生まれ変わったら
母たち世代の人たちは、いちどはタカラヅカの舞台に立ちたいそうだ。
着飾ってお姫様のような格好をしてカッコイイ男役に愛されたいらしい。
(男役になってスターになる、という選択はないらしい……いても少数)
でも、今世ではもう無理だから「生まれ変わったらタカラヅカに入る」と言う。
いやいやいや。
それなら現世でタカラヅカのモットー「清く・正しく・美しく」のように、ちょっとは綺麗にしておこうよ。もう努力しても無理だから、ってダラ~って過していたら、結局、来世?でも無理だと思うよ。
こういった人は、「明日からダイエットする」て言うんだよねー
てか、私はもう、この世に生まれ変わってなんかこなくていい。なんで、こんな大変なトコにまたやって来よう、って思うかな。
輪廻転生は信じていない人もいるけど、人間が意識存在だって考えると、輪廻ないと成長は無理、って思う。ある個人の一生だけじゃ、勉強する項目が限られてくるから。キャラクターにしろ、時代にしろ……
仏教の経典ではとてつもなく長い時間の単位が出てくる。
劫って単位。
四キロメートル四方の山があって、天女が三年に一度だけ降りてきて、羽衣でさっとひと撫でします。それをして山が完全になくなるまでの時間が1カルパ。
法蔵菩薩は5カルパの間、修行をしたという。
つまりですね。
成長というか意識が進化するには、それくらい時間がかかる、って話。
人間だって意識存在だから、その末席にいる。そう考えると、たかだか八十年、一回で、許してもらえる訳ないと思うんだよね。輪廻がある、て考えを受け入れると納得できるけど。
色んなバージョンを修行しなくちゃいけないから、人生は短かったり長かったりするんじゃないかな。
けどまあ…… 大変なわけですよ。
修行は。
無明の私たちには、理解できないこと、どうしようもないことがいっぱいあって。
だから私は、もう生まれ変わってなんて来たくないなあーってズルいことを考えている。
どうしても、ていうなら「キレイな海でゆらゆらと揺れているワカメになりたい」……
一旦ここまで学習してきた人間存在が、植物になるのは無理です!
上の存在にそう言われそうだ。