第四十二話「誕生日と誕生祝い」 2
待ち合わせ場所は、喫茶店。
その喫茶店は主に女子高生が来るところ。カップルで来るより友達同士で来るほうが多い。
見た目も店の中も可愛い喫茶店。水色などの明るい系の色が多く使ってある店。
『女子高生の友達同士がよく来るところ』
だから桜花はその喫茶店にしたとの事。
「桜花ちゃん、喫茶店ってどんなところなの?」
不思議そうに聞く雨音。
「水音さん、喫茶店行ったこと、ないの?!」
驚いた桜花は言った。
雨音は
『うん、ないよ。っていうか喫茶店自体知らないかも。はは』
そう返事をする。
すると桜花は喫茶店の説明をしだした。
「――なるほど。それが喫茶店かぁ」
雨音は納得したらしい。
「それだけじゃないのよ。喫茶店は大人の人も来るの。でも今回行くところは女子中高生向けの店だけどね。水音さんは喫茶店行ったことないんだ?」
「うん。友達居なかったし『喫茶店』なんて存在知らなかったから。桜花ちゃんはよくいってたんだ?」
「あたし? あたしは揺とよく行ってたよ。中学二年まで」
そう桜花が言うと雨音は『倉本さんと行ったんだぁ』と羨ましそうな顔で言った。
続けて『でも、中二までってどういうこと?』。
気になったのか、普通に聞く雨音。桜花は『中三になる前引越しちゃったから。だから中二まで!』、と説明した。
そして二人は楽しく会話しながら歩き続けた。
「あ、ここよ」
「わぁ!」
感動しながら驚く雨音。
その喫茶店は、女子中高生が好きそうなデザイン。
中に入ると雨音は更に驚く。中も女子中高生が好きそうなデザインだった。
リボン等つけてあって、可愛く飾ってあったり、クールに決まっていたり――。
色んなデザインだった。それも結構広い。雨音は物凄く感動した。
「あ、倉本さん何処かな?」
「奥の席に座って待ってるっていってたけど…。行って見ようか」
雨音と桜花は奥の席まで行った。
そして奥の席。
「水音! 桜花!」
聞きなれた声。懐かしく感じる声。優しい声。綺麗な声――。
その声の持ち主は
「!! 倉本さんっ!」
倉本 揺。
雨音の始めての友達。そしていじめから助けてくれた友達、揺だった。
綺麗に輝きながら風に揺れる赤い髪。
美しく光る金色の瞳。
もう、この人は完璧に揺。本物の揺。
雨音はそう思い、嬉しくなり涙が出そうだった。
「水音、ごめん……な?」
「え……」
「この前のこと」
「…わた……しも…ごめん!」
こうして、雨音と揺は仲直りが出来た。
「(ふう、これで一件落着ってところね――)」
安心な顔で溜息をした桜花。嬉しそうな表情をしていた。
「あ、そうだ。揺、誕生日おめでとう!」
桜花はそう言いながらバッグからプレゼントを出す。そしてそのプレゼントを揺に渡す。
揺は喜びながら笑顔で
「ありがとうな! 桜花!」
そう言った。
桜花はプレゼントを渡せた。
だが……。
雨音は渡すどころか、何も用意していなかった。プレゼント自体を用意してなかった。
忘れていた雨音は焦りながらバッグから何かを探す。
「(あ)」
何かあったのか、雨音は明るい顔をした。
「倉本さん、これ……!」
勇気を出して渡したもの。それは、自分のお気に入りの星のペンダント。
「包んでなくてごめんね。でも倉本さんには似合うと……。?」
何を言っても返事がなかったのか。
雨音は『どうしたのかな?』と言う顔をして、目を開けてみた。
「でさ、結局ゴールできなくて負けちゃったんだってさ!」
「はは! 揺何それ! 笑えるんだけど!」
揺と桜花。なんの話か分からない話をしていた。
しかも……。
その会話は、なんとなく、だけれども雨音を無視している様な会話に見えた。雨音には。
がっくりした雨音はこっそりと店を出た。二人に気付かれない様に。
『私が居ると邪魔なんだ』。悪い方に思いながら雨音は店を出てすぐに自分の家まで走っていった。
「ねえ水音さんも笑えないこの話! …あれ? 水音さん?」
「どうかした?」
「水音さんが居ない!」
「なっ!」
急に姿を消した雨音。桜花と揺は慌ててまわりをきょろきょろ見渡す。
「どうしよう……。あ、トイレかな?」
「だといいんだけど………」
悪い方向に考えては駄目。
そう思いながら二人は『トイレに行ったのだろう』と思い込んでしまった。
家に帰ってしまったことを知らずに。
『ねえ、君たち、揺と桜花……――?』 |