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〜似ている二人は親友〜
作:星野 揺光



第五十一話「再会」 2


「あ……あ…」

自分あまねを引っ叩こうとした都子の腕。“何者”かによって、その手は雨音の頬に当らずに、止まった。いや、止められていた。
雨音は人物に、とても驚いていた。
いいや、雨音だけではない。都子たちも驚いていた。
その人物とは……。

「……くら…もと……さん……」

そう。雨音を引っ叩こうとした都子の手は、“倉本 揺”が、止めていた。その場は、沈黙状態になっていた。
しばらく沈黙その状態が続いていると、揺の口が開いた。

「お前ら……公共の場だぞ。場所考えてそういうことしろよ…?」

怖い顔、睨むかのをしながら、揺がそう言うと、都子たちは無言でその場を去って言った。
雨音は嬉しいのか驚いたのか、腰が抜けてその場へぺたんと転ぶかの様に座った。

「大丈夫か? 水音」

「…あ……あ…」

「? どうした??」

「くらもと…さん」

必死に喋ろうとした。だがしかし、出る言葉は短い単語だけ。
そんな雨音を見ていた揺。
クスッ、と1回笑い、雨音に手を差出した。
突然だったので雨音もハッとなる。

「…?」

「あの時と同じだな。アタシと雨音の出会いの時と」

「あっ!! ……今…雨音って…」

揺の口が出て来た一つの言葉。
“雨音”と言う言葉。普段なら“水音”と、苗字で呼ばれているのに、今回は水音そうではなく、“雨音なまえ”だった。
しかし、雨音はこれが“無意識”に言ってることに気付かなかった。揺も。
一瞬、雨音は涙が出そうだった。悲しいんじゃない。嬉しくて出てきそうだったのだ。
その涙は、とうとう流れてきた。
揺は驚いて、『だ…大丈夫か?!』と焦りながら聞く。
すると雨音はこう言った。

「うん、大丈夫! これは嬉し涙だから。それでね…あの…」

「?」

「……なんでもない」

「なんだよ。はっきり言いなよ」

「(私も名前で呼びたいなんて無理だよね)退院おめでとう!」

涙を拭きながら雨音は、嬉しそうになった。
揺はまたクスと笑った。

「あ、私ちょっとこれレジに持っていくね!」

「?? アタシもついていこうか?」

「え!? いい!! いい!!」

プレゼントなんだから、倉本さん居たら大変。
と思い、片手を左右に振った。
焦りながらのリアクションが終わると、雨音は“あのアクセ”を持って、レジへと向かった。

「なんだ? 水音のヤツ」

今度は、名前ではなく苗字だった。
揺は雨音の後姿をジッと見つめながら、笑いが出てきそうでたまらなかった。

――その頃、都子たちは…。

「何よ……アイツら……。覚えてなさいよ!!」







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