空
病院は青色をしていて...
「ごめん、待ってた?」
僕がそう言うと彼女は微かに笑った。
「大丈夫だよ。さっき降りてきたばっか」
自動販売機は金色で...
太陽は限りなく汚い茶色で...
マガジンラックの本は各々の色を見せていた...
「この自動販売機無くなるんだって。そろそろガタがきてるのかな。新しいの入れるらしいよ」
彼女は微かに笑った。
ぼんやり座っているお爺さんは白色で...
受付のお姉さんは紅色で...
「手術って確か明日だったよね?」
「知ってるから来てくれた癖に。正直、失敗するかなって思ってる」
「そんな事いうなよ。縁起でもない」
「ううん。やっぱ自分の事は分かるんだよ。私が死んだ後、彼女つくってもいいよ。気にしないから。別に変に気遣わなくていいんだからね」
そういって彼女は幽かに笑った。
君の瞳は何にも変え難い程美しい虹色で...
君の瞳は何にも変え難い程美しい虹色で...
幽かに...微かに...幽かに...
「ばいばい、また今度」
僕らはそっとキスをして別れた。
この世界はとても汚らわしい黒色で...
彼女の瞳の色だけが僕の心に残っていた。
この、アカウントでは初投稿です。
色々、考えながら読んでもらえると幸いです。
タイトルの「空」は一応、カラーとかけているつもりです。
叱咤激励、コメントしてもらえると嬉しかったりします。
読んでいただきありがとうございました。