第33話〜真夏のミステリー3〜
23:00。
第4階層を目指して一人の青年が立ち上がった。
優男で女性のような顔立ちをした青年、その名もタイガ・ウナバラ。
彼は、女装への道を歩むために、『艦長ヴァカ』の扉を開けようとしている!!
ドゴッ
・・・・・彼は、その扉の秘密を知るために、『艦長ヴァカ』の扉を開けようとしている!!
通路は節電のためか蛍光灯があまりついてなく、薄暗い。
真夜中の病院の通路のようである。
その通路をツカツカと歩むタイガ。寂しく通路にタイガの足音が響く。
そして第4階層に足を踏み入れようとしたそのとき、
「おい。」
「!!!!!!!」
突然背後から声をかけられ、大きくビクゥ、と身体を震え上らせる。
心臓バックンバックンの状態のまま後ろを振り返ると、
「よぉ。」
懐中電灯を自分の顔に照らしている女性が1人。
「・・・・・ラピスか。なに?」
「けっ。少しぐらい驚けよ。」
「背後から肩をたたかれたときのほうがよっぽど怖かったけど。」
そう言われるとラピスは自分の顔を懐中電灯で照らすのをやめる。
そして、タイガが驚かなかったのがよっぽどつまらなかったのか、
「そういうおめぇこそ、何してんだよ。」
やや突っ張って言うラピス。
「僕は第4階層の『艦長ヴァカ』の扉を開けようと思って。」
「お。女装する気になったか。」
「いや、ならないって。」
ツッコミ。
「まぁ、実をいうとおれもその扉を開けようと思ってな。」
「ラピスこそ、ついにスカートでもはく気になったのかい?」
「なってねぇよ。」
ツッコミの代わりに顔面パンチ。
「・・・・・とにかく、僕たちの考えてることは一緒か。」
「よし、だったら一緒にいこうぜ。どっちが女装させられても恨みっこなしという条件付きで。」
「いいよ。本当に恨みっこなしだからね。」
こうして2人が合流して、例の扉の前へと向かう。
(へへっ。女装させられそうになったらこいつを身代わりにおれは逃げてやるぜ。)
(ふふっ。ラピスには悪いけど、女装させられそうになったら身代わりにしてやろうっと。)
2人の腹黒さ、ここに在り。
扉前。
『艦長ヴァカ』と書かれた白い紙が暗い通路の中でなぜか輝いて見える。
艦長の前で言ったらどうなるやら。
「よし。開けるぞ。」
「・・・うん。」
ラピスが扉を開ける。そこには・・・・・
ズラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・と、全身黒タイツに黒マスクをかぶっている人間がッ!!!!!
「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
真夏のミステリー。 |