第三十三話「自殺」 2
「ふーん…そっか……。揺雨も嫌いなんだね? 私のこと」
恐る恐る揺雨にそう聞く雨音。
『今の君、はね。そんなこと言う雨音、嫌いだ』
答えはそうだった。雨音は涙を大量に流し始めた。
それはいつものこと。雨音は『嫌い』といわれた同時に
『ああ、また泣くのか…』。
そう思い込んだのだった。
しかし、その思いなんて誰もわかっちゃいない。雨音は悲しくなってしまう。寂しさはない。
ただ、悲しいだけ。
悲しくて悲しくて、ひたすらなき続けて。
その次はいじめられて、『揺を怪我させた』。そう追い詰められて。
そして傷つく日々。
もう雨音は耐え切れない。限界だった。
――どうしてこの涙はもろいのだろう?
雨音は怒りと苦しみがよみがえるかの様に感じた。
――どうして私は弱いのだろう?
その怒りは自分へ対しての怒り。
苦しみは……分からない。雨音もだ。
――どうして…苦しまなきゃいけないのだろう?
『? 雨音?』
急に喋らなくなった雨音に声をかける。だが雨音の反応はない。
ただただボロボロ涙を流しているだけで……。
――どうして、こんなに弱くて、泣き虫で……。
『雨音、僕はもうこれで失礼する』
「あ……まっ…!」
『待って』。
そう言いたかったのに、言い切る前に揺雨は去っていった。
――何故、言いたいことを言えないのだろう? 何故、話を聞いてもらえないのだろう?
怒りと苦しみは更に交じ合った。
――どうして…? 何故? 私何かしたの…?
涙は更に流れてくるだけで、止まる様子も、とめようとする様子もなかった。
思うことは怒りと苦しみ。そして悲しみ。
これだけで、ただ思い出すことしか出来ない。思い出したくもにないのに、何故か思い出してしまう自分。
もう雨音は嫌になっている筈。
そもそも…――、雨音は小学校…いや、幼稚園児時代からいじめられている。
そのくらいいじめられてつらい日々を送っていると、普通は辛くなって死んでしまう。
そんな可能性が高いというニュースを雨音は見た。
が、雨音は負けずに耐えた。耐えて耐えて。耐え続けた。我慢をしていた。
だからもうそろそろ限界だったのだ。
「……で…しまおう………」
雨音は突然ぼやきはじめた。
「わ……たし…もう………死んで…死んでしまおう……」 |