夢の国のアリス(13/14)PDFで表示縦書き表示RDF


※注意※
このお話は性的表現を含んでおります。
苦手な方はこのお話は飛ばして、次のお話から読んでください。
夢の国のアリス
作:神崎亜実



第十三の国 「相思相愛」






















 体育倉庫に残された二人の間には少しの間、沈黙が流れた。
「あのさ、吾吏須……やることって何だと思う?」
 その啓太の純情さに、吾吏須はつい口ごもってしまった。17にもなってあの意味が理解できないのは、天然だからだろう。
「えーと、つまりだな。現実に戻ればお前が重症で動けないから……動ける今のうちにセックスでもしろってことじゃないの……か?」
 吾吏須の言葉を聞いたとたん啓太は先ほどの吾吏須とは比べものにならないほど顔を赤くした。何か言おうと口を開いているが何も出てこないらしい。
「だ、だからさ! その、するのか? 俺と……その、セックス」
 こうまで啓太が純情だと吾吏須まで言うのが恥ずかしくなってきてしまう。するとぎこちない手つきで啓太は吾吏須を抱きしめた。
「吾吏須がいいなら、俺はいいよ」
「お、おう! あたりまえだろ。その俺だって思春期だし、お前とその……やってみたいなーなんて考えたことだってあるし」
「吾吏須……その、俺きっと理性を抑えられないかもしれないけど、それでもいいのか?」
「い、いいに決まってるだろ……その、俺だって無理だと思うし」
「……ッ! 吾吏須」
 優しく吾吏須の名前を囁くと、啓太はゆっくりと吾吏須の身体をマットの上に乗せ、その上に覆いかぶさる。そして、またさっきと同じように唇を重ねた。
「ふ……ッ、んぁ」
 重ねるだけのキスを何回か繰り返した後、ゆっくりと啓太の舌が吾吏須の口内へと忍び込んでいく。その感覚に吾吏須は身体をビクッとさせた。啓太の舌が吾吏須の舌と絡んできて、それに合わせて吾吏須も自分の舌を啓太の舌と絡め始めた。
 そのキスは、まるで今までの二人の想いを埋めるかのように深く濃いものだった。無意識のうちに吾吏須は啓太の首に手を回し、啓太は吾吏須の身体を抱きしめた。いつの間にか吾吏須の頬は、啓太のものと吾吏須の唾液が混ざり合ったものが唇の隙間から流れ出している。
 とても長いキスだった。ようやく唇が離された時、二人の唇からは透明な唾液が糸を引き、それは灯りに照らされ輝いていた。
「吾吏須、脱がしていいか?」
 啓太がそう尋ねると、吾吏須は顔を赤くした。
「そんなの、わざわざ聞いてくるんじゃねーよ。馬鹿」
「ご、ゴメン……」
 すると、啓太は吾吏須の纏っていた制服を一枚一枚脱がしていった。ブレザーを脱がし、そしてその下にある薄いシャツのボタンを外していく、それすらも吾吏須は厭らしく見えてしまう。
 全てのボタンが外し終わると、吾吏須の普段あまり日に当たらない白い肌が服の間から見え隠れした。その肌はとても綺麗で滑らかだ、きっと女性でもここまですばらしい肌の持ち主はそう居ないだろう。
 啓太はその肌に腕を滑らせ、まるで繊細な硝子細工を扱うかのように丁重に撫でた。それがくすぐったいのか吾吏須は身を捩じらせた。
「吾吏須、かわいい」
「か、かわいいって何だよ!」
 吾吏須が言い終わらないうちに、啓太は吾吏須の胸の真ん中にある小さな実を指で摘んだ。女でもあるまいに、そんなところを摘まれても感じないと思った吾吏須だが、次の瞬間。
「や……ッ」
 急に刺激が走り、その快楽に微かな声を上げた。その女のような甘い声に、出した本人である吾吏須も驚いていた。
「気持ちよかった?」
「ち、違う……ッ! そんなんじゃ、そんなんじゃない……と思う」
 段々、最後が小さくなっていくのが吾吏須にも分かった。すると何がおかしいのか啓太が微かに笑った。しかし此処で睨みかえすのもなんなので、吾吏須は早くしろとせがんだ。
 すると、啓太は吾吏須の純白の肌に唇を寄せた。そして強く肌を吸うと、そこに赤い花びらのような跡が残った。それを啓太は腰、胸、そして首へと吾吏須は自分のものだと主張するかのようにつけていく。
 その跡を付ける度に吾吏須は甘い声を漏らした、それが聞きたいが為に啓太は跡をつけていくようにも感じる。
