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パルクール・サバイバーRe:System 作者:桜崎あかり

System4

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動きだす者


 5月5日午前10時40分、北千住近くのアンテナショップでコーヒーの入ったタンブラーを片手に持ち、椅子に座っていた2人がいた。
1人はスポーツサングラスを外して店内へ入った神城ユウマ、もう1人は逆にサングラスをかけた如月明日葉こと如月トウヤである。
超有名アイドルによるコンテンツ制圧、サマーカーニバル及びフェスティバルのプロデューサーでもある秋元の狙いはそこにあった。違法ガジェットの流通、ランキング荒らしも全てはライバルを蹴落とす為らしい。
その詳細が書かれていたサイトには、アクセスが非常に多い為か【時間を置いてアクセスしてください】というメッセージが出るほどである。
しかし、あの詳細を見たとしても秋元の目的を暴く事が出来る人間は限定され、その人物は阿賀野菜月や中村提督のようなアカシックレコードに精通する人物だけだ。
「秋元が何を行おうとしても、結局は一般市民に理解される事はないだろう。あの場で取り乱してすまなかった」
 如月は神城に平謝りする。神城の方もあの場合は仕方がないという事で、もう済んだことと言うのだが――。
「どちらにしても、レースは行われるようだ。しかし、秋元の拘束がどのようなレース展開を生み出すのか」
 如月は別の懸念もしている。秋元の拘束がどのようなレース展開を生み出すのか、周囲で起こっている大規模テロと結び付けようと言う炎上勢が現れるのではないか等。
「それを言ってしまうと、パルクール・サバイバーも行えないと思います。端的な例えですが、花火大会で爆発事故が起こる可能性もある為に自粛するとか」
 神城の意見も一理あった。怪我が発生する可能性があるからという理由でランニングガジェットを採用し、今度はランキング荒らしが現れたのでランカー勢でランキングを塗り替える――考えてみれば、運営のやっている事は極端と言ってもいい。
「もしかするとステータスの単純割り振りみたいな対応しかできない。だから、蒼空の提案に対して保留を決めたとか」
 如月は運営が別の対応をしていれば、このような事にはならなかったと考えたが……深く考えても運営の行動方針が分からなければ対策も考えられないだろう。
2人が見つめていたのは、1体のランニングガジェットだった。量産型と言う訳ではなく調整中のワンオフ、それも別のレースで走った後の物である。
走った後のガジェットは両腕、両足、胴体、頭部、メインユニットに分離、そこからさらに細かく洗浄や細部の調整が行われていた。さすがにブラックボックスは奥のエリアへと移動されたが、それ以外は調整の様子を一般にも公開していたのである。
「あそこまで分解する必要性があるのでしょうか?」
 神城は軽装ガジェットを使用している為、ロボットに近いような重装備型のランニングガジェットを見るのは珍しい。店員からも重装備型を勧められなかったという事情もあるのだが。
「ロケテストで使用されたガジェットは更に部品が多かったという話がある。それを踏まえれば、あれでも少なくなった方だ」
「あれで少ない方ですか?」
 如月の少なくという発言に驚く神城。メインユニットやブラックボックスの類は分解不可能だが、それ以外のパーツはばらしているという印象を受ける。同じ光景を見ているギャラリーも驚きは隠せないようだ。
「技術革新と言うべきか。当時は太陽光で動くロボットを開発するのに四苦八苦していたのが、アカシックレコードの発見で急速に進歩し、現在に至ると言う」
「アカシックレコードって、ウィキ等では設計図みたいな書かれ方はしていないはず……」
「ウィキに書かれている事が全て真実とは限らない。超有名アイドル商法に関する事件についても、意図的に隠されている場合が存在する。AI事件のように――」
「AI事件は自分も知っています。あの事件の影響で超有名アイドルの世界進出に影響が出たとか」
 その後も2人の会話は続く。如月はAI事件に関係していた訳ではないが、ある出来事を追っているうちにAI事件を知ったという流れである。一方の神城も超有名アイドルの主題歌が駅伝番組の応援ソングにタイアップされた事もあり、その流れである程度は知っていた。
ランニングガジェット、その原型は人命救助に使用するパワードスーツだった、本来は特撮番組に登場するスーツを再現しようとファンが作成したなどの説も存在する。
原型に関しては諸説あるが、ガジェットのプロトタイプに関しては運営のホームページでも触れられており、危険なパフォーマンスを繰り返す団体やその他の勢力に対し、より安全なプレイを求める為と言われている。
しかし、安全性の確保と言うのは建前上と言う話は有名であり、ネット上でも真実を求める声がある。別のARガジェットがリアルなゲームを再現する為と言う理由と言えるかどうか不明だが、一定の目的が存在するだけに、パルクール・サバイバーだけは何故に理由を明かさないのか―と。
ガジェットの装甲にはスポンサーロゴ、痛車のような萌えキャラが描かれているような物もある。しかし、この装甲は簡単に言うとソーラーパネルの役割を持っている。原理自体は公式ホームページや説明書でも言及されておらず、この辺りもブラックボックスの部類だ。


