第53話〜ルシア〜
とことことウィズについて来ているタイガ。
自分が寝ていた部屋を出て、歩き続けて5分ほど。まだ場所には着かないようだ。
また、歩いているうちにわかったのだがこの場所はかなり広い。
そして、広いゆえにしてしまうことがある。
もしかして……。
「ねぇウィズ。」
「なになに〜?」
「迷った?」
間。
「……そ〜んなことないよ♪」
さっきの間は何だったのか?と、問い質したいタイガだが、無駄な時間は今のところつくりたくないので、間については軽くスルーすることにした。
ただ、言葉で言わない代わりに目で「さっきの間は?」と質問することにした。
そのことに気づいたのかウィズは「さぁ〜て。とっとと行こっか。寄り道せずに。」と言ってさっきよりやや早歩きになる。
こんな道案内で大丈夫なのか?と思いつつタイガはその後をついて行くことにした。
「は〜い、タイガくんここだよ♪」
ウィズが案内した先には、他の部屋の扉より少しばかり大きい扉があった。
「この先に私たちのリーダーがいるよ〜♪さ、はいってはいって。」
そう急かすウィズに、しぶしぶタイガは従い扉を開けた。
扉の先の部屋は、大広間だった。
とにかく大きい。『グリーンヴェル』の城にあった大広間より大きいかもしれない。
「やっと来たね。待ってたよ。」
そんな大広間のちょうど中心あたりに、その声の主がいた。
銀色の髪を腰あたりまで伸ばし、白色メインの服装をした少女が。
ウィズはタイガを案内だけすると、大広間から出て行った。
現在、大広間にいるのはタイガの銀色の髪の少女だけである。
「君は?」
当然ながらタイガは名を聞く。
その言葉を聞くと、少女は嘆息まじりのため息を出す。
「やっぱり、覚えてないか。」
タイガは首をかしげる。
一度も会った覚えがないからだ。
だけど………………
なぜだろう。どこかで会ったような覚えもある。
「まぁいいよ。ボクの名前はルシア。」
丁寧に自己紹介をしてくれる少女ルシア。
……………ルシア?
どこかで聞いたような……………。
「ボクはキミの事を覚えているのに、キミはボクのことを覚えていないんだね。ちょっとばかり残念だよ。」
「……………あのさ。僕と君は今現在はじめて会ったんじゃないの?」
「いや。大昔に一度会ってるよ。キミは単に忘れているだけだよ。」
……………。
『大昔』というレベルで会ったことがあるようだ。
「まあいいや。ルシア、僕は君にいくつか質問がある。」
「いいよ。ここにはボクとキミしかいないから、遠慮なく言ってくれ。」
答える気は十分にあるようだったので、タイガは遠慮なく質問することにするのだった。 |