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LEGEND『伝説』【輪廻の出会い】
作:なかたく



第75話〜狂っているけど狂っていない〜


「そうか。―――――それじゃあ、殺し合おう。」
瞬間、タイガの姿がルシアの視界内から消える。
すると瞬時に身体を横に移動させるルシア。すると、スパンと音が聞こえた。
(疾い。)
早く動いたのにもかかわらず、ルシアは自分の髪をタイガに斬られる。
正直、タイガの足の疾さは異常なほどである。
もともとタイガは足が速いほうだったが、速いというレベルを超えて疾いくらいのレベルだった。
即座にタイガとの距離を離すルシア。だが、距離を離そうとしているルシアにすさまじい疾さで距離をつめるタイガ。
次の瞬間―――――


カン キン ギン カキンッ キンッ……………


互いに剣術の撃ち合いになった。
互いに揺れる髪を散らしあがらも、一撃を己の肉体に入れさせようとはしない。
入れさせたら最後、完膚なきまでに……おそらく死ぬまで、いや死んでも殺し続けるだろう。
「ぐ……ッ!」
一撃を入れさせはしてないが、徐々にルシアが押され始めていた。
英雄すらも梃子摺らすほどの剣術と戦闘力。
いや、それを言うならタイガ自身も元英雄なんだけど。
しかし、ルシアは英雄のときのままの身体だが、タイガは生まれ変わって全く違う身体……それもさきほどまで記憶を忘れていた人間がここまでルシアを梃子摺らしていることがはっきりいってすごいことである。
ルシアはオ―ガナイト、ジン、セシル、ウィズと強者を従えている人物。そのことからしても、ルシアの戦闘力はすさまじいだろうと予想ができることからもすごいことだとわかるだろう。
……………しばらく剣術の打ち合いをするとタイガは急にルシアと距離を置く。
さきほどまで休む間もなく剣術を繰り出していた彼がだ。
おまけにタイガは息1つきらしてなかった。
一方ルシアはと言うと、女性にしてはさきほどの戦いで髪は乱れ、息を肩でぜぇはぁといていた。それに汗。剣術を打ち続けた上に、動き回ったせいでもあるだろうが、冷や汗もかいていた。
はっきり言って強すぎるのだ。
「どうした?もう疲れたのか?」
「別に……。」
本当の答えは無論疲れている、だ。
だが、下手に弱みを見せると確実に仕留めに来るだろう。
「そうかい。……それにしても楽しいなぁ。殺し合うのって。」
「……………。」
昔のタイガからは想像できない発言だ。
「楽しいだろ?生と死の境の遊びって感じで。勝ったほうが生き、負けたほうが死ぬ。最高だな。これほどわかりやすいル―ルの遊びはないな。ホントに。」
「―――――狂ってるね。タイガ。」
「そうだな。僕は狂ってるかもしれない。だけど、これが人の本来の姿でもあるんじゃないのか?」
「どういう意味さ。」
「簡単なこと。―――人間は生きるために植物を摘み取り、魚や動物を自らのエサとするべく肉塊にする。なぜそうするのかというと理由はただひとつ。―――――生きるためだ。生きるために、植物と動物を殺す。僕はただ、その標的を人間に変えているだけのことだ。そして、その理由も生きるため。なぜなら僕は人殺しをする職業をする家庭のもとに生まれてきたからだ。」
「………。」
「『崩壊戦争』のときも同じだ。自分という生き物が生きるために戦争で他人を殺す。違うかい?」
違わなかった。
だからルシアは反論はできなかった。
「だから僕は、正しくは『狂っているけど狂っていない』。―――まぁ、そんな感じになるな。」
「……………。」
「―――――さて、話は終わりだ。再び殺し合おうか。生と死の境の遊びの続きだ。」












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