 同日午前10時45分、北千住の運営本部には本来の提督服に着替えた中村提督が姿を見せていた。
彼は大塚提督に会う為に本部へ姿を見せたのだが、その様子はどう考えても敵陣へ乗り込んだ戦国武将を思わせる。
中村提督は敵ではないはずなのに、この対応と言うのは何か理由があるのだろうか?
「大塚提督、私は仮にもガーディアンの人間です。それを、ここへ呼んだ理由をお聞かせ願いたい!」
 中村提督は大塚提督に対し、呼んだ理由を問いただす。
パルクール・ガーディアンに所属する中村提督、サバイバー運営の大塚提督、この2人の立場は敵同士ではないのだが、上層部と実行部隊と言う差は存在していた。
「呼んだ理由はガレスに関しての話だ。既に松岡元提督は気づいたようだが――」
 大塚提督の話を聞き、中村提督は「やっぱりか」と言う表情をする。
あの時の松岡提督は、確実に自分を見ていなかった。その先に存在する総責任者のガレスを見ているようであった。
「総責任者がようやく戻ってきた、と」
「戻ってきたわけではないが、ここへ向かっている。ある証拠を持って――」
 大塚提督は本来言うべきではない事を中村提督へ告げる。
この場には、既に内山提督もバイザーを付けている状態で姿を見せていた。
部屋の中には白い提督がいる訳ではなく、中村提督、大塚提督、しかいない。
「証拠はアレですね。超有名アイドル勢が規制しようと考えている――」
「それとは違う。それを持ってきたら、かなりの割合でコンテンツガーディアンを敵に回すだろう」
「別の証拠ですか。超有名アイドルとBL勢が手を組んだという決定的な」
 中村提督は何かに気付いていた。
草加市へ向かった際、さまざまな超有名アイドルファンと名乗る人物を撃破して行ったのだが、全てが違うアイドルのファンだったのだ。
それが、サマーカーニバルとサマーフェスティバルの2組――同じ芸能事務所と言うよりも、プロデューサーが同じである。
「ネットが炎上するようなマッチポンプを仕掛けた以上、連中としては自分達が総崩れするような事態は避けたいだろう。その為の戦力分散作戦」
「しかし、その作戦は裏目に出た、と」
 大塚提督も大体の流れは把握していた。
このようなマッチポンプを仕掛けようとしていた勢力、それは今回の事件を利用して莫大な利益を得ようとしていたのは間違いない。
「利益と言っても、一般的な利益とは限らない。税収という表現も出来る筈だ」
 大塚提督の顔は深刻である。それ程、超有名アイドル商法を政府が上手く利用しようと考えていたのである。
下手をすれば、ランニングガジェットも軍事転用される事も否定できない。
「クールジャパンの吐き違いか……」
 大塚提督の一言に対し、中村提督は全力で否定する。大塚提督は、そう思いたくない部分もあるのだが……。
「それではコンテンツゴリ押しをやっていた超有名アイドル商法と同じ――」
 中村提督は、ふと失言をしてしまったと我に返る。
確かにパルクール・サバイバー運営の行おうとしている事も、クールジャパンとは程遠く、下手をすれば世界征服をする為の先兵育成と言われても文句は言えない。
そこまでの展開に発展していないのは、実は超有名アイドル勢が適度に暴れている為とする意見も一部で存在し、サバイバー運営は超有名アイドル勢を上手く操ってマッチポンプを――と言うのが中村提督の言いたい事でもあった。
しかし、事実でもないような推測だけで物を言うのは非常に危険である――と言うのは何度も目撃している。
AI事件だけではなく、他にも類似案件は複数存在しているのだから。
彼らの言う類似案件とは、アカシックレコードに記された事件の数々を指している。
『重要な話をしている時に申し訳ないと思うが、小耳にはさんでおきたい事がある』
 通信割り込みの形で聞こえたのは小松提督の声だった。これには2人も驚きを隠せない部分がある。
「話とは秋元の事か?」
 大塚提督は秋元の事と考えていたのだが、小松提督が話しておきたいのは別の一件だったのである。
『北千住に赤城と加賀の2人が姿を見せたらしい。目的は不明だが、一応伝えるべきと判断した』
 小松提督の言う赤城と加賀が誰なのかは不明だが、それを聞いた中村提督は少し深刻そうな顔をする。彼は見覚えがあるのだろうか。
『それと、松岡提督の件だが……何処かの組織が仕掛けたブラフらしい。レースにエントリーしている人物、それは……』
 小松提督から語られた名前、それを聞いた大塚提督は中村提督とは違って、何かの危機感を持っているようだった。
「仮にそうだとすれば、このレースを中止にすれば――向こうの思うつぼと言う事か」
 そして、大塚提督は別部隊にエリア警戒を指示し、超有名アイドルのブラックファンを何とか対処するように特別指令を出す。 
「超有名アイドルファンは、何かのきっかけがあればネットを炎上させようとする。それが、たとえ番組の中止でも……!?」
 中村提督は自分で言った事に対し、何かを感じた。サバイバーのレースがテレビでも中継されているとしたら……。


