第12話:衝撃
俺達は振り返らずに走る事を辞めずに、村の中心へと走っていった。
ガシャガシャという音が聞こえてくる……恐らく俺達を追いかけているのだろう。
でも…その音はだんだん聞こえなくなった。
「はぁはぁ…何とか逃げることが出来たみたいだな。」
「ハァハァ…でも…潤さんが死んだ…これから俺達は一体どうすればいいんだよ!?」
十弥が怒鳴り口調でそう言った。
確かに十弥が言った通り、俺達はどうしたらいいんだ?
潤さんが死んでしまったんだ…ヤツを討ち取るか?
それとも、この村を脱出するか?
「ねぇー竜也。」
俺が色々考えていると恵理菜が大きな黒い目をうるませながら言った。
「どうした?恵理菜。」
「あのね……何でスカーフェイスはあたし達から大事な人達を奪っていくの?メチャクチャ悔しい……。」
恵理菜が泣きながらそう言った。
「泣くなよ、恵理菜。もうこれ以上皆を死なせたりしないから…。約束する。」
俺はこう言うしかなかった…でも俺は本当にこれ以上友達を失いたくない。
俺は恵理菜を抱きしめて…頭を優しく撫でた。
俺は恵理菜から離れた。
「とりあえず、あの空き家に入ろう。そこで今後の事を話し合おう。」
そう言って俺達は空き家に入った。
俺達は机の周りに椅子が置いてあったので、そこに座った。
「これから私達はどうしたらいいの?」
「そんな事わからないよぉー!あたしだって聞きたいよ!」
「そんな言い方しなくてもいいじゃない!」
加織と恵理菜が言い合いをしている。
「二人共落ち着けよ!こんな時に言い合いなんかしてる場合じゃないだろ?」
十弥が二人の言い争いを制止した。
「ゴメン恵理菜。言いすぎた。」
「こっちこそゴメンね。」
「よし!仲直りしたところでこれからの事を話し合おう。竜也。これから俺はお前の言う通りにするぜ。」
いや…そう言われても困るんだよ。
俺だってわからないんだ。
「あたしも竜也の言う通りにするよ。」
「私も賛成。」
ったく…何で俺なんだよ?でも一つだけ考えがある。
「俺も何したらいいか…いまいちよくわからないけど…一つだけ考えがある。」
「その考えとは?」
「いい考えかどうかはわからないが…この村から脱出という方法がある。」
「でも…どうやって?」
「村の入口に止めてある車に乗り一気に脱出だ。」
「もしヤツに遭遇したらどうしたらいいんだよ?」
「その時は全力で逃げるまでだ。」
「わかった!そうしよう。これをお前に持って欲しいんだ。」
そう言って十弥は俺に車のキーを手渡した。
「何で…俺がこれ……。」
俺がそう言い終わる前に恵理菜が慌てながら
「ねぇねぇ?ヤツがこっちに向かって来てるよ!!」
「ドアに鍵を掛けるんだ。もし…俺達がはぐれたりしても…村の入口まで走れいいな?」
俺がそう言うと皆は撤退するために準備をした。
俺は潤さんから受け取ったショットガンを手に取った。
弾丸は三発しか入ってないようだ。
そして…『ガチャガチャ!ドン!!ドン!』という音がドアから聞こえた。
「ヤツが来るよ。竜也〜怖いよ。」
「大丈夫だ。俺が合図したら走ってくれ村の入口までな…十弥やはりこれはお前が持っていてくれ。」
俺はそう言って十弥に車のキーを渡した。
「お前はどうするつもり何だよ?」
「俺はヤツを引き付ける。もし車に乗って…二十分経っても俺が来ない場合は…車をだすんだ。いいな?」
俺がそう言い終わると
ドガシャァン
とドアを打ち破ってきた。
「サァ、オ前タチハ…モウ逃ゲル…コトハ不可能ダ…死ネ。」
ヤツはナタを振り上げて俺達に斬りかかってきた。
俺はヤツにショットガンを一発 ドォンと発砲した。
すると…ヤツは床に倒れた。
「今だ!!走れ!」
俺がそう言うと加織と十弥は走りだした。
「恵理菜!何をしている早く走れ!」
「あたしは竜也がいないとイヤだ!だから最後まで一緒にいたいの。」
「仕方ない…絶対に勝手な事はするなよ。」
俺はそう言って恵理菜の手を引いて外へ出た。
「ここから動くなよ。」
「うん。わかった。」
俺はショットガンを構えてヤツを待ち受けた。
「ア゛…ア゛…キサマ…絶対ニ…コロス。」
ヤツは血を吐きながらそう言った。
「やってみな。お前何かには殺られはしねぇよ。」
俺はそう言ったが心の中ではかなりパニくっている。ショットガン喰らってもまだ起き上がって来るとかもはや絶対に死なないじゃないか?
ヤツは俺に向かってナタを振り降ろして来たので、俺はそれを避けて、ショットガンを一発発砲した。
ドォン
「グァァ…ハァハァ…マダ…死ヌワケ…ニハ…イカ…ナイ…。」
ヤツはそう血を吐きながら言ったがあと一発命中したら倒せるんじゃあないか?これはいけるぞ!
俺は片膝をついているヤツにショットガンを向けた。
そして発砲……したつもりだったが、何とショットガンをナタでまっぷたつにされてしまった。
その瞬間にヤツに俺は足をナタで斬りつけられた。
「くっ…だがただの擦りキズだ大したことはない。」
俺は弾丸が六発入ったリボルバーを取り出して発砲した一発、二発、三発、四発そして五発。
バン!!
バン!!
バン!!
バン!!
バン!!
「フフ…コ…コンナ…オモチャ…ミナイナ…武器デハ…我ハ…シナナイ!」
…もう駄目だ!殺される…
「竜也ー!!早く逃げてぇー!?」
「恵理菜!もう俺の事はいいから早く十弥達のところに行け!」
ヤツは俺に向かってナタを勢いよく振り降ろした。
今度は避けることは出来ない。
恵理菜がこちらに泣きながら走ってくる。
それが俺がみた光景だった。
俺は目を閉じた。
ドカッ!!
何かが殴られた音がした。俺は殺られたのか?
いやっ…俺じゃない!
俺が目を恐る恐る開けると……何とそこには…。
鉄パイプを持った…『立花雅也』こと『立花』が立っていた。
「ったく…お前は本当にドジなんだな?」
立花はニィと笑ってそう言った。
何で生きてるんだ?死んだはずなんじゃないのか? |