強引なヒロの説明にもう呆気に取られるしか出来ない涼子たちだった
|