 同日午前10時50分、ある人物が北千住にある本部へ姿を見せる。
白銀に緑のラインの入った提督服を着用し、青髪のツインテール、貧乳という外見には周囲の白服提督も見覚えがあった。
「お帰りなさいませ! ガレス提督」
 提督の挨拶に対応するガレス提督だが、今は急いでいるので個別に挨拶はせず、足早に大塚提督のいる部屋へと向かう。
何故に足早で向かうのか――それは周囲の提督には分からずじまいである。なぜならば、その事は他の提督に報告されていないからだ。
 1分後、大塚提督の部屋にノック音がした事に対し、中村提督が振り向く。
そして、ドアを開けて姿を見せたのはガレス提督だったのである。
「松岡提督の件は移動中に知った。しかし、今は別勢力の対処を最優先に――」
 ガレス提督の目が鋭く光る。そして、カバンからタブレット端末を取り出し、何も言わずに大塚提督のテーブルに置く。
精密機械と言う事もあって、メンコの様に叩きつける事はしないが。
「これは――本当に、あの超有名アイドル勢力か?」
 大塚提督が驚くのも無理はない。
BL勢と超有名アイドル勢の代表と思われる人物が握手をしている場面の写真、それがガレス提督のタブレット端末に映し出されている。
しかし、この写真1枚で決定的な証拠と言うには弱いのは確かだ。
そこで、タブレット端末を指でタッチし、2枚目の写真を表示させる。
そこには、背広姿の男性がBL勢の女性に何かを交渉しているようにも見える。
「このバッヂは――国会議員だと言うのか?」
 中村提督が背広の人物が胸に付けている物、それは議員バッヂだったのだ。
つまり、これが決定的な証拠と言う事らしい。この証拠を見せられて、シラを切るようであれば――。
解析班がすでに動き始めており、背広の人物がどのような人物かで事件の首謀者が分かるらしいというのだが……。


