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LEGEND『伝説』【輪廻の出会い】
作:なかたく



第77話〜格闘戦〜


しばらく経って、ティレクが復活しウィズたちはさらに螺旋階段を下りようとしているとき―――


ガン、ギン、…キン、………ギンッ


鈍い金属音が響く。互いの得物がぶつかり合うたびに打撃音とともに―――。
ミラ―ジュとジンである。
ジンの武器は鋼鉄でできたガントレット。それに魔力や気を宿らせ、通常の威力より数倍から数十倍に格闘技の威力を引き上げていた。
一方ミラ―ジュの武器は握り懐剣と呼ばれるものである。
古武器の一つで鉄拳の先端に鉈刃などの肉厚の刃をつけた物である。
その威力は人によっては腕の一本は正拳ですっ飛ばすほど。また、頭を割ることも可能というほどである。
おまけにミラ―ジュは魔力こそ使えないが気は使えるのでジンと同じく技の威力を数倍から数十倍に引き上げることができるので、まさに攻撃力は折り紙つきである。
握り懐剣の威力の大きさと気での能力アップ。まさに鬼に金棒である。
「てやあぁッ!!」
ジンの姿を捉えるとミラ―ジュは一気に距離をつめ、するどい鉄拳を飛ばす。
握り懐剣の刃が風を切ることで聞こえる風切音。
ジンはそれを瞬時に避ける。疾さはタイガとほぼ互角とも言える疾さだ。
そのままやや棒立ち気味のミラ―ジュとの距離を狭め、鋭い蹴りを放つ。
当たったかと思われたが、ミラ―ジュはそれを紙一重で避ける。
そのかわり脇腹部分にかすったため、そこから鮮血が噴き出す。
しかし、それだけではミラ―ジュはひるまない。
いや、ひるむような姿を見せたらジンは確実にとどめをさしにかかってくるだろう。―――と、そんな考えがあったからだ。
痛くても死ぬよりはずっとましだ、と自分に言い聞かせるミラ―ジュ。
「……………思ったよりやるな、おまえ。」
攻撃を中断し、ジンが自分の口を開く。
あいかわらず淡々とした口調。
「当然じゃない。あたしはこんなところで死ぬわけにはいかないのよ。もう一度あいつの顔を拝みにいくためにもね。」
あいつとは無論タイガのことだ。
「そうか。………だがオレたちも後には退けない。実のところ、オレたちはおまえたちとこうやって戦っていられるほど暇ではないのだがな。」
「……なによ、それ。それじゃああんた、あたしと仕方ないから戦っているってこと?」
「当然だ。」


―――腹が立つ。


そんな言葉が第一に思えた。
「……………いいわ。それじゃあもう一度はじめましょう。『仕方ない戦い』を。」
再び戦いが始まろうとしたとき、あの声が響いた。
「ちょっとまったああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」
キ―ンと、部屋が響く。ミラ―ジュとジンは堪らず耳を塞いだ。
「君たち戦いは中止中止ッ!緊急事態発生だよッ!!」
―――――ウィズだ。
2人にとってはウィズが出てきたこと自体、緊急事態なのだがウィズは気にしてない様子。
「……………なんだ。」
いつもどおりの淡々とした口調………なのだが、どこか苛立っているようなジン。
「じつはね――――――――――。」
ウィズはミラ―ジュとジンに説明をする。
説明というのは無論タイガのことだ。


「タイガが………………。」
「信じられないかもしれませんけどミラ―ジュさん。ウィズさんの言った通りなんです。私も実際見てしまいましたし。」
そう言うセルリアの表情は、どこか悲しそうだった。
「それで、原因は?」
「原因は、俺様が知ってる。―――おそらく衝動だな。」
「衝動ってなに?」
ティレクにミラ―ジュが質問をする。
「そうか…。おまえたちにはまだ話してなかったっけ。少しばかり長い話になるが、それでもいいか?」
ミラ―ジュ、ジン、ウィズ、セルリア、セシルはこくりと頷く。
相手のことを知ることは何より大事だと思ったからだろう。
それを確認して、ティレクはこう言った。


「―――――タイガの家は、人殺しを仕事としていたんだ。」












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