〜似ている二人は親友〜(57/65)縦書き表示RDF


〜似ている二人は親友〜
作:星野 揺光



第五十七話「“これは私の意志なんかじゃない”」 4


「あはははは!! あー楽しかった! ねー、水音さん?」

「……え!? うんっ」

雨音、都子。そして都子と仲がよく、一緒に雨音をいじめていた四人。
計六人は、わいわいと聖華をいじめてることを楽しんでいた。

「そうだ!! 水音さんっ。貴方地味よね」

突然実依が言ってきた。

「え?」

「もっと派手に決めちゃわない?」

と付け足す。
雨音は『あ……私なんかがそんなことっ……』と言い返す。

「なに話してんのー?」

「都子。水音さんってちょっと地味すぎなーい?」

わざとらしい口調で亜木はクスクスと言う感じで呟く。
亜木と実依が雨音は地味だ。
そう言った瞬間、都子は黙りだし、雨音をじーっと言うより、じろじろと言う感じで見つめる。

確かに――雨音は少しどころか、かなり地味だった。
それに比べ、都子、亜木、麻子、実依、由利はかなりチャラチャラと派手なシルバーアクセを大量につけている。

「あ〜っ。そういえば水音さんこの間こないだ星のアクセ買ってたじゃない。それつけたらどう?」

「え……? でもあれは…」

「知ってるわ。キーホルダーでしょ。それを鞄につけるのよ」

「そういえばあたし星のピアス持ってるわよ!!!」

突然麻子が言い出す。『え〜じゃあそれ水音さんに貸したげなよ』、と都子。
雨音は『いいです……ピアスなんて』と言い出す。
いいですと断ると、都子の目が急にギロン!!と睨むかの様に早変わりした。

「いいじゃんいいじゃん♪ ほらほら。ピアスホールあけましょうよ!!」

「やっ……」

雨音はピアスホールをあけるのを嫌がっている。
なのに都子は、何処から出したのか謎のピアスホールをあけるものを取り出し、それを雨音に近づける。

雨音は……。やったことはないが知っていた。
“ピアスホールをあけるのは痛い”と言うことを。
怖くて涙が出てきそうだった。
そして、これは確実にいじめに入る。とも思っていた。過去の経験でも分かっていること。

「さーさー♪ いやがらないで♪ はやく!! みんな押さえて!!」

「っっ!!」

 ――ヤダ。ヤダ!! みんななんでこんなことするの!?
 私たち友達なんじゃないの!?
 なのになんで|無理矢理ピアス穴あける(こんなこと)なんて………。
 信じてたのに――!!

「言い忘れてたけれども、もしも派手にしなきゃあんたのこと友達じゃないから」

「!!」

「また……あの地獄の日々に逆戻りだから」

ニヤリ、と不気味な顔で言った。雨音は顔が真っ青になる。

 ――なんでぇ……なんでぇ……!! なんで……。
 嘘だよ――

「じゃ、あけるよ〜♪」

 カチン……。

「い…っ………」

 カチン……。

両耳たぶに、ピアスホールをあっさりと簡単に開けられてしまった。
血が流れる感覚がした。
つー…と赤い“何か”が流れるこの感覚。
確実に血が出た感覚だった。

「これでよし!! 麻子、ピアス!」

「はい」

麻子は都子に星のピアスを渡した。

「そうそう水音さーん」

んー。と言う感じで背伸びをすると、麻子は雨音の耳元に近付きこういった。

「それ、無くしたり壊したり、汚したりすんじゃねーぞ。もしもやったらぶっ殺す」

と。雨音は体中に寒気が走った。
そのあとみながクスクスと笑い始めた。

「はーいかんりょっ♪ あ、これ似合わないことないんじゃない?w」

と都子。

「あ、本当。そうだ!! みんな今日放課後アクセショップいかなーい?」

と亜木。

「「「「さんせー!!!」」」」

雨音以外の者はOKした。
勿論、雨音は強制的に行くことになってしまった。

だがしかし……行かなければまたあの地獄の日々に逆戻り。
行くしかなかった。
“学生が。特に高校生がチャラチャラしてると不良やギャルなどの証”と分かりながらも。
それを知っているのか、雨音はまたまた『これは私の意志なんかじゃない』と言い聞かせていた。







小説を気に入ってくれたらランキングに投票していただけると嬉しいです。

ネット小説ランキング>現代シリアス部門>「〜似ている二人は親友〜」に投票





ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう