第71話〜対面〜
セルリアがひたすら螺旋階段を上ると、ようやく階段の出口にたどり着いた。
階段が終わった先には大きな長い通路が続いていた。
床には赤い絨緞が敷かれており、その先には大きな扉がある。
―――この先に、タイガさんが…。
セルリアは1人、大扉に向かって歩み出る。
とにかく絨緞にしたがって進む。ところどころで分かれ道のようなところがあるが、セルリアはまっすぐ先にある大扉を目指す。
―――自分はどうなるかわからない。
ただ、返事をしなくちゃいけない……。
そして会いたい―――
やがて大扉の前までたどり着いた。
開けばもう後戻りまできないだろう。
いや、もうすでにここまで来てしまったのだから後戻りはできない。
意を決してセルリアは大扉を開けた――――――――――
「―――驚いたなぁ。まさか1人でここに来るなんて。」
「ホントホント。さすがの私もビックリ仰天って感じだよ。」
そこには2人の少女がいた。
その2人と真正面に向かい合うセルリア。
「―――ルシアさん。それと……。」
セルリアは魔女の少女を見る。
「あ、私?私はウィズ。魔女だよ♪」
視線に気がつき、ウィズは自己紹介をする。
「単刀直入に言います。―――タイガさんをかえしてください。」
「通信でもボクは言ったけど、それは無理だね。ヴァインは……いや、キミたちの言い方にあわせようか。タイガはボクの大切な人だ。かえすわけにはいかない。」
「たしかにタイガさんは確かにヴァインさんだったかもしれませんッ!ですが、今はヴァインさんではなくタイガさんなんですッ!生まれ変わって……タイガさんは英雄ではなく…………………。」
言葉が詰まる。それ以上は大声で言えない。いや、人前ではなかなか言えないことだった。
「『なく……』―――なんだい?」
問うルシア。だけど、セルリアは言えなかった。
なぜなら、一番初めに言わなければならない相手にすら、言っていない言葉なのだから―――――
だから、セルリアはだんまりしてしまう。
「あれ〜?急に黙ってしまったよ〜?ルシアちゃん。」
「―――乙女の悩みだよ。」
セルリアには聞こえないように、ウィズの耳元でそう囁くルシア。
言われてピンときたのか、ウィズは「あ〜、なるほどねぇ。」みたいな顔をしている。
「そっか〜。たしかにそれは私たちには言いづらいかもね〜。」
「ウィズ。」
「は〜い。これ以上は言いませ〜ん♪」
意地悪な笑みを浮かばせながらセルリアにそう言うウィズを黙らせるルシア。
以後、沈黙が続く――――― |