 午前10時52分、外でレースの対応に追われている提督にも今回の件が伝えられた。
当然のことだが、これは花江提督を含めた元運営等には伝えられていない。
「周囲が慌ただしくなったが、乱入者でも姿を見せたのか?」
 周囲を見回しているのは花江提督。既に別の場所でオレンジ色のガジェットを調整しており、後は指示待ちになっている。


 同時刻、他の選手がスタンバイを初め、レース開始の合図を待っている。
中にはガジェットの再調整を行う者もいるのだが、下手に外部ツールを持ち出せば危険と言う事もあり、一部の選手は何もせずにレース開始を待っているようだ。
「間もなくレースが始まる……」
 6番を右肩にデジタルプリントしているのは、いかにも量産型を思わせる緑色のミリタリーなガジェットに搭乗している男性。
彼はレース自体には興味がないが、イースポーツと言う分野にパルクール・サバイバーも参戦すると言う噂を聞いた。
そう言った事情もあり、様子を見るという形でレースに参戦している。
彼の素顔はイエローに近いようなインナースーツとアーマーの影響で見る事が出来ない。
「レースが始まると言う事は、これ以上の乱入者が出る事はない。そう受け取っても問題はないのか」
 6番の選手の話を聞いていた別選手、彼は蒼空かなでの強化型ランニングガジェットを見つめていた。
今までのスピードタイプとは違い、特殊なシールドバインダーで防御を強化している。
スピードタイプと言う割には装甲を犠牲にした軽量化ではなく、バランスのとれた調整とも言えるだろうか。
「そうだろうな」
 言葉少なげに6番の選手はガジェットと共に指定されているスタートラインへと移動する。
その後も松岡提督は周囲を観察していたのだが、声をかけようという選手は誰もいない。


 午前10時53分、蒼空は新たなガジェットの感触を確かめていた。
以前の物は今回のレギュレーションに引っ掛かると言う事で、臨時で調整する訳にもいかない為、完全な新規ガジェットで挑むしかなかった。
「シールドバインダーは自動車で言うエアバッグみたいな物と考えれば――」
 ガジェットを運び込んだ男性スタッフが蒼空へシステムや仕様の説明を行う。
それに加えて、蒼空の要望通りにカスタマイズも同時進行している為、色々な意味でも慌ただしい。
「分かりました。後は、こちらでマニュアルをチェックします。皆さんは調整の方をお願いします」
 蒼空の方もスタッフがカスタマイズの方へ集中出来るように、自分でガジェットの簡単なシステム調整を行う。
それに加えて、特殊兵装のマニュアルもチェックしているので、ある意味でもスタッフ同様に同時進行と言う気配がする。


 午前10時54分、話が盛り上がり過ぎて再開予定時刻に遅れて到着したのは、お互いにスポーツグラスとサングラスをかけた如月明日葉と神城ユウマだった。ユウマは指定席に座るのだが、如月の方は立ち見である。
「座らなくて大丈夫ですか?」
 神城は自分だけが座って申し訳ないと思いつつ、立ち見の如月を気遣う。一方で、如月の方は立ち見には慣れているので問題はないようだ。
「レースの方は、まだ始まっていないようだ。コース上で人が侵入したという事で、対応をしていたようだな」
 別の場所に置いてある電光掲示板タイプのインフォメーションボードによると、コース上に人が侵入したという事で安全の為に時間が遅れているとの事らしい。この辺りは電車の遅延等と状況は似ている。
「確かに、下手に人が侵入した場合、大怪我だけでは済みませんよね」
 神城も駅伝でコース内に人が侵入してきた場面を見た事がある。あれは選手にとっても侵入してきた人にとっても危険だと言うのに、根絶する事が出来ない問題の一つとしてネット上でも議論されていた。
「自動車並みのスピードが出るランニングガジェットが衝突事故を起こした場合、どうなると思う?」
「それは、ランニングガジェットが当然―まさか?」
 如月の質問に対し、神城はセオリー通りの答えを出す。つまり、そう言う事だ。下手をすれば、パルクール・サバイバーが中止になる可能性もあるだろう。
「マラソンにF1を足したようなモータースポーツと言う例えがある。その昔、ソーラーカートのレースが行われた事があるだろう。あの時も、コース上に人が出ないように色々と試行錯誤が図られたらしい」
「パルクール・サバイバーもモータースポーツと同じ……と言いたいのですか?」
「あのシステムに自動車と同じ動力が使われている訳でもない。単純にモータースポーツと同じとは言えないだろう。ネット上でも、その辺りの議論は平行線をたどっている」
「そうですか。結局、意見の集約と言うのは難しいのですね」
「そう言う事になる。世に出してみないと反応が分からない物もあれば、世に出す前から脅迫を受けて出せない物も存在するだろう―」
 2人が話を続ける中で、レースの方は間もなく始まるようだ。既に16人がスタートラインに並んでいる。大型ガジェットを使う選手もいるが、中には松岡提督のような中型タイプを使う者もいれば、軽装型を扱う者もいる。


 同日午前10時55分、運営の放送で間もなくレースが始まると言うお知らせが流れる。他のレースもいくつかが終了し、ランカー勢によるスコア争いも終盤に迫っている。
【このレースの結果次第でランカー王に出られる選手が判明する】
【松岡提督はリタイヤがない限りは問題ないが、レースに出る必要があったのか?】
【既に阿賀野、夕立、ランスロット、エクスカリバー、島風、天津風と言ったランカーが勝ち残っている】
【そこに松岡提督は半分確定として、蒼空が行けるかどうか―】
【そこが課題になるだろう。超有名アイドル勢の中には所属を隠してランカー王へ勝ち進もうとする勢力もいるらしい。つまり、そう言う事だ】
【結局はランキング荒らし問題をクリア出来ていない―と】
【色々とチェック項目を増やしたとしても、それをすり抜ける可能性はゼロではない。完全な駆逐は不可能だろう】
【しかし、それぞれが目を光らせる事によって防ぐ事は出来るはず】
 つぶやきサイトでは今月の末日に行われるランカー王の選手が誰になるのか、と言う話題で持ちきりである。その一方で、ランキング荒らし等の問題で解決していない部分がある。
しかし、つぶやきをしている人物の中にも種田提督の存在に気付かない者は多い。
それ程、彼女が仕掛けたトラップは完ぺきであるという事だろう。
そのような状態でサバイバーを無事に進められるのか――という不安も存在する。
政治的な問題もあれば、経済的な問題もある。挙句の果てには、国際問題にも発展する可能性があった。
パルクール・サバイバーを取り巻く環境は、もはや無視できる状況ではなくなっていた。
無視を続ければ――ガジェットの悪用者によって、地球が破滅する可能性も否定できない。
どの世界でも不正なガジェットやプログラムによる不正プレイは後を絶たない。それらを使用するのに罪悪感は感じないだろう。
それこそが――チートガジェットを核兵器と例え、不正ガジェットがデスゲームを生み出すきっかけとなると唱える勢力の言い分かもしれない。


 同日午前11時、16人の選手がそれぞれの思いを抱き、スタートの体制を取る。
『大変長らくお待たせしました。間もなく、メインレースの開始です』
 遠藤提督の声が周囲に響く。そして、周囲の観客も見守る中、レースは始まろうとしていた。
その一方では、様々な組織が動き出しているのも確認されている。
こうした動きはガーディアンが把握済みだが、それでも対処しきれない数は――別勢力に対応してもらうしかない。
つまり、同士討ちを待つような状態になっていた。
「こちらとしては、これ以上のレース中止になるような状況は――避けたいけど」
 遠藤提督はマイクを話してオフレコ状態でつぶやく。
この声はマイクに入っていないので、他の人物には聞かれていない。
+注意+
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