 そして、とうとう啓太は下半身を脱がそうとした。ベルトを外し、ズボンと下着を一緒に下げていく、すると吾吏須のペニスが姿を現す。現在の吾吏須の姿はシャツをはおっただけの無垢な姿となった。
「ッ――――恥ずかしい」
 あまりにも啓太にペニスを見られるので、吾吏須はたまらず顔を赤くした。その吾吏須の顔を見て何故か啓太までも顔を赤くしていた。
「吾吏須、触れるよ」
「だ、だから! いちいち言わなくてもいいっての」
 こう何度もこれからやることを言われるのは恥プレイに等しいかもしれない。否、たとえ啓太にその気が無くてもこれは一種の恥プレイだ、純情とはなんとも恐ろしい。
 すると、啓太は吾吏須のペニスを握る。そこからは既に先走りが出ていた。すると、啓太は信じられない行動に出た。
「は、お前なに……して! ぁッ!」
 ペロリと、まるでアイスキャンディを舐めるかのように吾吏須のペニスを舐め始めた。今までそんなことをされたことの無い吾吏須は、その刺激に耐えられず声を上げてしまった。
 たしかに、何回か自慰はしたことがあった。しかしそれも数える程度で、思春期によくある一時的な性欲でしかない。その行為をした後は何時も逸脱間に襲われ、あまり進んでしてみたいとは思わなかった。
 だが、啓太との行為はまったく違った。身体に熱が篭り息が荒くなっていく、そして何より自慰とは違った快楽がそこにはあった。
「ひッ……ぁ、やめ、啓太!」
 啓太の生暖かい舌がペニスに絡み、裏すじやカリの部分を強く舐められるごとに声を上げてしまう。そして、啓太がペニスを加えた瞬間。
「んぁ……ッ!」
 その口の中に包まれると、吾吏須はそのまま啓太の口の中で射精してしまった。その精液はとても濃く、かなり溜まっていた様子だった。
 自分の失態に気付いた吾吏須はすぐに上半身を起こし啓太の顔を見る。きっとかなり苦いはずだ、すぐに吐き出してもらおうと声をかようとし口を開けた。
 しかし、その時何かを飲み込むゴクッという音がした。まさかと思い啓太の顔を上げさせると、口に微かに精液が付いていたが吐き出す様子は無い。
「啓太、お前まさか……飲んだ?」
「え、うん」
 何事もなかったかのように返事をした啓太に吾吏須は呆れていた。いきなりフェラチオをしてきたり、しかも次はその精液を飲んだりと、本当に吾吏須を驚かしてくれる。
「馬鹿! 何そんなもん飲んでんだよ!」
「その、吾吏須のだって思ったら以外と飲めた」
「俺のだって……あーもう!」
 すると、吾吏須は何を血迷ったのか啓太を押し倒した。
「俺だけ脱ぐってのフェアじゃないだろ? 啓太も脱がしてやる」
「え、ちょっと吾吏須?!」
 吾吏須は啓太のベルトのバックルに手をかけカチャカチャと外していく。そして、ファスナーを下ろし中のペニスを取り出そうとした。
 しかし、吾吏須は啓太の下着から取り出した途端、すぐに下着の中へと戻した。
「吾吏須、言ってることとやってることが矛盾してない?」
「う、うるせぇ! たしかに、身長とか体格は啓太の方がでかいけど……なんでソレまでお前の方がッ!」
 いくらなんでも、此処も差があるのは少し悔しかった。しかし、よく考えてみるとまだ勃起していない啓太のペニスが自分の中へと入ってくるのかと考えると、吾吏須は無理だと思った。
 勃起していなくてもかなり大きいのだから、啓太のペニスはかなり大きくなるだろう。そんなものを自分のアナルに入れるのだから、物理的に不可能だと思ってしまう。
「それは俺に言われても仕方ないことだし……」
「ほんと、なんかいろいろ不公平だよな」
「あはは……あのさ、吾吏須。この先の行為やってもいいか?」
 啓太は遠慮がちに聞いてきた。
「あ、あたりまえだろが。啓太だって、こんなところで止められないだろ」
 そう言いながら、吾吏須は啓太のペニスのあたりを見た。そこは微かに勃起してきている、此処で止めると辛いのは男で吾吏須もよく分かっている。
「う、うん……それじゃあ」
 苦笑しながら、啓太は優しく吾吏須をマットに寝かせる。
「その、馴らさないといけないよな……何か無かったっけ」
 たしかに、元々アナルは性行為の為に作られたものでは無い為、濡れることは無い。ならば馴らさなければ裂けてしまうだろう。啓太は鞄の中を漁り、とある物を見つけた。
