第20話 リンの一日。その2
さて。ニ限は、・・・保健体育か。
「HEY!保体始めるよ!」
なに人だお前は。
国籍は何処なんだ?
「えーと、今日はー、そうそう。安全についてだ!教科書57ページ開け!」
なになに。ここか。
「じゃ、この写真にはどんな危険が潜んでる?はい、そこの見るからにガリ勉ぽいキミ!」
写真?あぁ、これか。・・・道路を自転車で渡ろうとして、車が止まってくれてるね。あ、その後ろにバイクがいるな。
ま、この答えは「バイクが追い越そうとしてて、自転車が危ない」かな。
「はい!えーと、この自転車の人」
うんうん。
「補助輪着けてません!」
・・・へぇ。そりゃ危ない。ちゃんと着けてないと倒れちゃうからね。
・・・って、オイ!
みるとこ違う!明らか違うだろ!確に危ないけど、写真の中の危険じゃないだろ!
「はーい!おっけーでーす!模範的な解答ですね!」
周りから「よっしゃ」やら「やっぱりな」等と聞こえてくる。
それでいいのか。ウチのクラス。
三限。この時間は、数学か。
数学教師が入ってくる。
「あー。めんどくせ・・・おぅ。始めんぞ。」
開口一番それですか。いくら若いからって、もうちょっと教師の威厳てもんがあるでしょう。
「あー。面倒だから号令いいや。どうせお前ら、三年なったばっかだし、なんか、復習みたいなのでいいだろ。」
この学校、アバウトな人いすぎだと思う。
「じゃ、あれだ。三角比の・・・あれだ。sinだか何だか言ってけ。どこがどれだか分かるように。」
いや、先生。それ、復習って言うより、確認だよ。一年時にやったよ。
「じゃ、そこの、なんか委員長っぽい女子。」
「分からないです。」
「ん。正直な事はいいことだ。」
いいのか?しかも、頭よさそうな委員長っぽい人が分からないって・・・人は見た目じゃ無いんだね。
「じゃ、そこの。ほら。見るからにヤンキーな。そう。お前。金髪はやめとけよ。将来禿げんぞ。」
「いいんです。禿げたら禿げたで、頭に刺青でもしますよ。」
「そりゃまたこええな。控え目にしとけよ。で、この問題は分かるか?」
「とーぜんすよ。見てて下さい。」
右手の親指と、人指し指をたて、逆に向けて、
「サイン!」
次に、左手の親指と、人指し指を右に向けて、
「コサイン!」
そして最後に、サインの位置にあった右手を顎にあて、
「タンジェント!」
シャキーン、などという擬音まで聞こえて来そうだ。
「ご苦労さん。なかなか分かりやすかったんじゃないか?」
頷くクラスの皆。
それでいいのか?いや、もういいや。
さて、次はなんだろう。
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