第34話〜ガスマスク〜
「何事だッ!」
「すごい悲鳴が聞こえましたけど・・・。」
タイガたちの元へと駆けつけてくるカイルとセルリア。
タイガたちはと言うと、衝撃的なものを目にして腰を落として口をパクパク。
「あれ?この部屋って開かずの扉じゃないですか。」
「あ〜。開けちゃったんだ。」
「開けちゃったんだ、じゃないですよ!艦長、これはなんなんですか?」
ようやく言葉にするタイガ。
部屋には全身黒タイツに黒マスクをかぶった人々。まるで戦隊モノの番組でよくワラワラ出てくるザコ敵のような人々が全員同じポーズのままこちらを向いているのである。
「なにがあるんです・・・・・か。」
部屋の中を覗き込むセルリア。
「・・・・・・・。」
バタン
「うわッ!セルリアが倒れたぁ!!」
セルリアにとってよほど衝撃的だったのであろう。
ものの数秒で現実から目をそらすために自ら気絶した。
「おいおい艦長さんよぉッ!そんなことよりこれはホントになんなんだ!!」
ラピスもようやく言葉を出す。
「おいおい!どうしたんだい、みんな。」
「ったく、目が覚めちゃったじゃない。」
のちにシャープとミラージュもタイガたちの元へやってくる。
「って、なんでセルリアは気絶してんの?」
タイガの腕の中で倒れているセルリアを指差して言うミラージュ。
「セルリアってこんな役ばっかだねぇ。・・・・・ところで、開かずの扉が開いてるじゃないか。アタシにも見せてもらうよ。」
「あッ!!シャープ!!!」
止めようとするタイガ。だが時すでに遅し。
「・・・・・・・。」
黙。
その後、停止。
「どうしたんですか、シャープさん。」
ミラージュも中を覗き込む。タイガとラピスはもう何も言わない。
バタン
覗いてコンマ1秒で倒れるミラージュ。
残念なことにタイガはセルリアを抱えているので受け止めるものがおらず、そのまま後頭部を床に激突。
「・・・・・あ、艦長。」
タイツ人間の1人がカイルに話しかける。
抑揚がなく、ほぼ棒読み。
「艦長!これで3回目ですけど本当にこの人たちはなんなんですか?」
「ん〜。・・・・・簡単に言えば、戦闘員だね。この船が危なくなったら出動するんだけど。」
「危なくなったらって、じゃあ前のスライムが侵入してきたときとか、ラピスが盗賊で侵入してきたときはどうしてでてこなかったんですか?」
「スト中だから、俺たち。」
タイツ人間がタイガの疑問に答える。
ストライキ・・・・・。
「それで艦長。俺たちの望み、聞き入れてくれるんですか?」
抑揚がなく、かつ棒読みでカイルに問うタイツ人間。先ほどから同じタイツ人間がしゃべっているのだが、リーダーなのだろうか。
「望みって、何なんですか?」
「いや〜。この戦闘員の人たちが『ガスマスクがほしい。』って言って聞かないんだ。」
ガスマスク!?
「ガスマスクは俺たち戦闘員のロマンです。ガスマスクあってこそ戦闘員は初めて戦闘員を名乗れるのです。タイツにガスマスク。これぞ戦闘員のロマン。」
(って、それだけのためにこいつらストライキしてんのかよ!!)
ばかばかしい理由にラピスは心の中でツッコむ。
「ガスマスクはダメだって言ってるじゃないか。」
「ガスマスクはロマン。」
「ガスマスク最高。」
「ガスマスクGreat。」
ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!ガスマスク!
ガスマスクコールが『艦長ヴァカ』の部屋の中で響き渡る。
「・・・・・。」
無言で扉を閉めるカイル。
中で無情に響くガスマスクコール。
「・・・・・さて、寝よう。」
「あの、艦長。」
「寝よう。」
「・・・はい。」
有無を言わさないカイルにタイガたちは従うことにしたのだった。
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