第11話:作戦実行
俺はふと目を覚ました。
窓を見ると…すっかり朝になっていた。
隣には恵理菜がすやすや眠っている。
俺は恵理菜の頭を軽くポンっと叩き、灯台の上へと上がって行った。
上がって行くと…そこには潤さんが立っていた。
ずっと見張っていてくれていたんだなぁ。
俺達のために少しも睡眠をせずに…。
「あの……潤さん。」
「ん…?あぁ、竜也君か何か用かい?」
潤さんはにっこり笑ってそう言ってくれた。
「いや、別に用はないけど……ただ俺達のためにずっと見張っていてくれてありがとう。」
俺は感謝の気持ちを込めて言った。
「いいんだよ。皆には無事にいてもらいたいから。それより竜也君。他の皆は起きてるのかい?」
「まだ起きてないと思う。」
俺が起きた時は皆すやすや寝てたからな。
「それじゃあ、そろそろ時間が近くなってるから竜也君。起こしてきてくれるかい?」
「わかった。」
俺は下に下りて行き、皆が寝ている部屋に入った……ふっ、どうやら皆起きてるようだ。
「あっ!?竜也!どこ行ってたの〜?あたしが起きた時隣にいなかったから寂しかったよ〜。」
恵理菜が俺にしがみつきながらそう言った。
コイツ……隣にいなかったぐらいで怒るなよ。
「ゴメンゴメン。悪かった。次はもうしない。」
「それぢゃあ、許してあげる。」
そう言って恵理菜はニッコリ笑っていた。
俺は十弥の方を見た、どうやら武器を調整しているようだ。
「お前が武器の調整とは珍しい限りだな。」
「あぁ、珍しいだろ!?今日で最後にするから気合いを入れてだよ。」
十弥はそう言って俺にグレネードを手渡した。
「何だ?俺にくれるのか?」
「おう!2つあったから1つお前にやるよ。」
十弥にしてかなりありがたい限りだ。
俺も決めた…今日で最後にする。
散っていった立花のためにもヤツを討ち取る。
「ねぇ竜也?」
加織が俺に近寄って来てこう小声で言った。
「もしピンチになったら恵理菜だけを守ってあげてね。私と十弥でそう決めたの。もちろん恵理菜には内緒でね。」
加織はそう言うが俺は皆を助けたい!
皆と一緒に帰りたい。
「でも……俺は皆を……。」
俺がそう言い終わる前に
「バーカ。ったくアンタって人はどこまでいい人なんだから。」
加織は笑ってそう言った。
そこに潤さんが降りて来て潤さんはこう言った。
「やぁ、皆準備出来たようだね。いよいよ村の中心に向かう時が来たよ。でも…その前に二人一組になって欲しい。」
何で二人一組何だ?
「何で二人一組になる必要があるんですか?」
俺が聞く前に十弥が質問した。
「ヤツが近寄って来たら二人いた方が気づきやすいからね。かと言って全員で固まってるとヤツの思うツボだ。そしてヤツが近寄って来たら……皆で包囲網を作り…ヤツを殲滅する。」
俺達は全員ゴクリと唾を飲んだ。
でも確かにかなり良い作戦だ。
これならきっとうまくいくまずだ……。
「でも……もし君達が危険になったりしたら素早く逃げて欲しい。君達に危険な事はさせられない。僕が先頭を歩くから君達は僕と少し離れて歩いてくれ。」
潤さんがそう言い終わると俺達はペア作りを始めた。
「ねぇ十弥?私達一緒にならない?」
加織が十弥を誘った。
加織が俺の方を見て、ピースをした。
「ねぇ……竜也?あたしと組んでくれる?」
「当たり前だろ。ペア成立だな?」
「うん。」
俺達はペアを決めて潤さんの方を見た。
「あぁ…それから最後に一言だけ…もし僕が殺されそうになったり、殺されたりしても…どこかに走って逃げてくれ。包囲網が一つでも崩れてしまうとヤツを討ち取るのは難しいから、無理にヤツを討ち取ろうとしても皆殺しにされてしまうだけだからね。」
潤さんはそう言うと外へと向かった。
俺達もそれに続く。
恵理菜は俺の腕をギュッと掴んでいた。
そして、作戦通り俺達は潤さんと少し距離をとった。
これでペア全部が離れた。
俺はリボルバーを構えながらゆっくり前進した。
十弥達も慎重に進んでいるようだ。
するとその時!!!
「うっ……うわぁー!」
潤さんの叫び声が聞こえたので俺は潤さんの方を見ると……。
潤さんの首がヤツに掴まれている。
これは助けないとマズイと思い。
俺は潤さんの元へ向かおうとしたが……潤さんは手で来るなと合図している。
でもこれじゃあマズイ何とか助けだせないのか?
俺はそう考えたが、潤さんの言葉が脳を横切った。
「僕が殺されそうになっても殺されても…逃げて欲しい」と……。
ヤツは潤さんから手を放してナタを取り出した。
「サァ…オマエハ…ココデ死ヌ……ソレガ…運命ダ。」
しかし、潤さんはハンドガンをヤツに向かって連発した。
だが……全く倒れない全部命中したはずなのに……。
「コンナ…子供騙シノモノ…我ニハ……効カヌ。」
潤さんは肩に掛けてあったショットガンを俺に投げ渡しこう叫んだ。
「逃げろ!!早くどこかに!早く行ってくれー!!」
俺は恵理菜の手を引いて走った。
十弥達も俺達に続いた。
後ろを振り返るてヤツは笑い声を出しながら俺達の方を見ていた。
「オマエタチ……ノ居場所…ナド…スグニ…ワカル…コノ村…デ…我カラ…逃ゲルコト……ナド…デキヌ。」 |