第21話〜セルリア奪還戦7 ティレクの災難(笑)〜
「・・・・・と言うことがありました。艦長に連絡しようと考えたのですが、相手も何もしてきませんでしたし・・・。」
「うん。報告ありがとう。」
「失礼します。」
カイルと深夜の当番のオペレーターが会話をしているとき、タイガがブリッジにやってきた。
「ん、タイガか。どうしたんだい?」
「え?あ〜・・・。」
艦長を目の前にして、言おうとしていたことをためらうタイガ。
「・・・・・ああ。なるほど。セルリアのことだね。」
ずばり当てられて、タイガは「違います。」とは言えなかった。
「そうだなぁ〜。はっきり言って、今のところはなんとも言えないね。無事か無事じゃないのか・・・。もちろん、無事であってほしいけどね。」
「そうですか・・・。」
収穫ゼロだったので、少し気を落とすタイガ。
「まあ、そんなに気を落とさないでよ。オレだって仲間のことだから心配なんだから。」
「はい。・・・・・・・そういえば、さっき何か話してたみたいですけど・・・。」
「ああ、あのことか。たいしたことはないとは思うんだけど、深夜3時ごろ何か不審な船がこの『ラグナエース』を偵察してたようなんだ。」
「それで何かされたんですか?」
「いや。何もされてないんだ。敵なら何か妨害とかしてくるはずなんだけど・・・。」
「じゃあ何のためにその船は・・・。」
その言葉のさきを言おうとしたとき不意にティレクが言った・・・・・と言うかラピスが言った言葉を思い出す。
『なんか嫌な予感がするからちょっとばかし気をつけたほうがいいぜ。おれの盗賊としての勘がそう言ってやがるんだ。』
「・・・・・・・。」
「ん、タイガ。どうした?」
急に何か考え出したようなタイガを見て、カイルは声をかけた。
「あ、いいえ。なんでもありません。」
まさかそんなわけない・・・・・。
「それじゃあ、艦長。失礼しました。」
「うん。何か情報があったらいうから、それまではリラックスしてなよ。」
カイルのそんな言葉を背に受け、ブリッジから出た。
だが、ブリッジから出たというものの、タイガはやることがない。
ティレクはおそらくティーラウンジかそこらで女性のナンパをしているだろう。
そしてその光景をミラージュに見られて制裁を受けているだろう。
(ティレクはたぶん暇じゃないな。)
そんなことを考えながら第3階層までさまよっていると、通路でティレクがナンパをしているところを見た。相手はちなみに2人。
「やぁ、麗しきお嬢さん方。どうかこの俺様と、練乳より甘いひとときを楽しみませんか。」
そう言ったティレクの左手にはバラが一本握られていた。おそらく、『ラグナエース』にあるコンビニで買ったものだろう。
ナンパされた女性たちは、見た感じまんざらでもない様子だった。
なぜなら頬を赤らめていたからだ。
「かわいいねぇ、キミ達。その赤く染まった顔。リンゴみたいに食べちゃいたいよ。グフォアアアァァァァァァッッ!!!!!」
とどめの台詞を言っているとき、ティレクは背後から後頭部へ跳び蹴りされた。
そしてそのまま地面とキスしながら顔スライディング・・・・・。
「ごめんなさいねぇ。この色魔は女を遊び道具としか考えていない男失格の人間だから。」
跳び蹴りしたやつ・・・・・ミラージュはそう言うとティレクを引きずってどこかにいくのだった。
(ああ。僕の思ったとおりの光景がついさっき発生した。)
そう思うと、タイガは再びぶらぶらと艦内を散歩するのだった。
「あれ、ミラージュ。それはなんだい?」
「これ?ボロ雑巾。人型の。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へぇ。」
その後のミラージュとシャープの会話だった。
それだけ。 |