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〜似ている二人は親友〜
作:星野 揺光



第五十三話「最悪の事態、再び」 2


 ――嘘。嘘でしょう?? 倉本さん、どうして? なんで私のこと庇うの――?

都子に『水音を開放してやれ』。そう言うと揺は教室から去って行った。
そのお陰で、教室中は更にざわめく。

「あーらあらあら。倉本アイツも馬鹿なのねー。クスっ。嘘信じた挙句にこのザマ? なんて傑作モノ!!」

キャハハハハハハ!!!
最後には、近くに居た亜来、麻子との三人で、下品な笑い声をあげた。
雨音はショックで何も言葉が出なかった。

「ねー、都子」

「なぁに? 麻子」

麻子が都子に話しかけ、麻子は都子の耳元でこう言った。

 コソコソ……。

周りには聞こえない程の小声で。

「ああ、それいいじゃない。水音さん、ちょっと話があるの。視聴覚室まで来てもらえる?」

ニヤニヤと不気味な笑い顔を立てながら、都子は雨音にそう言う。雨音はコクリ、と頷いた。
了解を得ると都子は、雨音の腕を勢いよく、力強く引っ張って、視聴覚室まで向かった。

視聴覚室。

「あの、なんです…か……」

「逃げられないわよ。出口には実依や由利、聖華が居るからね!!」

都子はザマーミロ。と言う顔で雨音にそう言った。
今都子の後ろに居る二人は亜来と麻子だ。

「ぷっ。とうとうひとりぼっちになっちゃったわね!! 水音雨音!! ていうかさぁ…」

顔に影を作り、都子は雨音の耳元に近付く。この瞬間とき、雨音は身体に恐怖がわき、がたがたと震え始めた。
そんな雨音を見ながら、亜来と麻子うしろのふたりはケラケラと笑い始める。
そんなことにも構わず、都子は雨音の耳元で、雨音にしか聞こえないくらいの声の音量でこういう。

「今日から倉本いじめるってことになったんだけど」

「っっ――!」

「どう? あんたも一緒にやらない?」

と。雨音はその台詞に驚き、座っていたところで立ち上がる。

「そ……っ」

「まあまあ、待ちなさいよ。あんな嘘みたいなこと信じちゃって、実際腹立ててるんじゃぁないの? 『退院早々何いばっちゃってんの』みたいな感じで」

「……」

あ。図星でしょう??
いいわ。少しは待ってあげるわよ。流石のあたしたちでも、突然きゅうなことは決められないわ。
だから……二日。あと二日。
二日だけ、あんたに時間をあげるわよ。
――……そのかわり、答えが出た時。
あんたがOKした場合はいじめをやめて、あたしたちの奴隷として働かせてあげる。プラス、一緒に倉本をいじめるの。NOだったら、あんたと倉本もろとも地獄の日々へ送ってあげるわっっ!!
覚悟してなさい――。

今、雨音の頭の中には都のその言葉が広がり続けていた。
忘れたくてもなかなか忘れられないあの言葉。
特に

『OKした場合はいじめをやめて、あたしたちの奴隷として働かせてあげる』

と言う言葉だけが怖くてたまらなかった。

自分が、揺を??
仲良くしてくれて、助けてくれた友達をいじめるの??

そんな不安と緊張、そして恐怖で雨音は体中ががたがたと震えまくっていた。


次の日。

「あの……古河さん…」

「あら、水音さん。答え決まったのかしら? 聞かせてちょうだい」

「あの………私…っっ…――」







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