第1話 頑張って生きましょう。
僕は、学生の本分とも言える素晴らしく下らない授業と言うモノを乗り越えて、今、僕にとっての憩いの地、屋上に来ている。
そう。今日もぐだりぐだりと暇を潰しに来ていたのだけど・・・いつもは誰もいないこの寂れた屋上に誰かがいたのだ。
・・・鉄柵の、向こう側に。
「なんでやねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!」
叫んだ。思いっきり。僕の願いよ、天まで届けって位に。そしたら、何を考えて鉄柵の向こうに行ったかしらない彼女も、こっちを振り向いた。・・・視線が痛いなぁ・・・。
「で?何であんな事をしていたんだい?大体は想像つくけど・・・」
僕は飛び降りようとしていた(様に見えた。ってか、実際その通りだろうけど。)彼女を何とか引き止めて、話をするまでに至っていた。
「・・・えっと・・・自殺を・・・しようかと・・・」
「えっと・・・それは何でなんだい?・・・これも大体は想像つくけど・・・」
彼女の容姿からするに、イジメを苦に・・・ってところだろう。気の弱そうな印象をうける。更に言うとなかなか可愛らしい。・・・嫉妬から来るイジメだろうか。
「クラスの・・・女子から・・・イジメられてて・・・」
「やっぱりか・・・」
「え?」
「いや、何でも無いんだ。気にしないで。・・・でも、辛かったのは分かるけど自殺は行けないと思うよ?いいかい?僕が思うにここで自殺なんかしてしまったらとても悔いが残る様に思えて仕方がないんだ。僕は死後の世界とかは信じていないからこんな事言うのもどうかと思うんだけど、死んだって楽になるとは限らないよ?もしかしたら今以上の苦が待ち受けているかもしれない。それから、君が死んでしまったら悲しむ人がいると思うんだ。例えば君の親とかね。君をイジメていた人達だって一生罪悪感を背負って行きて行かなくちゃならないしね。つまり僕が何を言いたいかって言うとね、死んで何もかも解決する訳じゃないと思うんだ。運命とかも信じていないこの僕が言っても説得力無いかも知れないけど、もしかしたら今、不幸なだけで、もしかしたらこれから運が向いて来るかも知れないよ?だから自殺何て事はやめて、もう少し頑張ってみない?」
「う・・・ぇ・・・」
しまった。またやってしまった。僕の悪い癖だなぁ・・・話が長いの。
「えっとね?要は、自殺何て事はやめてもう少し頑張ってみないって事なんだよ。愚痴とかなら僕がいつでも聞くからさ。」
「は・・・はい!頑張って見ます!ありがとうございますぅぅ・・・うぅ・・・」
「え!?あ!ごめん!僕なんかいった!?」
「いいえ・・・ちがうんですぅ・・・」
その時、屋上に据え付けられている錆びてしまっている扉が開く。
「あ!カレン!こんな所に居たの!?ってなんで泣いてんの!?」
へぇ。カレンちゃんていうんだ。見た目通りだね。入って来た娘は・・・気が強そうだなぁ・・・
「やぁ。こんにちは。君はこの娘の友達ーーー」
「アンタ!?カレン泣かしたのは!?」
僕の声が彼女の声に掻き消される。
「いや、違うよ?僕はーーー」
「許さないわよ!このっ!!」
またしても、彼女の声が僕の声に被さる。・・・って、えぇっ!?
気付いた時には、鞄はもう目の前。鞄を投げられたーーーそう気付いた時には既に僕の意識はブラックアウトしていた。
問答無用って、このことなんだなぁ・・・って言う事を消えていく意識の中で僕は考えていた。
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