第2話〜歴史〜
「ティレク、ありがとう。」
タイガの間一髪のところを助けたのはティレクだった。
「いや、どうってことねーよ。」
と、ティレク。
「・・・・・・・あ、そうだ。おじさん、大丈夫ですか。」
戦場から離れていた商業者らしいおじさんは、でかい荷物を背負ってこちらに向かってきた。
「いや〜、ありがとうありがとう。センキューベリーマッチョだよ。や、ホント。」
思いつくことをとにかく次から次へと言葉に出す商業者。
さすがというべきか・・・。
「俺たちは人助けしながら旅してるから当然さ。な、タイガ。」
「まあね。」
「まあ、立ち話もなんだからわたしの町まで来てくれ。礼もしたいしね。」
そう言うと、おじさんはタイガとティレクの腕を引っ張って返答を待たずに町まで連れて行く。
〜貿易の町 イクスポート〜
(・・・・・・・来てしまった。)
(それも強引に・・・。)
と、互いに思うタイガとティレク。
「さあ、ぜひわたしのうちに来てくれ。」
と、にこにこ笑顔の商業人じいさん。
しかし、ここまでタイガとティレクをひっぱってこれる・・・・・かつ、ダッシュしてここまでこれる力と体力があるならば、別にあのとき助けを呼ぶ必要はなかったのではないかと、切実に思う2人だった。
「さ、どうぞ。」
おじさんから差し出されたお茶をずずずっと一服するタイガとティレク。
「いや、どうも。ちょうどのどがからからだったんです。」(おじさんに引っ張られたせいで。)
途中、あえて言葉をにごらせるタイガ。
本人に悪気がないので言うのは失礼だと思ったのであろう。
「そういえば、ここは貿易の町なんだな。ここまでくるとき、貿易の船や宇宙船があったし。」
と、ティレク。
「その通り。ここは、大陸間の貿易はもちろん、惑星間の貿易も盛んな町なんだよ。なにせ、文明が大きく変わったからね。550年ほど前から。」
と、おじさんも自分で入れた茶を一服。
「550年前って言うと、『崩壊戦争』が終わったころか。」
と、ティレク。
「そうだよ。あの『崩壊戦争』を期に、世界は繁栄していったんだ。」
「『崩壊戦争』が原因で、人類のみならず生き物が全滅しかかったときに登場したのが、『ルシア』と『ヴァイン』。今でも英雄として語られている2人だよ。」
「へぇ〜。」
おじさんの話を素直に感心するタイガ。
「ってタイガ。知らなかったのか?」
「だって、僕が旅立ったのは10歳のときだよ。勉強もほとんどしてなかったし・・・。」
「ったく、知っとけよ。ほとんど常識だぞ。」
呆れ顔で言うティレク。
「・・・・・まあ、この際教えといてやる。現在英雄とされている『ルシア』と『ヴァイン』だが、ある程度文明が栄えたのを期に、二人は互いに戦いを挑んだらしい。その戦いの場所がたしか・・・・・・・・・惑星『カムラン』だっけ。そして、戦いの結果同士討ち。両者共倒れになったらしいな。」
「なんで、『ルシア』と『ヴァイン』は戦いをしたのさ。」
と、タイガ。
「たしか・・・・・・・『ルシア』は民の意見を反映させて文明を築き上げようとして、『ヴァイン』は、自分の独断で文明を築き上げようとした。・・・・・要するに、互いに思想が両極だったから戦いになったわけだよ。」
「そして結局両方の思想はかなわず・・・か。話し合えば、何とかなったかもしれないのに。」
と、タイガがつぶやく。
勝手に口から出てきたように。
「それで、残された民は、結局両方の思想に分かれてそれぞれに文明を築き上げた。それが今の現実さ。」
「ふ〜ん。」
そう言うと、タイガは茶を飲み干すのだった。
そして夕方、
「で、これからあなたたちはどこに行くんだい?」
「僕たちは行き場所を決めてないからね。わからないよ。」
「そういうこと。」
と、タイガとティレク。
要するに、行き当たりばったり、適当に事件があったら巻き込まれて解決していく・・・・・・・そんな感じである。
「それなら、惑星『スレイミア』へいったらどうだ。宇宙船を使っての航海旅となるがいい経験になるだろうし。」
「そうしたいけど、あいにくラルクが底をついてまして。」
と、タイガ。
「大丈夫だって。まあ、今日は遅いしうちに泊まりなさい。何とかといてあげるから。」
イマイチ理解できなかったものの、とりあえず意味を理解しようとせず泊まること
にした。
|