第十九話「続いてほしいこの“友情”」 2
「桜花ちゃん……ありがとう……」
そっと優しく雨音は桜花にそう伝えた。
桜花は笑顔で「どういたしまして」と言い、“これからも宜しく”。そう付け足した。
「もう…、帰ろうか?」
桜花は言う。
「……うん…」
二人がベンチを立ち上がったその時。
「あら。水音さんじゃない」
「!」
都子だった。雨音をいじめている三人組の一人。
見てしまった、雨音は、記憶が蘇るかの様にびくびくと震え出す。
「あ……、あ………。ああ……!!」
涙声の様な奮えた声の様な。
雨音は都子をみながら口をパクパクとした。当然怖がっている。
「古河……都子…。さんでしょ? 貴方」
桜花は都子に嫌味を重ねたかの笑顔をしながら言った。
「よくご存知ね。あたしも水音さんみたく有名になったのかしら香咲桜花さん…?」
都子は言い返す。
「あら。貴方もあたしを知ってたのね? 嬉しいわ。ところで……――」
怖い顔で桜花は都子に聞いてくる。
都子は少し疑問を持った。
「秋背さんと風樹さんはどうしたのかしら?」
桜花は馬鹿にしたかのように言う。都子はこう答えた。
「ああ。あの二人ね。もう捨てちゃったわよ」
「捨てた……?」
「そうよ。捨てたわ。今は由利と実衣がいるもの……。クスクス……」
人を……、亜来と麻子を馬鹿にするかのような目で言う都子。
流石の桜花もイラっと来た。理由は“必要な時に必要なだけ利用”したからだった。
それだけじゃない。雨音をいじめてるにも苛々してきたのだ。
桜花は雨音がいじめられてる事を知っていた。
「貴方……最低なのね……!?」
「はあ? 何が最低っての? 意味わからないしィ〜」
「人をいじめ、利用したいときに利用したいだけ利用して……。貴方、だから友達が居ないんじゃないの……!?」
「くっ……。うるさいわね!! あんたなんか関係ないでしょ!! それに自分だってあんな過去があったくせにね……」
「あっあれは……っ」
「“あんな過去”……?」
さっきまでおどおど脅えていた雨音ははっきりとでは無いが恐る恐る桜花を見つめ、聞いてみた。
『あんな過去……?』と。
「……。水音さん…やっぱ今日はもう帰りましょ……」
「え? うん……」
「あら、逃げる気? 鈍臭いわね〜」
「………っ…」
桜花はもう何も喋らなくなった。
雨音が心配そうに話しても無反応のまま。
二人はそのまま公園を出た。そんな二人を馬鹿にした顔で都子は見ていた。
「……桜…花…ちゃん…――?」
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