 それは、喫茶店にあったシロップだった。たしか余っているのを啓太が貰ったことを吾吏須は記憶していた、まさかこんなことに使うとは啓太も思ってはいなかっただろう。
 プチと、シロップの入っている小さなカップの蓋を開け、それを吾吏須の蕾へと垂らしていく。シロップで濡れた吾吏須の蕾はとても能管的だ。
 シロップの冷たさに、吾吏須は身体を強張らせ、そして啓太の指が蕾の中へと入っていく感覚に微かな悲鳴を上げた。
「ひゃぁ……ん、ッ」
 奇妙な感覚だった、異物が自分の中へと入ってくるのはあまり気持ちいとはいえない。それどころか気持ち悪いとさえ思ってしまう。
「吾吏須、痛くないか?」
「あ、う……ん。だい、じょうぶ」
 しかし、嫌だと思っていたのもつかの間、急に身体に電撃が走ったかのような快楽に吾吏須は身体を硬直させた。
「あッ……やぁ」
「だ、大丈夫か?!」
「んな慌てるなって、大丈夫だよ……多分、前立腺に当たったんだと思う」
「ぜんりつせん?」
「そういう、刺激すると気持ちよくなる場所があるんだよ」
 本当に何にも知らないんだな、と吾吏須が言うと啓太は少しむっとした。
「それじゃあ」
 すると、啓太がまるで抉るかのように前立腺を刺激し始めた。もちろん吾吏須は驚き、同時に高い声を上げる。
「ば、馬鹿! ひッ……いきなり、あぁ! やるなぁ!」
 しかし啓太は止める様子もなく、手加減無しで抉っていった。そのあまりにもの衝撃に吾吏須は声を抑えることも出来ず、泣き続けた。
 啓太の顔は悪戯をしている子供のように笑顔だ。そして愛撫する指を二本に増やしバラバラに動かし始める。適当に動かしているように感じるが、その指はたしかに前立腺を嬲り吾吏須に快楽を与えていた。
 そして、グチュグチュという粘着音は、聴覚までも犯していく。その音と、啓太から与えられる無限とも思える快楽に吾吏須は頭の中がぼーっとなっていくのを感じた。
「吾吏須……」
 啓太は、吾吏須の蕾を指二本で開け、その中に新たなシロップを入れていく。その冷たさに吾吏須の頭はまた少し意思を取り戻したが、すぐに快楽が襲ってくる。
「んぁ……はぁッ! やぁ……」
 荒い息と共に、吾吏須の口から出される声は確実に啓太までもを熱くしていった。10月の寒い時期の体育倉庫は少し寒いが、吾吏須からは熱が消えることは無かった。
「吾吏須ッ!」
 啓太は吾吏須の上に覆いかぶさり、口付けを交わす。それはとても荒々しく野獣同士が求めあっているようだった。否、実際に二人はもはや野獣なのかもしれない、二人ともお互いを求め合い、快楽を貪る野獣――
 その二人の姿は、月明かりに照らされ、いくら淫らな行為とはいえ美しく思ってしまう。
「吾吏須、入れていいか?」
 唇を離された吾吏須はまた物足りなさそうだったが、啓太のその言葉に顔を赤く染めた。
「う、うん……けど、俺初めてなんだから! その、優しくしろよ」
「それは、無理かもしれないけど。でも、できるかぎり……」
「なんだよそれ……」
「吾吏須の可愛さに我慢できないって意味」
 啓太が囁くように言うと吾吏須は反論したそうに口を開いた、しかし欲情しているのは吾吏須も同じだった。
 ようやく愛しい人と結ばれ、ようやく身体を重ねようとしている。それは吾吏須にとっても嬉しいことであり、一番望んでいたことだったのだから。
――本当、好きすぎてどうにかなりそうだ。
「なぁ、吾吏須……吾吏須は本当に俺と、せ……セックスしたいのか?」
「いきなり何言ってんだよ!」
 此処まできて今さら何を聞いてきているのだろうか。
「なんか、吾吏須が無理してるんじゃないのかって思っちゃって」
 たしかに、不安なのかもしれない。それは吾吏須だって同じだ、もしかしたら啓太に無理をさせてしまっているのではないのか、求めているのは自分だけではないのかと。
 片思いの時期が長かったせいなのか、啓太は絶対に自分のことなど好きではないと思っていたせいだろう。それはきっと啓太も同じことかもしれない。
「無理なんかしてねぇよ、俺だって……俺だって!」
 すると、吾吏須は自分から啓太の唇に自分の唇を重ねた。それは触れるだけの軽いキスだったが、啓太の温もりを求めているようなキスだった。
「俺だって……啓太のことが欲しい」
