第16話〜セルリア奪還戦2 傭兵ジークフリート〜
タイガたちが、『スペース・フォース』の識別コードで盗まれた機体を探しているころ、盗賊の女性は正直なところ、困っていた。
現在、盗賊の女性は渓谷にできた洞窟にいた。
(・・・やべ。とんだアクシデントだぜ。)
と、つい思ってしまう盗賊の女性。
『スペース・フォース』を盗んだのは良かったが、なんとその中に人が入っていたのだ。
さすがの盗賊の女性も想定範囲外である。
その『スペース・フォース』の中に入っていた人はセルリアである。どうやら、タイガたちの予想が当たっていたようだ。
そのセルリアはと言うと現在、女盗賊特製の眠り薬で眠っている。
(さてと・・・。これからおれはどうしようか・・・。)
洞窟の壁にもたれて座る女盗賊。
この女をどうにかしてあの船に帰さねぇと・・・と思う女盗賊。どうやら、必要なもの以外は必要ないようだ。
女盗賊は考える。さっきの手で帰そうとすると今度は捕まる可能性が高いだろうし、いっそのこと宅配便で送るか、とも考えるがあまりにも非人道的だと女盗賊は考え直す。
そもそも、他人のものを盗むこと自体、非人道的だが女盗賊はそのことに気づいていない。
「だぁーッ!!くそッ、面倒なことになっちまったぁーッ!!」
髪をくしゃくしゃさせる女盗賊。
―――――――ザッ
「ん?」
突然足音が聞こえたので洞窟の外の様子を見る女盗賊。近づいてくるものは人だということがわかった。
こんな渓谷の洞窟まで来る人間。道に迷ったのか、あるいは盗賊である自分に用があるのか・・・・・、とりあえず武器の短剣を腰にぶら下げる。
ある程度までの距離になると、人影は男と言うことがわかった。
蒼い長髪をし、腰には長剣を装備していた。
「・・・・・おまえは?」
どうやら女盗賊に気づいたらしい。開口一番名前を聞こうとする。
「おれか?おれはラピス。ラピス・スレイミアだッ!おまえさんこそ、誰だ?」
「私はジークフリート・フェルド。傭兵だ。」
「ジークフリート・・・どこかで聞いたような―――――。」
「ひとつ聞く。」
女盗賊―――ラピスが考えている最中にもかかわらず自分の用を済ませようとする傭兵ジークフリート。
「あ、なんだ?こっちが思い出そうとしているってのによ。」
「『スペース・フォース』とパイロットがそこにあるだろう。」
「―――ん?なんでおまえさんがそれを知ってんだ?」
「答える義理は無い。」
淡々と言うジークフリート。
「あっそ。悪いがわたせってんならお断りだぜ。これはおれが危険をかえりみず、手に入れたモンなんだからな。」
「どうしてもか?」
「どうしてもだ。」
渡す気はないとはっきり宣言するラピス。
「そうか。・・・・・・・なら、仕方ない。力づくでもいただこうか。」
ジークフリートはそう言うと長剣を鞘から抜き出す。
「へッ。上等!!」
ラピスもジークフリートが得物を抜くのを見て、短剣を構えた。
「あんた、傭兵って言ったな。」
「ああ、そうだ。」
「誰に雇われたんだ?この『スペース・フォース』と奪い返しにでもきたか?」
「少なくとも『スペース・フォース』の所持者から依頼されたわけではない。」
(―――と言うことは、おれのほかにもこれをほしがってるやからがいるって事か。)
「今なら間に合うが。退いてそれを渡すか、戦って痛い目を見てからそれを渡すか。」
「悪いがその両方にも当てはまんねぇな。なぜなら、このおれが勝つからだあぁぁぁぁぁッ!!!!!」
その言葉と同時に、ラピスは戦いの火蓋を切った。
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