第20話〜セルリア奪還戦6 忍び寄る脅威〜
現在時刻は草木も眠る丑三つ時。・・・・・と言っても宇宙なので恒星の近くを通るとき以外はほとんど真っ暗なのだが。
戦艦『ラグナエース』を操作するオペレーターや格納庫の一部の整備班の人たち以外の人はほとんど就寝していた。
とは言っても、オペレーターたちも24時間完全無休養と言うわけではなく、時間で常に交代していた。
朝や昼間や夕方のときの『ラグナエース』内のにぎやかさは、この間だけなくなる。
しずかな『ラグナエース』というのは、なんとも妙と言うか変な感じがしてしまう。
「『ラグナエース』。あいつが乗ってる船か。」
そんな『ラグナエース』から距離2万〜3万キロほどの先に、戦闘機が一機。
全体的なフォルムがなんだか『スペース・フォース』に似ていた。
「命令なんでね。悪く思わないでくれよ。」
戦闘機のパイロットはそう言うと、注射針のように先が鋭くとがった長さ5センチくらいの針・・・と言うかカプセルを『ラグナエース』向けて発射する。
その針に似たカプセルは『ラグナエース』の表面に突き刺さると、謎の液体を『ラグナエース』に注入する。
「24時間後が楽しみだなぁ。船内がどんなになるのか。そしてあいつがどうなるのか。」
独り言のように戦闘機のパイロットはつぶやくと、その場で『空間穴転移移動』をしてその場から姿を消すのだった。(正しくは『別空間』へ移動した。)
午前8時。
タイガはベッドから起き上がった。
いつもはもっと早く起きるのだが、ベッドに入ったのはいいもののセルリアのことが気になって眠れなかったのだ。
今頃はどうしているだろうか・・・。
ジークフリートという人は、どうして『スペース・フォース』と一緒にセルリアをさらったのだろうか・・・。
そう言えば、シャープは何かジークフリートのことを知ってそうだったけど・・・。
グキュウゥルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・
・・・・・・・お腹減ったなぁ。
食堂のご飯は美味しかったなぁ。
流浪時代のティレクのつくってくれた料理は核兵器並だったなぁ。
・・・・・などと、お腹がなった後は完全にセルリアのこととは関係ないことを考えたタイガ。
(とりあえず食堂に行こう。腹が減ってはいくさができぬってね。)
ベッドから起き、服装を着替えた後タイガは食堂へと行くのだった。
「お、タイガじゃないか。アタシらと一緒に朝食食べないかい?」
食堂に入ってきた早々、シャープとミラージュとティレクに出会う。
・・・・・あれ?
「ねぇ。ラピスの姿が無いようだけど・・・。」
「ああ、ラピスならもう朝食済ませてどっかいったらしいわよ。」
「俺様がラピスにあったとき、そう言ってたからな。」
「ふ〜ん。」
「あ、そういえばラピスのやつ『なんか嫌な予感がするからちょっとばかし気をつけたほうがいいぜ。おれの盗賊としての勘がそう言ってやがるんだ。』とか言ってたな。」
「なに?その『嫌な予感』って?」
「さあ。俺様に聞かれてもなぁ。そんなことよりめし食いに行こうぜ。」
『嫌な予感』というのが少し気になったものの、朝食を食べたがっているティレクに、タイガはとりあえず賛同することにした。
|