第10話〜艦内探索3 ティーラウンジ&医務室〜
「ここがティーラウンジ。まぁ、簡単に言えばみんな集まってわいわいがやがやするみたいな感じかな。」
「へぇ〜。」
ティーラウンジの内部はさしずめ気品のいい喫茶店のようであった。
暇な乗員が暇つぶしにとばかり集まっている場所である。
「・・・あれ?アイツがいないみたいだねぇ。」
ふと気づいたように言うシャープ。
「あいつって、誰?・・・・・・・あ。」
シャープの言っていた「あいつ」の正体はものの数秒考えるとすぐにわかった。ティレクである。
しかもそのティレクが自分たちのいる場所から約3メートルほど離れた場所でまたいつものごとくアレを始めていたのだ。
「やぁ、麗しのお嬢さん方。どうかこの俺様と一緒に、熱く恋について語り合いませんでしょうか。・・・・・ヘヴゥゥゥッ!!!!!」
ティレクの女性の口説き台詞が終わった瞬間、タイガの・・・・・ではなくミラージュの制裁跳び蹴りが発動し、ティレクを大きくぶっ飛ばした。
今までそれはタイガの仕事だったが、この船の中ではミラージュの役目となっていた。
「なぁ〜にナンパしてんのよ。この不良変態色魔男ッ!!」
「っいって〜なぁ〜。少しはお前も女性らしい振る舞いをしろってんだ。この暴力筋肉女ッ!!」
その言葉を聞いたミラージュ。
瞬間的に頭の中の切れてはいけないような血管が怒りのあまり切れ、もう我慢や忍耐といった地層を突き破り爆発寸前・・・・・
「ゥワチャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言うかすでに爆発した。
ティレクにそれはもうプロの格闘選手も舌を巻くほどの高速のジャブを機械的かつ事務的に連打していく。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
女性が出す攻撃とは思えないほどの猛攻撃かつ突然の奇襲に攻撃の対応が遅れ、もはやサンドバック状態のティレク。
そして間もなくして・・・
「ふぅ。今日はこれくらいで勘弁してあげるわ。あたしもかわゆいお嬢様なんだし。」
そう言ったミラージュの近くには、ボロ雑巾と化したティレクの姿があった。息はかろうじてあるようだが音が「ヒュー、ヒュー。」と結構危険な状態。
「さて、ミラージュの機嫌も復活したみたいだし次行ってみよ〜♪」
何事もなかったように振舞って言うシャープ。
そして、次の場所へと向かおうとするシャープたちにタイガはボロ雑巾を引きずって後を追うのだった。
「さて、ここが医務室よ。ちょうど怪我人もいるし、この部屋もついでに説明するわよ。」
怪我人を出した張本人がそう言うと医務室の自動ドアを開ける。
「おや、ミラージュさんに、シャープさん。それと・・・・・。」
医務室の中には1人の男性がいた。
白衣を着ているところから見るとどうやらこの医務室にいる医者のようだ。
「あ、僕の名前はタイガ・ウナバラです。それと、これが僕の親友のティレク・アーカイトです。」
タイガはボロ雑巾をその医者に見せた。
「おやおやこれはこれは・・・。さてはミラージュさん、あなたの仕業ですね。」
「ま、まぁね。」
その医者から視線をそらしながら言うミラージュ。
「あ、そうだ。先に自己紹介をしておきませんとね。わたしはこの医務室で医者をしているゴルドー・D・ゼクターと申します。」
低く、落ち着いた声で自分の自己紹介をする医者ゴルドー。
「さて、早速その方の怪我を治しませんとね。」
そう言うとゴルドーはティレクが負っている怪我の部分に手の平を添える。
すると、手の平が光り出し、見る見るうちにティレクの傷を癒していった。
「す、すごい。ゴルドーさん、さっきのは魔術ですか?」
「はい、魔術です。わたしはれっきとした魔術師ですからね。とはいえ、わたしは攻撃系の魔術は使えませんけど。・・・・・はい、治りました。」
光が止むと、そこには傷ひとつ無くなっていた。
「ありがとうございました。」
「いえいえ、これがわたしの仕事ですからね。」
「じゃあ、変態の怪我が治ったところで次行くわよ、次。」
ミラージュから受けたティレクの怪我を治すと、タイガたちは次へと向かった。 |