(20)
「ごちそーさまァ」
みんな食欲旺盛なお年頃なので、あんなにも大量にあった料理も20分程度でぺロリとたいらげた
「あー今日も食ったなー!さ、部屋行って風呂入ってこよー♪」
みんなそれぞれの部屋へ、帰ろうと席を立った時・・・・・・
コンコンッ・・・・―
5人しか使用しない食堂にしては広すぎる室内に響くノック音
「誰だ、入れ。」
翼がそう言うと、ドアの向こうから堅苦しいスーツを着た整った顔の中年の男性が出てきた
「翼様、亮様、望様、翔太様、そして涼子様、御伝えしたい事がございます。」
「何だ、黒木か
あ、涼子この人は、ここの寮の世話をしてる黒木だ、聞きたい事があれば黒木に聞け
で、どうしたんだ?黒木が直々に来るなんて何かあったのか?」
「・・・・・・ヒロ様が・・・・
ヒロ様が生徒会に加わると連絡が入りました・・・・・」
「ッ?!!!!」
翼は目を大きく見開き、唖然とする
翼の嫌な予感は的中し、あのヒロの不気味な笑いが頭に浮かぶ
だが、翼には一つ納得いかないことがあった
「・・・・・ッ!父さんはッ?!!親父は認めたのかよッ?!!!」
異常な程に、プライドが高く神田の血を果てしなく恨んでいる親父がそんな事するはずがない
「芳賀会長からは、すでに許可を得ています。
それで・・・・問題が一つありまして、ヒロ様が翼様と相部屋が言いと仰っております。」
「ハァッ?!!!!絶対嫌だからなッ!!!!」
「そう仰いましても・・・・・只今空き部屋がございませんので・・・・・
しばらくは、翼様には、我慢していただかないと・・・・・」
「・・・・ッ!!!とにかくッ!俺は、絶対嫌だからな!」
そう言うと翼は、乱暴にドアを閉めて食堂を後にした
「ハァ・・・・まったく・・・翼は相変わらず意地っ張りなんだから。」
「嗚呼、芳賀会長に何て御伝えしたら・・・・」
戸惑いながら冷静さを少し失った黒木を見ると翼の父はそうとう怖い事を予想させた
黒木は、落ち着きを無くし、ブツブツと独り言を吐きながら食堂を出て行ってしまった
「あ、涼子チャン気にしないで?いつもあんな感じだから」
亮は涼子の不安そうな顔を消し去るかのように小さくウインクした
「よ〜し、望お部屋に戻ろぉっとォ
あ、その前に・・・・・りょうチャンちょっと来て・・・・・」
熊の人形を抱いた可愛らしい男の子は涼子の腕を引っ張り食堂の外へと連れ出した
「え・・・・?望君?」
望のしたい事が理解できない涼子は掴んでいる腕を離そうと止まろうとする
「いいからァいいからァ♪」
望は、楽しそうに鼻歌なんか歌いながら涼子の腕をもっときつく握る
まるで女の子のように白くて細い望の手だがそれとは真逆にあまりに強い力は
やっぱ男の子なんだなと涼子を納得させた・・・・・。
「此処は確か・・・・。」
涼子が連れてこられたのは、涼子が翼のペットとして始めてつれてかれた場所だった
「そおォここは、生徒会室だよぉ♪」
薄暗い部屋の中で月の光だけが望の顔を不気味に照らす
ガチャッ・・・・
シーンとなった無言の部屋に金属が音をたてる、それはまぎれもなく
鍵を掛けた音だった
「のぞむ・・・・クン・・・・・――ッ?」
「ハハハッ!本当馬鹿だよねぇ!涼子チャンさぁ・・・・目障りなんだよね♪
君に翼の周りをうろつかれると翼の品が落ちちゃうの
涼子チャンには、悪いけど・・・・・・・みんなやっちゃってよ」
嘘でしょ・・・・・・―?
奥の部屋から数人の男たちが出てくるのが音だけでも分かる
それは、映画やドラマの中で繰り広げられていた自分には無関係だと思っていたあのシーン
・・・・・・レイプ・・・・――
頭の中でパッと浮かぶその言葉
恐怖感が涼子の足を竦ませ声さえも奪ってゆく
「翼のペット辞めるって言うんなら、未遂にしてあげる事も可能だけど・・・・・??」
望の口から出された1つの提案、これを呑まなければ確実にこの男たちに犯されてしまうだろう
しかし、涼子はその条件を呑むことが出来なかった、何故だか分からないが体中が涼子を止めたのだ
アタシ、今翼のペットでいたいって思っている・・・・・・??
その事に気が付いた涼子は自分自身でもビックリした
そして、涼子はこの大勢の男の中で大声を張り上げた
「アンタたちそれでも男なのッ?!!!大勢でなきゃ何も出来ないただの弱虫じゃないのッ!!
あんた達みたいなのがいるから若者は全員駄目みたいに思われるんじゃないのッ!!!!」
今日は本当に自分でもビックリする事の連続だった
しかし、今更後悔しても遅い、涼子は胸を張って堂々と仁王立ちをした
「ナメてんじゃねぇぞこのアマッ!!!!」
一人の男が涼子に殴りかかろうとした時
「待てッ!」
涼子は、目をゆっくりと見開く・・・・助けてくれたのはなんとあの望だった
「何でだよ?!!!この女になら何しても良いって言ったのは望だッ?!!!」
「・・・・・僕の言う事が聞けないの?」
瞬き一つしない見開いた瞳は、ヒロに負けない・・・・
いやそれを上回るほどの威圧感を放った
「涼子チャンって面白い子だね♪
そんな涼子チャンをコイツ等にヤらしちゃうのは、勿体無いよなぁ・・・・・・
ねぇ、お前等やっぱ邪魔だから出て行ってよ。」
「・・・・・・――」
無言で出て行く数人の男達、月明かりだけが奇妙なほど明るく部屋を照らしていた
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