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〜似ている二人は親友〜
作:星野 揺光



第五十九話「桜花の過去 〜桜花の母〜」 1


とうとう万引きをしてしまった雨音。悔しがっても、もう取り返しのつかないことになってしまった。
『やりたくない』。とは言いたかったが、怖くて逆らえなかった。
みなが万引きをした後、店を出て、それぞれ自分の家へと向かった。

雨音は、後悔しても仕方ないと思い、とりあえず家に向かう。

「…雨音、ちゃん?」

「え……?」

「貴方、水音 雨音ちゃん?」

「あの…どちら様…」

「あら、ごめんなさいね。私は桜花の母の――香咲 桜羅かおりざき さくらよ。貴方の話は桜花からよく聞いてるの。現在いま過去むかしも…」

「(桜花ちゃんの…――?)」

現在いま過去むかしも”。
桜花の母、桜羅は、その部分を強調して言った。勿論、雨音は疑問を持った。

「ちょっとお話があるの。時間大丈夫?」

「…はい。大丈夫です」

雨音と桜羅は公園に向い、公園のベンチに腰を下ろす。
座ったと同時に、桜羅は深刻な顔をした。
雨音は……さっきの万引きのことで、かなり悩んでいた。

「あのね。貴方石火山小学校に通ってなかった?」

「(石火山小学校……私が通ってた小学校だ…)はい。通ってました…」

「実はね、桜花も昔、その学校に居たの…」




あれは……そうね。もう六年も前のことね。小四の頃。
桜花は丁度、その小四の頃に石火山小学校に転校したの。わざわざ石火山そこまで行った理由は、夫の…――桜花の父の転勤が理由だったの。
転校初日。私が『学校、どうだった?』って聞くと、桜花はこう言ってきたわ。

「ウチが行った学校。いじめがあったわ」

って言ってきたの。
あ、この頃桜花は以前大阪に居たから、関西弁だったのよ。

「そう…。いじめとめたの?」

「いいや、とめておらへんわ」

あの頃の桜花は――物凄く感情を持って居ないコだったわね……。
その所為で私ね、桜花によく言ってたのよ。

「桜花。ちゃんと感情持たないと、貴方までいじめられちゃうわよ」

ってね。それに対して桜花は

「うっさいわっ!! 何を理由に感情持たへんとあかんのや!!」

私が『感情』に関係することを言うと、桜花はそうやって怒鳴って、すぐ自分の部屋まで戻って行ったわ。




「関西弁…ですか」

「ええ、そうよ」

「(なんか…私にも関西弁使ってた頃があったなぁ………)」



それでね、転校二日目。桜花は昨日とはまるで違ってた。
笑顔だったの。
物凄く嬉しそうだったの………。
私も嬉しかったわ。だけどめったに感情を出さない桜花あのこが、何を理由に喜んだのか気になって、聞いてみた。

「ウチ……今日学校で面白いことあったんや」

「なぁに?」

「昨日、みんなウチんこと目の色や髪の色で外人外人呼ばわりしてきたのが、今日は呼んでこんかったんや!」

「そう。よかったわね」

そうね……。あの頃、桜花は外人外人呼ばわりされたらしいのよ…。
髪の色が薄茶で、目の色がピンクだと言うことが理由。
それは桜花の父でもあって私の夫が、ハーフだったからなの。
夫の血を多く引き継いだ桜花は、三分の一くらい、かしら? ハーフなの。

「今日呼んでこなかったのは何故かしらね?」

「ウチが総隊長になったからや!!」

「“総隊長”――?」

「せや! あ、母さんには関係ないんやから、口出しせぇへんで」

「……ええ、勿論よ」

この時、私はまだ知らなかったのよ。
この時の“総隊長”が、いじめ総隊長になっただなんてね。




「え!?」

雨音は驚いた。
桜花が『いじめ総隊長』と言うものになったことを……。







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