哀は時々思い出す。 自分が拾われた雨の日を。 伸ばされた手が暖かかったこと。 自分も、いつか誰かに差し出す手が暖かいといい。 そんなことを思いながら眠りについた翌日。 朝から降り続いていた雨の音で哀がいつもより早い時間に目を覚ますと、家の門の前で誰かが倒れていた。 ソファに寝かせ、目を覚ました彼は自分を「ハオ」と名乗る。 「あい」と自分の名前を教えた哀にハオは寂しそうな瞳を向け「哀しい名前だね」とふっと笑った。 「僕はそれを知らないから」 雨の日に始まる、哀とハオと博士の共同生活。 彼に迎えは来るのだろうか?