第6話〜救助〜
「ここから入ってください。」
タイガたちの小型船に目の前の戦闘機から通信が入った。
戦闘機が出てきた大型船に、船の出入り口が開いていた。入ってもいいということだろう。
「いいのかなぁ、ティレク。」
「いまさら何言ってんだ、ダイガ。せっかく助けてやるって相手が言ってるんだからここは話に乗るもんでしょーよ。それともおまえはこの小型船で干乾びるまで乗ってるつもりか?」
「それはさすがに・・・。」
「なら、ここはお言葉に甘えよ〜ぜ、タイガ。」
「う、うん。」
ややしぶっていたタイガだが、たしかにティレクの言うとおり、干乾びるまで小型船に乗るのはごめんだと思い、大型船に入らせてもらうことにした。
「・・・・・ところでティレク。」
「ん?どうした?」
「キミは単にさっきの女の子に会いたいだけなんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・・・。」
その問いかけに、ティレクはだんまりになる。
「図星?」
「ったりまえでしょーよー!!世界中の女の子は俺のもの!!世界中の女の子は俺様をまってくれてるんだぜーーー!!」
ティレクの女好きっぷりには、7年以上行動を共にし続けているタイガでもついてはいけないものだった。
「どうでもいいけどさ。あまり恥ずかしくなるような行動は慎んでよね。」
「俺がいつお前に恥じ欠かすような行動をしたんだよ。」
(ナンパの度に僕は恥ずかしいんだって。)
言葉に出すとどうなるかわからないので、あえて口には出さないタイガ。
そんな会話がなされている間に、小型船は大型船に無事収納された。
「ふい〜。動けるってすっばらしーーーッ!!」
大型船に降りて開口一番、ティレクが放った言葉だった。
たしかに、タイガとティレクが宇宙船から脱出して約10時間以上。2人はずっと席についてまったく動いてなかった。
「うん、そうだね。正直ずっと座りっぱなしだったから尻が痛いよ。」
そう言うとタイガは大きなあくびを1つする。
結構疲れが出てるようである。
「あの〜・・・。小型船に乗っていた人たちですよね。」
2人が会話していたときに、横から女性の声が割り込む。
女性はどうやらあの戦闘機に乗っていた人のようだった。通信機越しに聞こえていた声と同じである。
「あなたが、あの戦闘機に乗っていたのですか?」
と、タイガが尋ねてみる。
「はい、そうです。『コメット・カリバー』のパイロット、セルリア・ハーベリアです。」
プラチナブロンドの髪で、パッと見た感じ16〜17歳の少女、セルリア・ハーベリアがタイガの問いに答えた。
「やぁ、ハニー。これから俺様とお茶し・・・。」
早速ナンパをしようとしたティレクを鉄拳制裁をして黙らせるタイガ。
普段あまり力技で他人を黙らせようとしないタイガなのだが、相手は自分たちを助けてくれた恩人。いくらなんでもその恩人にいきなりナンパは失礼だと思ったのだろう。
制裁を受けた(この場合喰らったといったほうが良いかもしれない)ティレクはショックで気絶していた。
「あ、あの・・・。大丈夫なんでしょうか?」
と、ばったり地面にひれ伏しているティレクを指差して尋ねるセルリア。
「え、ああ大丈夫だよ。これくらいで大怪我するようなやわな鍛え方はしていないから、僕たちは。」
ハハハハハ・・・と最後に笑いながらタイガが言うと、セルリアはひとまず安心したようなため息をつく。
「あ、これから艦長にあっていただくために私についてきてくださいますか?」
「へ?・・・・・ああ、うん。別にいいよ。」
「それではついてきてください。」
「うん。わかったよ。・・・・・・・ティレクも寝てないで早く起きなよ。」
(・・・・・・・・誰が寝かせたんだよ。誰が。)
タイガの言葉に素直になれないティレクだった。 |