Episode 1 「I」
「分からない分からない分からない」
私はその言葉を言い続けていた。何も分からなくなっていた・・・分からない、何も感じない
何が分からないのかさえ、分からない、私は誰で、ここは何処で・・・そしてこの目の前の物は何なの?
「ぐ・・・」
私はその物を見ただけで胸が強く痛んだ、病的な物ではない・・・・・・そう、心の痛み、と言うやつだ
・・・私は悲しんでいるのか?それとも、怒っているのか?分からない、いや・・・分からないんじゃない
分かりたくない・・・・?
目の前のモノから目を背けて、現実を信じたくないだけなのだ、しかし、真実とは何だろう?
分からない
「知らない見えない分からない、ここは何処で私は誰?」
一人、私は呟く、分からない、分からない・・・と
「怖い嬉しい悲しい哀れ楽しい分からない知らない」
分からない分からない分からない
私は顔を手で覆い、暗闇を求めた。暗闇の中にはわたしが居た。
わたしは私に似ている、でも似ていない、私は暗闇を捨てようとした、しかし、闇は私に纏わり付く
暗闇の中、わたしが歌う様に言った。
「分からない♪分からない♪分からない♪
理解できない♪理解できない♪理解できない♪
知らない♪知らない♪知らない♪
ここは何処で私は誰♪これは何で私は何をしたの♪真実と虚偽とは何♪」
わたしは私を見下ろす、わたしは浮いているのだ。わたしは続けた。
「そう♪そう♪そう♪
それは真実わたしは虚偽♪
それは虚偽わたしは真実♪
分からない♪分からない♪分からない♪
ここは何処で私は誰♪これは何で私は何をしたの♪真実と虚偽とは何♪」
光が戻り、暗闇が消え、わたし、は消えた。声は聞こえなくなった。
だが、声が聞こえなくなったのは一瞬だけだった。目を開くと目の前にわたしが居たのだ
「ほら♪ほら♪ほら♪
見える♪見える♪見える♪
分かる♪分かる♪分かる♪
それは真実わたしは虚偽♪
血溜りの愛に溺れて♪
わたしは死にたかった♪
哀れな自分は消したかった♪
ここはわたしで私はわたし♪これはわたしで私は死んだ♪真実と虚偽とはわたしと私♪」
分からない分からない分からない、理解できない
わたしは何を言っているの?私は何をしたの?これは・・・何なの・・・?
「わたしの手は真っ赤に染まった♪
わたしは殺した♪
わたしは私を殺した♪
わたしは虚偽で私は真実♪
わたしは虚偽でそれは真実♪
わたしは壊れた♪
わたしは私を殺した♪
わたしはわたしを憎んだ♪
もう何も無くなった♪」
わたし、は泡になった、掻き消えた。
「ここは何処で私は誰?これは何で私は何をしたの?真実と虚偽とは何?」
|