「吾吏須……俺、きっと早くイってかっこ悪いかもしれないし、一人よがりになるかもしれない。でも――吾吏須が欲しい」
 その言葉は、互いに相手を欲している証拠。二人はまたキスをした。そして、吾吏須は自分の蕾に何か熱いモノが押し付けられているのが分かった。
 次の瞬間、ジュブという音と共に痛みが襲ってくる。
「痛ッ――」
 その苦痛に、吾吏須は悲鳴を上げた。ズブズブと中に啓太のペニスが入ってくるのが分かり、身体が自然にその異物を締め付け、それに啓太は顔を顰めた。
 異物の入ってくる感覚に吾吏須は息を止めたままだった。ようやく啓太のペニスが全て吾吏須の中に納まり、啓太が安堵の息を吐く。
「吾吏須、全部入った」
 そう言うと、啓太は吾吏須のピンク色の頬に優しくキスをする。吾吏須は中で啓太のペニスがドクドクと脈をうっているのが分かる。その感覚に自分の中に啓太が居るのだと吾吏須は実感した。
「はぁ……ッ! はぁ……ッ!」
 吾吏須の額からは、身体の中に啓太のペニスが入ってくる痛みで汗が出ていた。荒く息をしながら、啓太を見る。
「けい、たぁ……」
 まだ呂律が回らないらしく、虚ろな目で啓太を見ているは吾吏須は、また自分から啓太にキスを求めた。啓太もその想いに答え、吾吏須に深く熱いキスを落とす。
「大丈夫か? 吾吏須……辛いなら、やめよう」
 あまりにも辛そうな表情をしている吾吏須を見て、啓太が唇を語りかける。性行為が目的で作られていない為、吾吏須はかなりの痛みを伴う。
 しかし、吾吏須は何かを言おうと口を開け、擦れた声で必死に喋る。
「……からッ!」
「吾吏須」
「大丈夫、だからッ! 俺は大丈夫、だから……だから啓太も我慢すんな」
 とても入れたばかりで辛いはずなのに、吾吏須はそう言った。これほど辛くても吾吏須はやはり啓太が好きだ、だからこそ啓太にも我慢をしてほしくない。
 今までずっと、我慢を強いられていたはずだから。その大変さは吾吏須も分かっていたし、体験していた。常識が二人の壁を作っていたから、その壁を壊しようやく想いが伝わったのだから。
「吾吏須……分かった、我慢しないから。ありがとう」
 すると、啓太はゆっくりと動き出した、やはりゆっくりなのは吾吏須への配慮なのだろうか。その動きに吾吏須は内臓を引きずり出されるかと思った。
 しかし、段々とその苦痛が別のものに変わっていくのが分かった。それは啓太のペニスが前立腺を刺激した時、吾吏須の身体に稲妻が落ちたかのようにすさまじい快楽が体中を駆け回った。
「ひゃぁッ! んぁ、はッ!」
 その快楽は、今まで味わったことのない道の快楽だった。ペニスを弄られるのとはまた違ったその感覚に、吾吏須は声を上げられずにはいられなかった。
 啓太が動き前立腺を付く度に吾吏須は声をあげ、その快楽に意識を持っていかれそうになるのを必死に堪えた。啓太の肩に抱きつき、必死に意思を保とうとする。
 しかし、そうすると自分の腹と啓太の腹との間にペニスが押しつぶされる形になり、さらに吾吏須を追い込んでいった。
「ん……ぁ、はぁッ! けい……たぁ!」
 段々早くなっていく動きに、吾吏須の息はさらに荒くなり、啓太も少し辛そうだ。もうすでに身体の中を駆け巡るのは、伝わらない想いによる悲しみと苦痛ではない。
 ようやく伝わった想い、結ばれたことに対する喜びと、啓太から与えられる快楽だった。
「あり、すぅ……ッ! はぁッ!」
 何度も口付けを交わし、そして抱き合う。啓太もそろそろイクのか次第に動きを細かくしていく。その動きに頂点が高まっていくのを吾吏須は感じた。
「啓太、啓太ぁ!」
 次の瞬間、身体の奥の一番深いところを付かれ吾吏須はイってしまった。同時に身体の奥になにか熱いものが注がれ、それが啓太の精液だと分かると吾吏須はそのまま目を閉じた。
 その注がれる感覚が、ようやく啓太と結ばれたのだと実感し安心したのだろう。吾吏須はその快楽と疲れで意識が遠くなるのを感じていた。
 そして、啓太が何かをささやいたような気がした。
「吾吏須、愛してるよ」
 それは、今までずっと望んでいた言葉だった。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう