第7話〜艦長登場〜
タイガたちは、自分たちの乗っていた小型船を誘導してくれた戦闘機のパイロット、『セルリア・ハーベリア』のあとについて行っている最中だった。
理由としては、艦長が呼ぶようにといわれているらしい。
大型戦艦『ラグナエース』の中は、外で見てわかったとおりかなり大きく、かつ内部はやや複雑だった。
「・・・・・ねぇ、ハーベリアさん。」
「はい、なんでしょうか。」
「さっきから・・・というより、救助される前から思っていたんだけどこの船って軍が所有している戦艦なの?」
「はい、そうですよ。でも、この戦艦の中は正直『戦艦』って感じがしないんですけどね。」
と、セルリアがにこにこしながら言った。
たしかに、たいていの人は『戦艦』と聞くと、内部は機械だらけでギッチギチ、人の動けるスペースと言えば自分の座っている席範囲1メートルしかない・・・・・・・と、正直作者の勝手な想像かもしれないが、そんな感じがするものである。
だが、この戦艦内ははっきり言って戦艦とは思えないほど広いかつゆったりとしていた。
「カイルさん。連れてきました。」
タイガたちの連れて来られた部屋はこの戦艦の操作や、戦艦内の監視などを一手にまかなっているブリッジだった。
「やぁ、君たちがあの小型船に乗っていた人たちかい。」
「あ、はいそうです。この度は助けていただいてありがとうございました。」
「いやぁ〜。いいってことよ。オレの名前はカイル・クロード。一応、この『ラグナエース』の艦長であり、司令官だ。」
「一応ではありませんよ、カイルさん。」
セルリアにそう言われると「ハハハ・・・。」と笑う艦長、カイル・クロード。
「あ、ちなみに歳は21歳。」
「は、はぁ。」
とりあえず頷いておくタイガ。
正直なところ、艦長であり司令官であるはずのカイルなのだが、威厳というものが全くとは言わないが、それに近いほどない。
「まあ、君たちは誰なのか。適当に自己紹介してもらえるかな?」
まずは親睦を深めようとしているのかカイルはタイガたちに自己紹介を頼んだ。
「えっと・・・。僕はタイガ・ウナバラ。17歳です。流浪の剣士をしながら旅をしていました。」
「なるほど。タイガ・ウナバラくんか・・・。ところで、そこで寝ている人は誰だい?」
威厳ゼロの艦長さんが指差すところには鉄拳制裁で気を失っているティレクがいた。
実はここまで来るまでの間、タイガが床に引きずりながら連れてきたのだ。
そのせいなのか、それもとどめになっているようでいまだに目を覚ます気配なしである。
「え〜っと。この人はティレク・アーカイト。21歳。僕の親友です。」
「へぇ〜。じゃあ親友同士で今まで流浪の剣士をして旅をしてたんだ。」
「はい。」
ちなみにここで話しておくと、タイガとティレクは7年間、旅をし続けているのだ。
「・・・・・さて、それじゃあ自己紹介も済んだところで・・・・・あ、セルリアはちゃんと自己紹介したの?」
「はい。」
「それじゃあ、他のメンバーは?」
「いいえ。私だけです。まっすぐここまで来ましたから。」
「そうか・・・。じゃあ、あとで皆にも一度顔合わせさせといてよ。」
「わかりました。」
そう言うとセルリアはブリッジから退室した。
「えっと何するんだっけ?・・・・・・・ああ、そうだった!なんでこのような辺境にさまよってたか聞きたいんだ。教えてくれるかな?」
「あ、はい。わかりました。」
その後、タイガはこれまでの経緯を説明した。
突然、自分たちの乗っていた宇宙船が攻撃されたことを・・・。
「なるほど。惑星『スレイミア』行きの宇宙船に乗っててねぇ・・・。それは災難だったね。」
「はい。・・・・・・・・・。」
「まぁ、そんなに気を落とすこともないよ。きっと宇宙船に乗ってた人たちは全員無事だって。」
「そうだといいんですが・・・。」
タイガたちのさまよっていた理由を聞いてブリッジ内がやや重い空気が漂う。
「・・・・・・・さてッ!辛気臭い話はこれで終わりッ!人生明るくいこーよー!」
(・・・・・この人、ティレクとそっくりだ。)
性格的に何かそう思ってしまうタイガ。
「まぁ、それはそれとしてタイガ。これから行かないといけない場所とかある?」
「え・・・、いいえありません。」
流浪の剣士ゆえ、別に目的地など存在しなかった。
「それじゃあしばらくこの船で暮らさないかい?」
「え、ええッ!?で、でもこの船ハーベリアさんから聞いたんだけど軍の船なんですよね?あまり勝手なことをしちゃ・・・。」
「大丈夫だって!オレの上司はちょっとした知り合いだから多少のことなら問題なしッ!なにより艦長であるオレの言ったことなんだよ?納得してくれるって、絶対ッ!」
「で、でも・・・。」
「いいじゃないか、別に。朝昼晩3食ついているうえ自室もある。こんなにいいところで暮らせるんだよ。」
「よっしゃぁーーーーーーッ!!決定しようぜ、タイガッ!!」
突然に復活したティレク。
そして、第一声がこれだった。
「だけどさ。」
「いいじゃないか。相手が厚意で住ませてやるって言ってんだからのろうぜ、ここはよ。」
「・・・・・・・わかったよ。」
結果的にティレクに説得させられてしまうタイガ。
「よっし、けってーいッ!!それじゃあ、セルリアに2人分の部屋を用意してもらうから、それまで艦内を自由に行動してもらっていいよ。」
なんだかんだで、大型戦艦『ラグナエース』で住むようになったタイガとティレク。
この先の2人の行方は・・・。 |