第十七話「謎の影と見舞い」
影はそうぼやくとそのまま消えて行った。溶け込む様な消え方。
そんな謎の影に、雨音は気付かずにさっさと家に帰って行く。
「“水音雨音”……わたし、“香咲桜花”が求めてるものをもっている……――」
桜花は後ろから雨音を見ながら言う。
その後、さっきの影の様に消えて行った。
「――あ、そうだ」
きょとんとした顔で雨音はぼやく。
その後続けて言った。
「倉本さんのお見舞い、行こうかな……?」
と。
何故行きたいか。
その理由。「自分のせい」、と言うのもある。
本当の、理由は違う。
ただ、「また友達出来たよ」と、伝えに行く。その理由。
そう決めた雨音は二つに分かれた左右の道。
自分の家への道は左。だから本当なら左へと進む。
だが、揺が入院している病院「虹ノ空色病院」は、右の道を進んだところに在った。
雨音は迷い無しに右の道へ行った。
「私のせいで……、倉本さん怪我したんだもの。行かなきゃ……ね」
ぼやくと雨音は走り出した。
そのまま、雨音は病院へと向かう。
途中、走るので少々ぜぇはぁと疲れた表情をする。
――しばらくして、病院についた。
「うわぁ……。『虹ノ空色病院』ってこんな大きいんだあ」
病院の建物を見た雨音は感動の言葉を出す。
感動し終わると、雨音は病院の中に急いで入る。人はかなり居た。
「あの」
雨音は一階にある受け付けの人に尋ねた。
「はい」
受け付けの人は言う。そして雨音は。
「倉本さん……。倉本揺さんの病室って何処ですか?」
と聞く。
「倉本様の病室は……――」
「えっと、倉本揺……倉本揺……」
ぼやきながら揺が居る病室を探す。
「あ、あっ……た……」
“倉本 揺”と名前が描かれている病室を雨音は見つけた。
見た瞬間、雨音は驚き言葉も出ない。
「嘘……でしょ……――?」
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