第十八話「続いてほしいこの“友情”」 1
「……そ………。嘘でしょ……? 倉本さん、そんなに重傷なの……?」
涙声で雨音はぼやいた。
なぜなら、揺が居るところは一人部屋だったから。
一人部屋、という事はかなり重傷という事。雨音は悪い方向に考えてしまった。
「……私の所為…? 私の……所為……?」
涙がボロボロと流れてきた。
悲しくて悲しくて。それも怪我をさせたのは自分だと想いこんでいる。
雨音はかなり苦しくなって、心臓がドクンドクン……と大きな音で響く。
がたがたと体が震えている雨音。怖くて怖くて、辛くなってきた。
「……めん…ね……。倉……本さ……。ごめ……。っ……!」
苦しくなった雨音は走って病院を出た。
走って逃げていた。すると……。
ドンッ!!
誰かとぶつかってしまった。
雨音は焦ってとりあえず謝る。
「あっ……! ごめんなさいっ……!」
「俺も悪い。今度からは気をつけるからお前もな」
「あ……はい………」
『今度からは気をつけろ』。
なんだか自分が揺を怪我させた事を攻められてる感じがした雨音。
さっきも暗かったが更に暗くなる。
少し、息苦しくなった気がした。
「あれ? 水音さん?」
「! 桜花ちゃん!?」
雨音の目の前に居た人物は、桜花だった。今日友達になったばかりの桜花。
桜花はここじゃ話し辛いと思い、「こっちで話そ?」と優しく雨音に言って公園まで言った。
「……何か…あったの?」
「………うん……」
「揺でしょ」
「え?」
突然、桜花の言葉から出た「揺」という言葉。雨音がいう「倉本さん」のことだった。
名前で呼んでたから雨音はかなり驚いた。「なんで名前で呼んでるの?」と吃驚した声で聞いて見る。
すると桜花はこう答えた。
「あたし……ね……、揺とは仲いいんだ」
「……なんだ…」
「そう。あ、あともう一つ言うことが」
「何……?」
「学園祭、中止になるんだって」
「? どうして……?」
「学校側の都合で」
次々と会話を進めて行く雨音と桜花。
学園祭中止になってしまったことを知った雨音は何故だかホッとした。
何故安心したのかは分からない。
きっと、安心した理由は人ごみに入るのが嫌だったから、なのだろう。
三日間にもわたってやる事なんだ。いじめられている雨音にとっては少し大変なことだったのだ。
「水音さん、安心した?」
「どうして?」
「貴方、こういう学園祭とかにぎやかなこと苦手でしょ?」
「うん……」
図星だ。苦手なことがかなりバレバレな雨音は少し「うっ…」という気持ちになった。だが詳しいことは向こうは聞いてこないし自分も言うのをやめた。
会話が一旦止まってしまった。
少々気まずくなり、雨音は緊張してきた。なんとか会話を進めようと想い、言い始めた。
「桜花……ちゃん……。ありがとう」
「ん?」
「私……ね…。いっつもいじめられてた。
桜花ちゃんと友達になる少し前、数日間だったけれども倉本さんが居てくれた。
でも、突き落としてしまったあの時……、私はまわりからのいじめは更に酷くなる。それだけじゃない。“倉本さんに嫌われちゃう”。そう思ったの。
その時だったんだ。苦しみから逃れなくて死のうと思ったとき、桜花ちゃんが助けてくれたんだ」
「………。そう……そんなことがあったのね……」
「これからも私と友達で居てくれる?」
「勿論……。揺が戻ってきたその時も……ね……」 |