(23)
「・・・っ・・・う・・・ん・・・・・」
淡いオレンジ色のカーテンから眩しい朝日が漏れている
ズキンッ・・・―
腰が痛む。その拍子に昨日の出来事が蘇る
アタシは望君に襲われかけた・・・・・・―
認めたくない事実と昨日翼に抱きしめられた時の心地よい体温
涼子は、ベッドから体を下ろし床にペタンと座り込んだ。
「・・・・翼が・・・此処までアタシを運んで来てくれたのかな・・・・・?」
恥ずかしいような、それでもって嬉しいような奇妙な感情に陥る
ア・・・アタシ・・・・重かったかな?!!寝言とか言って無かったかなッ?!!
ヨ・・・・ヨダレなんか垂らしてたら、アタシッ・・・・・////
昨日望に酷い事をされたのにも関わらずまだ、翼の事を考えている自分。
それ程翼のことを深く愛してしまったのだと涼子は驚く
コンコンッ・・・・
涼子は心臓が飛び出るかと思うぐらいビックリした。もしかして翼ッ?!!!
などと言う淡い期待を胸にしまい、ゆっくりと扉を開ける。
「おはよーッ涼子♪♪」
そこに立っていたのは、髪を黒く染めたヒロだった
不気味に光るあの幾つものピアスもはずされていて、不良少年の面影は消えていた
「じゃーん似合う★?親父が生徒会に入るんだから髪ぐらいきちんとしろって言うもんだからさー」
その表情は何処と無く翼に似ていて、昨日の心地よい体温が思い出される。
そして、伸びきった髪をきちんと整えたヒロはビックリする程カッコよくなっていた
元々顔のパーツは良く、目なんかは翼の目にソックリだった
「すっごい似合ってる、絶対そっちの方が良いって
きっとそのほうが女の子にもモテるよー!」
「どーでも良い女にモテたって意味ねぇし・・・・・俺がモテたいのはただ一人・・・・・涼子だけ。」
そんなクサイ台詞を真面目な顔で言うもんだから、冗談とは分かっていても一瞬戸惑ってしまう涼子
涼子はヒロから目を逸らそうとするが、金縛りにあったように自分の体が思うように動かない
一瞬でも油断すると吸い込まれそうなヒロの澄んでいる綺麗な瞳
「あ・・・・え・・と・・・―」
あまりの気まずさに話題を変えようと涼子が口を開いた時
「大変だあああああぁぁぁぁぁァアアアッ!!!!!!」
地響きかと思うぐらい足音をたてこっちへと向かって来る翔太の姿
「ど・・・・どぅしたのッ・・・・??」
「のむ・・・が・・・・望がッ・・・・・・・!!!!!」
---------ヒロ目線---------
「どーでも良い女にモテたって意味ねぇし・・・・・俺がモテたいのはただ一人・・・・・涼子だけ。」
俺は、生まれて初めてこんなクサイ台詞を言った
言い寄ってくる女は飽きる程居る、女に1度だって不自由したことのない俺が
1人の女の為にここまで言うとは自分でもビックリしていた
目の前で戸惑う愛しい彼女
そんな彼女の困った顔もまた可愛くて見惚れてしまう
「あ・・・・え・・と・・・―」
彼女が口を開いた瞬間・・・・・・
「大変だあああああぁぁぁぁぁァアアアッ!!!!!!」
せっかくの2人きりの時間を邪魔するかのように騒々しい奇声と足音
ったく・・・・なんだよこの良いムードの最中に・・・・・・
奇声を発していたのは、生徒会メンバーのなんとか、翔太って奴。
腹の立ったヒロは少し眉間にシワを寄せ近寄ってくる“あいつ”にあからさま嫌な視線を送る
「のむ・・・が・・・・望がッ・・・・・・・!!!!!生徒会から解雇された・・・・・・!!!」
--------涼子目線--------
え・・・・・・?
望君が・・・・・解雇・・・・・・??
涼子の頭に嫌な予感が掠める
「翼はッ?!!翼は何処に居るのッ?!!!!」
「・・・・・・それが、今日の朝から見てないんだ・・・・・授業も始まるってゆうのに・・・・・」
嫌な予感が1つまた1つと積み重なっていく
早く翼を見つけ出さなければ・・・・・・
「おッおい涼子?!!何処行くんだよ?!授業出ない気かよッ?!!!」
ヒロが心配そうに叫ぶ
「翼を捜しに行くッ!!!」
そう言って涼子は、心配そうに見つめるヒロと翔太の前から走り去っていった
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