第37話〜スレイミア〜
(ふぅ、なんとか話をそらすことができたぁ。)
心の中でほっとひと息なタイガ。
さきほどまでの【タイガはセルリアのことをどう思ってるのか?】という話をタイガの華麗な話術・・・・・ではなく超強引な会話のそらし方によりなんとかセーフだった。
ちなみに現在のテーマは【戦闘員】である。
「いやぁ、すごかったよな、アレは。」
「アレってなんですか?」
ラピスに聞き返すセルリア。
一度誘拐された身だったが、もう大丈夫らしい。
「アレって言えばアレだよ。昨日の夜中の第4階層の『開かずの扉』。」
「『開かずの扉』がどうかしたんですか?」
・・・・・どうやらあまりのショックで記憶が消去されているようである。
だが、そのショックな出来事を強引に思い出させるのはかわいそすぎるとセルリアを除く一行が思ったのか、『戦闘員』の話題は黙認で終了となった。
「あ、そうそう!次の目的地が決まったらしいよ。」
【タイガはセルリアのことをどう思ってるのか?】という話題に変えられないように即座に次の話題に切り替えた。
「へぇ〜。で、どこなのよ。」
「惑星『スレイミア』だって。艦長が言うには物資の補給と燃料補給のために行くらしいよ。」
「物資の補給かぁ。言われてみれば確かに、最近食堂で出されるおかずが少しばかり少なくなってたような・・・。」
「そうなの?僕は気づかなかったけど。」
「ほら、ミラージュはねぇ、ああ見えて大食漢なんだよ。」
「シャープさん。何か言いました?」
「いんや。べつにぃ〜♪」
ミラージュの目がキランと光ったのでシャープはそれ以上言わなかった。
続いてタイガにその目が向けられたが、タイガも目で「いや、何も聞いてないって!本当だって!!信じてよ!!ミラージュが大食漢だったなんて話聞いてないからッ!!」と訴える。
「タイガ。後でトレーニングルームまでいらっしゃい。」
にっこり笑顔・・・・・そしてこめかみには血管が浮き出て・・・。
「・・・・・。」
「返事は?」
異様なミラージュの迫力に、タイガは首を縦にぶんぶん振る。それはもう首が取れるんじゃないかってほど。
そのあと、よろしいとばかりに満足げな表情になるミラージュ。
「そ、それより『スレイミア』って、ラピスさんのラストネームと同じですね。」
「・・・・・!!」
セルリアの言葉にピクリと眉を動かすラピス。
「あ!そう言えばそうだね。」
「ぐ、偶然だろ。」
「実は王女・・・・・とか?」
「だから偶然だろ!そんな惑星『スレイミア』となんて、おれは縁もゆかりも無い!!断じてッ!!」
力説で否定しまくるラピス。傍から見れば怪しさ100%である。
「ほんとかねぇ〜。」
疑り深い目でラピスを見るシャープ。
「ほんとだっつーのッ!しつけーぞ!!」
「そうやって思い切り否定しまくるから怪しいんだって。」
「・・・!!」
タイガに言われ、黙るラピス。
「でも、久しぶりにこの船から外に出られるってわけよね。」
「え?・・・・・うん。たぶんね。」
出られるかどうかはまだわからないが、あの艦長の性格からしてそうなる確率は高いだろう。
「やったぁッ!!それじゃあたし、ブランド品買いまくるわよ!!」
「だったらアタシも、久しぶりに武器でも買いあさってみようかねぇ。」
「み、みなさん。まだおりれるって決まったわけじゃないですよ。」
「な〜に、言ってるのセルリア。あのカイルの性格から考えるとほぼ100%おりられるわよ。」
「・・・あれ?気づいたんだけど、ティレクはどこ?」
ここまで会話してようやくティレクがいないことに気づくタイガ。
「ああ、アイツなら格納庫じゃないのかい?スピルと色々話したいって言ってたし。」
スピルか・・・・・。そういえば一度会ったきり会ってないなぁ。
「それじゃあ僕も格納庫へ行くよ。ぼくもスピルと話したいし。」
「ああ。行っといで。」 |