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Name:リュウ

Lv29

Weapon:斧『レックスアックス』

Skill:《ステップ》《ジャンプ》《見切り》《察知》《隠密》《兜割り》《フルスイング》《フォーススイング》《生命力》《へヴィスイング》

Title:【斧使い初段】


Strength:123

Agility:100

Endurance:58

Vitality:94

Dexterity:57


――――――


Name:リン

Lv28

Weapon:槍『トリケラスピア』

Skill:《ステップ》《ジャンプ》《見切り》《察知》《トライスタブ》《なぎ払う》《生命力》

Title:【槍使い初段】


Strength:101

Agility:107

Endurance:50

Vitality:83

Dexterity:110


――――――


 

 街に戻った俺達は宿でお祝いをやっていた。リンが作った料理をみんなで食べながら今後の話をしていた。


「大分レベルも上がりましたし、このくらいのレベルならどこかのパーティーに入れてもらえると思います。掲示板でパーティーを募集している人を探して見ます。お世話になりました」

「ありがとうございました」


 二人が一緒に頭を下げてくる。やっぱりこうやって感謝されるのはむず痒いな。別に良いよ、と返しながら海老の天ぷらを一口。衣の中のプリッとした食感が最高だ。塩を少し付けながら尻尾までバリバリと食べきる。二人が尻尾を食べる俺を見て驚いていた。尻尾はいつも食べずに残すらしい。美味いのになあ尻尾。

 

「暁さんはこれからどうするんですか?」

「そうだなあ。俺は取り合えずもっと上のレベルのエリアに行ってみるよ。妹も探したいし」

「そうですか……気を付けてください」

「ああ」


 上のレベルと言っても第八エリアぐらいに行くつもりだ。モンスターの強さを確かめつつ、栞を探していく。あいつの事だから《ワイルドフォレスト》や《ディノジャングル》みたいな低レベルのエリアには居ないだろう。もっと上を目指している筈だ。……生きていれば、だが。栞に会って何をしたいのか、何を言いたいのか、自分でも良く分からない。見捨てられた事は未だに根に持っている。だけど取り合えず全部会ってからだ。それからでも遅くないだろう。


 その後、俺達は自分の部屋に帰りシャワーを浴びて各自寝ることにした。


 因みに今日出た料理は、海老の天ぷらを初めとした沢山の天ぷら、鰹節の乗った焼きなす、たけのこの煮物、お味噌汁だった。蟹の天ぷらは柔らかくて身が甘く、イカの天ぷらは歯ざわりが良くてジューシーだった。焼きなすには醤油を掛けて頂いた。たけのこの煮物はコリコリとした食感が最高だった。味噌汁にはたくさんなすが入っており、汁を吸って柔らかくなったなすはとても美味しかった。



「ふう」


 今日であの二人とのパーティーも終わりか。ベットに横になりながら俺はリュウとリンの事を考えていた。このままずっとパーティーを組むのは正直無理だ。もっと上のエリアに行きたい。だけどあの二人が心配だ。もし今日みたいなミスをして死んでしまったら……。リュウはしっかりしているしリンも頑張っている。だけどそれだけでは生き残れない。フレンド登録しているのだからチャットでいつでも会話できるようになっているから何かあればすぐに助けに行くけど、恐らく何かあってからでは間に合わない。だけど俺は栞を探さなくちゃならない。

 ベットで寝返りをうってから溜息を吐く。俺はどうしたら良いんだよ。

 コンコン、とドアがノックされた。リュウか? 入って良いぞーと声を掛けるとドアがゆっくりと開いた。中に入ってきたのはリンだった。リンは俯きながら俺の方にやってくる。寝転がっていた俺は起き上がってベットに腰掛け、リンに座るよう促した。


「どうした?」


 リンはベットに来てから黙っているので俺が先に声を掛けた。


「あ、あの……」


 リンが躊躇いがちに口を開く。


「ずっと……一緒に居てくれませんか?」


 潤んだ瞳で上目遣いで俺を覗き込んでくるリン。止めてくれ。言わないでくれ。俺は栞を探しに行かなくちゃならないんだ。俺を引き止めないでくれ。


「最近、ずっと兄と二人っきりで。だから暁さんが居てくれると凄く安心して……」


 そういうとリンはまた黙ってしまった。リュウの前ではいつも強気なリンだけどこんな面もあったんだな。だけど俺ははいと答える訳にはいかない。俺には、栞が居るんだ。


「ごめんな」


 リンを抱きしめて頭を撫でてやる。少し湿った髪の感触。そういえば栞が小さい頃はよくドライヤーで髪を乾かしてやってたな。リンは抱きしめられた事にびっくりしたようで、ビクリと体を震わせた。あれ……。ちょっといい雰囲気だったから抱きしめたりしてみたけど嫌だったのか? 女性経験無いから良く分からんが、取り合えず離れたほうが良さそうだな……。ゆっくりと抱きしめていたリンの体から離れようとする。


「暁さん……」

「っお」


 リンが離れようとした俺を抱きしめ、体をくっつけてきた。おおお…………。抱きしめても良かったのか。良かった。ちょっと焦った。顔を胸に埋められる。リンが中学二年生だとは言え、流石にドキドキするな。いや、ロリコンとかじゃないんだけどね。それからしばらくリンの頭を撫でながら抱きしめあった。髪から良い匂いがしてきてドキドキする。女の子って何でこんな良い匂いがするんだろう。栞もだけど。まあ男がこんなに良い匂いってのもどうかと思うんだが。女の子の体は柔らかいって言うけどそれは正しかった。男が固いのは筋肉があるからだろうけど。リンの体は柔らかくて抱き枕にしたら気持ち良さそうだった。思わずお腹の肉を摘んでむにむにしてしまう。


「わや!」


 むにむにされたリンが悲鳴を漏らす。わやってなんだよ。面白かったのでもう一度むにむにしてみる。


「ひょわ!」

「むにむに」

「うひょわあ!」

「むにむに」

「あうあ!」


 


それからしばらくむにむにし続けていたら、様子を見に来たリュウに見つかって怒られましたとさ。彼、怒ると笑顔になるんだな……。めちゃくちゃ怖かったです。

今回はあまり話が動きませんでしたが、次回でちょっと動きます。


《奴》、再び。

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