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第3話 獅子王様、新大陸へたどり着く

獅子王のブレスは灼熱吐息(´・ω・`)

 海の匂いに混じって土の香りがする。

 どうやら目的地はすぐそこのようだ。


 ブレスが大陸にぶつかったのか、遠方でカッと閃光が走り、衝撃が後から追いかけてくる。


 巨大なキノコ雲が上がる前方を見上げ、獅子王はひとりごちる。


「ゴルル(ふむ、生き物のいないところをなるべく狙って撃ったつもりだが、確認はせんといかんな。未来のご主人様に何かあっては一大事だ)」


 獅子王は走る速度をさらに上げ、念願の人が住まう大陸へと到着した。


 獅子王のブレスが直撃した場所は、地形が変わっていた。


 入江のようにくり抜かれてしまった大地へと、獅子王は足を着ける。

 

 飛沫で濡れた体をブルンブルンと振るうと、衝撃波で毛についた水が蒸発した。


「ゴルル(ふう、余、すっきりである。これからは人のペットとなるのだ。身だしなみには気を使わねばな)」


 周りを見渡してみるが、やはり人気ひとけはない。

 あれだけの熱と衝撃では、生物など根こそぎ滅んでいそうだが、獅子王の狙った場所は草木も生えぬ岩だけの荒野だった。


「ゴルル(さすがは余、狙い完璧である)」


 獅子王の狙いは完璧だったが、願望は壊れていた。


 人間に飼われたいという倒錯した変態趣味の獅子王様は、まずは人を探しつつ誰が飼い主としてふさわしいか観察することにした。


「ゴルル(我が千里眼を持ってすれば人を探すなど容易いが、それはいささか無粋であるな。やはり我が主人となる者とは、劇的で運命的な出会いでなければ!)」


 まるで恋に恋する乙女のようなことをほざきながら、獅子王様はるんるんと人里を探して歩き出すのだった。

この獅子王様は、雌です(´・ω・`)繰り返します。雌です。

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