「うむ。わかった。今いく」
オレはバッグを持ち、家を飛び出した。
「はぁはぁはぁ」
途中で野良犬に追いかけられた。ツイてない。
ものすごい夕焼けである。暑い。
「あ。お母さん。あのおにいちゃん、すっぱだかだよー」
「これっ。よしおちゃん。見てはいけません!」
「はぁはぁはぁ」
「わんわん! わんわん!」
警官も追いかけてきた。
「待てーこらー」
ピストルをぱんぱんぶっ放している。
「な、なんでー?」
オレは走りながらわけがわからない。
オレはもう汗だくである。
まず一番に考えなければならぬことは、なぜ、オレが今すっぱだかで街を走っているのか、ということである。
これについてはいまいちよくわかっていない。
一応、手にしたバッグの中には服が入っている。
それを着ればいいではないか!
でも着ない。なぜだ?
二番目に考えねばならぬこともある。まぁ今考える必要はないかもしれないが、
オレは本当に芳子さんのことを愛しているのか、ということである。
芳子さん、というのは、オレの奥さんのことである。24歳である。
芳子さんは、Eカップだ。
そこが芳子さんのいいところでもあり、悪いところでもある。
Eカップはもむときはすごく気持ちがいい。
しかし、ケンカになると、こわい。
自慢のEカップでオレのほっぺたをぶん殴ってくるのだ。
「痛い! 痛い! 痛い!」
オレは、右左右左と、ほっぺたをEカップで殴られる。
殴られるのだ!(了)
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