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LEGEND『伝説』【輪廻の出会い】
作:なかたく



第17話〜セルリア奪還戦3 無情の長剣〜


紅く輝く夕日が沈もうとしているころ、とある渓谷で2人がにらみ合っていた。
互いにそれぞれの得物を構え、隙を見せないようにしている。
(・・・できやがるな。)
茶髪の女性―――ラピスの長年の盗賊の勘だった。
一度は猪突猛進しようとしていたのだが、気配に押され一度踏みとどまった。
ラピスに睨みをきかせている傭兵ジークフリート・・・どこかで聞いたことのある名前のようだが、ラピスはそれを思い出せずにいた。
だが、気配で只者ではないということがラピスにはわかっていた。
(まあいい。名前なんざわからなくったって、おれが勝つに決まっているんだ。)


硬直状態が続く。あれから30分は経っていた。が、互いに動こうとはしない。
夕日もほとんど沈み、星空が見え始めていた。
(くそ〜。こういうのはやっぱりしょうにあわねぇなぁ。)
ややいらいらし始めたラピス。もともと短気なため、こういう硬直状態は苦手である。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・くそッ!!もう我慢できねぇッ!!)
ついに我慢できなくなったのか、ラピスはジークフリートとの距離を一気につめる。
さすが盗賊と言うべきか、みごと盗賊と言うべきか、ラピスの速さは常人の域を超えるものがあった。
「もらったぁッ!!」
その俊敏な速さで、ジークフリートの背後を取るラピス。
そのまま逆袈裟に斬りつけようとする。
「あまい。」
ジークフリートの低い、かつ重みのある声がラピスに聞こえたかと思うと、ラピスの短剣の斬撃がさばかれる。
「!!」
確実に背後を取ったと感じ取っていたラピスだが、それをさばかれたことにより隙が出来る。
零圧剣れいあつけん。」
攻撃をはじかれ、隙を見せていたラピスに冷気をまとった衝撃波が襲いかかった。
「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!」
短剣ではさばききれず、衝撃波を喰らったラピスは、そのまま壁に激突した。
壁にもたれ、ややぐったりぎみのラピスに立ちなおす暇を与えずに続けて『零圧剣』を浴びせる。
ドゴンッ、ドゴォッ・・・・・と、痛烈な音が渓谷中に響き渡る。
衝撃波の影響で、戦場に砂煙が発生していたが、間もなく煙が晴れようとしていた。
とどめをさしたかどうかを確認するためにジークフリートは煙が晴れるのを素直に待つ。
やがて、砂煙が止んだのだが、さきほどまでラピスがいた場所にはその姿がなくなっていた。
「おれならここだああぁぁぁぁぁッッ!!!」
ジークフリートがラピスの声に気がついたときにはすでに遅かった。
背中を大きく斬られるジークフリート。
「へ、どうだッ!さっきの砂煙の間におまえさんの背後に回らせてもらったんだぜ。」
「なるほど。私としたことが、少し油断しすぎたか。」
斬られたにもかかわらず悲鳴ひとつあげず、淡々と自分の言いたいことを述べるジークフリート。
「何余裕ぶっこいてんだよ!そりゃあおまえさんの技はおれ的に結構喰らったが、擦り傷程度だぜッ!」
「そうか。なら今度は、その傷程度ではすまない技でおまえをしとめよう。」
ジークフリートはそう言うと剣を構え直す。
「へッ。どんな技仕掛けてこられようと、おれは負けねぇぜ!!」
「なら・・・・・受けてみよッ。」
次の瞬間、ジークフリートの姿がラピスの視界から消える。
「なッ。」
さすがのラピスもあせるのだが・・・
「遅い。」
すでに背後に回られていた。
殺戮氷舞剣さつりくひょうぶけんッ!!」
長剣に冷気を宿し、剣技の乱舞攻撃をするジークフリート。
「ぐわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!!」
静かな渓谷に、絶叫の悲鳴があがった。


技紹介

零圧剣れいあつけん
冷気をまとった衝撃波が襲う剣術。

殺戮氷舞剣さつりくひょうぶけん
剣に冷気を宿らせ、剣技の乱舞攻撃をする。











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