第11話 家に温泉湧きました。
「妹よ。」
「なにー?お兄ちゃん。」
「これは一体全体、どういう事なんだい?」
「どういうことなんだろうねー?」
僕が視線を向けた先、そこには、なんと言うか、穴が空いていた。
庭に。しかもそこからは何か湧き出ているじゃないか。
「温泉だな。」
「温泉だねぇ。」
「・・・なんで?」
「なんでだろうねー」
おや、ケビン。どうしたんだい。そんなに汚れて。
・・・よごれて?
「妹よ。なぜケビンはこんなに泥まみれなんだい?」
「もしかしてー」
「もしかして?」
「庭の温泉、ケビンがほったー?」
・・・まじか。
「取り合えず、体を洗おうか。ケビン。」
「で、どうするのー?温泉」
「いいかい?僕には温泉をしっかり使えるようにするような工事をできる様な力は無いんだ。ここはそっと放置して置いてあげた方がいいと思うんだ。」
「なんて事だ。」
「これは、まずくないー?」
放置しておいたら、庭がひとつの池と化していた。
「これは本格的にどうにかしないとな・・・」
「まずいねー」
「と、言うわけで妹よ。頑張って工事してくれ。」
「無理ー」
即答ですか妹よ。
しかしどうしろと言うのだ。
・・・そうだ。あのお嬢様に頼んでみるとしよう。
「えーと、電話番号は・・・」
・・・しまった。
僕はお嬢様の電話番号はおろか、住所や名前も知らないじゃないか。
「・・・。」
「・・・。」
「どうするよ。妹よ。」
「どうするよ?お兄ちゃん。」
僕らが頭を悩ませていたその時、
ぴんぽーん
と、気の抜けた電子音が鳴った。
「妹よ。誰だろう。」
「見てくるねー」
「お兄ちゃんー?自称お友達だよー?」
「なに!?よくやった妹よ!丁重にお通ししろ!」
やった!お嬢様だ!カモがかかったぜ!
「で?庭の温泉工事をやってくれって訳ね。」
「うん。このままでは僕らの家が床下浸水してしまうからね。悩んでいた時にいいタイミングでカモ・・・いや、君が来たってわけだよ。」
「誰がカモよ・・・。まぁいいわ。やったげる。」
「ホントかい?ありがとう!」
「ぐはっ!・・・す、すぐにやったげるわ!」
「「おぉ〜〜」」
僕の家の庭には、完全な浴場が出来、露天風呂じゃなく、しっかり室内の温泉となった。
「どう!?」
「「スバラシー!ぐれいとー!はらしょー!」」
あ、土木関係の所に許可申請しなきゃ。
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