第二十七話「お兄ちゃんを探す」 1
「ナトドの兄ちゃん、外見が金髪緑目っていったっけ? 外国人なのか?」
「……うん。金髪緑目だよ。外国人っていうかハーフ、かな?」
『ハーフねぇ』、と揺は呟いた。
今は揺が居る部屋に居る。
二人で来守の兄を探す為に、特徴など色々聞いている。じゃないと探せないからだ。
「ねえ、揺さん」
「揺でいいよ。で、何?」
「僕、どうも年上の人には敬称つけないといけないと思って。許してやって。どうして揺さんは協力してくれるの……?」
「……アタシにも、双子の妹が居る。今、そいつはアタシの近くに“居る”んだけど、怖くて『事実』が言えないんだ」
「なんで怖いの?」
来守がそう言うと揺はこう答えた。
「妹には妹のままで居てほしいんだ。事実を言ったらショックを受けてしまうかもしれない。だからだ」
と。
来守はその言葉に感動して『そっかぁ。揺さん優しいんだね』と言った。
『そうか?』と揺は返す。『そうだよ』と来守。
二人はまるで本当の姉弟みたいに会話し続ける。
「アタシは……虹ノ空色学園に居るのはその妹の為。生まれてすぐ、両親が離婚して……。双子の妹とは別れてしまった。どんな奴なのか知りたくて、会話をしたくて、何年も何年も探した。そしてやっとの思いで見つけたんだ。でも話せない。
たしかに事実は言いたいよ? けど……今、友達になっちゃったから…な……」
「それって、香咲 桜花さん?」
「さあ…どうだろう……?」
そのことは誰にも言えないことだった。
だから揺は『そう』でも『違う』でもなく『どうだろう』と答える。
知りたそうな顔をしていた来守は普通の元の顔に戻る。揺は考え込む顔へと変わった。
でも答えは違った。桜花じゃない。そのことも言えない。誰かも言えないのだった。
「……アタシは、ナトドと同じ。だから、お前のお兄ちゃんを探してやりたい」
「…揺さん……――。ありがとう。やっぱり優しいんだね」
「そうでもないって。ハハ。さあ、お兄ちゃんを探しに行くか!」
「うん!」 |