第55話〜回答の意味〜
「なッ。」
ルシアの言葉に、さすがに驚くタイガ。そりゃそうだろう。
「その『ラグナエース』の調査の内容は、『死んだはずの人がどこからともなく現れる』というものなんだ。」
「……………。」
タイガは「は?」と言いたげな表情をしていた。
「とある実例を教えてあげるよ。」
そのタイガにわかりやすくするためかルシアは実例で教えてくれるようだ。
「ちょっとしたニュースでやってたんだけど、とある人の葬式をやっているとき、突然その葬式に乱入してきた人がいるんだ。その乱入した人が葬式をしている人と同じ人物だったってものだよ。」
「単に似ている人なんじゃない?」
その言葉にルシアは首を左右にふる。
「同じだったのさ。声も身長も体重も年齢も指紋の形も……………。ただ、唯一違うところがひとつあったんだ。」
「違うところ?」
「性格さ。それだけが違っていた。」
「そんなことって……………。」
だいたい、指紋が同じという時点でその人が同じ人物であることが証明されているわけだ。
まるで同じものを複製できるコピーのよう。
「……………クローンとか?」
「クローンなら、一から育てないといけないから、同年齢にはならない。」
一からというのは赤ちゃんからということだろう。
「とにかく、『ラグナエース』が調査していることは以上だよ。」
「君たちの目的というか敵もそれじゃないの?」
「あくまで可能性だからね。ほぼ確実だろうけど。」
だったらそいつが敵決定と言ってるものじゃないか。
「まだ聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだい?」
「君たちは、なんのためにその敵たちを倒そうとしているんだい?」
最もタイガが聞きたかったこと。
おそらく自分がここに連れてこられたのはその敵と戦わせるためだ。
けど、疑問がひとつ残る。
なぜ自分なのかということだ。
この『タイガ・ウナバラ』でないといけないのか……………。
なぜ『ラグナエース』の人たちじゃいけないのか……………。
そんな考えを質問すると同時にしてしまう。
「この世界を救うためさ。それ以外の目的はないさ。」
「じゃあなんで僕を仲間にしたのか。」
続けてタイガは質問をする。
「そうだねぇ〜。……………なんて言えばいいのかな。正確には『タイガ・ウナバラ』ではないんだ。」
「?」
わからない。
自分は『タイガ・ウナバラ』だ。
それなのにルシアは仲間にした『タイガ・ウナバラ』を仲間にしてないと言っている。
「まぁ、じきにわかるよ。今は意味がわからないだろうけどね。」
大広間が沈黙につつまれる。
「質問は以上かい?」
「今のところはね。」
「そう。まぁ今のところキミに仕事はないから部屋でゆっくりしててよ。」
「そうさせてもらうよ。」
タイガはそう言うと、大広間から出て行くのだった。 |