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更新ペースが遅れてすいません。

 正直、俺はこの男が信用出来ない。俺が言うのも何だが、こいつは絶対に性格が悪い。

 俺がどう返答しようか迷っていると、リンが口を開いた。


「暁さんは妹さんを探していたのですよね? 虚空さんの所属しているギルドに入れて貰えば探しやすくなると思います」

「妹さんを? うん。だったら僕達のギルドはピッタリだと思うよ。何せ《不滅龍ウロボロス》だからね。情報も沢山入ってくるし。それに僕はギルドでの立場もそこそこ良くてね。僕のパーティに入ってくれれば《不滅龍ウロボロス》に入れるように手続きしてあげるけど、どうかな?」


 栞を探しやすくなる。

 これには惹かれる。そこまで詳しいわけではないが《不滅龍ウロボロス》と言えばかなり大きなギルドだった筈だ。そこに入れば色々やりやすくなるだろうし、掲示板よりも正確な情報を手に入れることが出来るかもしれない。

 妹を捜しやすくなって、さらにプレイヤーが憧れるトップギルドに入ることが出来る。断る理由が見つからないな。だけど俺はあまり大勢の中で活動したくない。ギルドにはルールがあるだろうし、ある程度の制限は受けることになるだろう。

 自由を取るか、妹を取るか。

 まあ答えは簡単だな。

 栞を取るに決まってる。


「……。分かった。仲間に入れてくれ」


 俺がそういうと虚空は作り物めいた爽やかな笑みを浮かべ、手を差し出してきた。握手らしい。だが俺はそれを握らず、言葉を続ける。


「俺だけじゃなくて、こいつらも仲間に入れてやって欲しい」


 俺がそういうとリュウとリンは驚いたような顔をした。「どうして」と言いたそうにこっちを見てくる。そりゃあなあ。短い付き合いではあるけど、もうあっさりと見捨てられないぐらいには何というか、仲良く……なったしな。


「……うん。《不滅龍ウロボロス》は常に人員不足だからね。この子達にも是非仲間になって貰いたいよ。えっと二人の名前は?」

「リュウとリンだ」

「なるほど、リュウ君とリンちゃん。君達も僕の仲間になってくれるかな」


 虚空が二人に話し掛けると、リュウとリンは俺の方を見て意見を求めてきたので頷いておいた。


「「はい……。お願いします」」


―――――――――


 あの後俺達はフレンド登録し、明日の九時に街の中央に集まる約束をして分かれた。




 宿に帰った俺は夕食が出来るまでの間、奴らを調べていた。



 虚空。二つ名《槍騎士ランスナイト》。

 前回のイベントで活躍し二つ名を付けられた。槍を振り回して敵を打ち倒す様子は非常に女子に好評で、あんなイケメンに守って欲しい、と言うことで《槍騎士ランスナイト》という二つ名を付けられたらしい。彼が必殺技としているスキル《コメットインパクト》から《彗星》という二つ名が有力だったが、女性プレイヤーによって《槍騎士ランスナイト》を定着させられてしまった。

 所属ギルドは《不滅龍ウロボロス》。ギルドに加入してから異様な早さでレベルを上げ、現在は《不滅龍ウロボロス》の幹部候補と言われている。

 《ビーハイブ》と《コメットインパクト》のコンボが強力。

 イベントでギルド《瑠璃色の剣》所属の二つ名持ち《犬騎士ドッグナイト》と戦い、敗北する。


「一応、《瑠璃色の剣》も調べてみるか」


 《瑠璃色の剣》。トップ三人が二つ名持ちのそれなりに大きなギルド。サブマスターが二人いる。

 ギルドマスターはるりん。《瑠璃》の二つ名持ち。サブマスターは剣犬。《犬騎士ドッグナイト》の二つ名持ち。もう一人のサブマスターはらーさん。《ふにゃふにゃ》の二つ名持ち。

 るりんが設立。いつ設立したかは不明。《瑠璃》と《犬騎士ドッグナイト》と《ふにゃふにゃ》は攻略組で実力者。


「あんま関係無かったな。《不滅龍ウロボロス》について調べておくか」

 

 

 《不滅龍ウロボロス》。《照らす光》と肩を並べる大きなギルド。

 ギルドマスターは玖龍クリュウ。《震源地》の二つ名持ち。サブマスターは《移動城壁パーフェクトウォール》。イベントに出ていないため二つ名もない。

 玖龍がゲーム開始三ヶ月くらいで設立。攻略組には《不滅龍ウロボロス》のプレイヤーが多くいる。二つ名持ちも多くギルドマスターの玖龍《震源地》を筆頭にギルド幹部《首刈り》や幹部候補《槍騎士ランスナイト》など合わせて十名以上いる。

 PKギルド《屍喰らい(グール)》と何度も交戦しているが決着は付かず。


――――――


 《不滅龍ウロボロス》。ここまで大きなギルドならば信用できるだろう。だけどギルドメンバー全員がきちんとした奴とは限らない。虚空がまともな奴かは分からない。

 怪しい相手は疑え。この世界で気を緩めれば明日はない。

 調べた限りでは虚空もそれなりに有名だし変なことは起きないだろうが……。まあいい。俺は普通に《不滅龍ウロボロス》に入るつもりはない。栞の情報さえ手に入ればすぐに抜け出す。あまり団体行動は好きじゃないからな。それとリュウとリンの安全もしっかり確かめておかないとな。

 まあ虚空の言う通り栞を探すのには役立つだろうから、利用できるだけは利用してやろう。


「できたよー」


 リンの声が聞こえる。どうやら料理が出来たようだ。さて、調べるのは後にして先に料理を食べてきますか。お別れ会じゃなくなったけどな。


 この後、リュウとリンにしつこいくらいに礼を言われて精神的にクタクタになった話は省略しておこう。

 

 




もう数話で話が動くと思います。ノロくてすいません。

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― 新着の感想 ―
えっ? 怪しんでいるのに入るの? 被保護者の避難先にしても、怪しんでいるのに? つーか、そこまで妹ちゃんに執着、あったの?
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