「おいおい、マジかよ」
オレは言ってみた。しかし、反応は薄い。
「マジだよ、ほんと、頼むよ」
頼まれたってどうしようもない。たけしが怒鳴った。
「うるせぇ! うるせぇ!」
でも、誰にも声は届かない。
そういうこともある。
あるだろ?
山のふもとで爆発音がした。
「なにごと?」
たけしたちは走り出した。熊が追いかけてきたのだ。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
よしおが捕まって食われた。
まぁ仕方がない。こういうこともある。
よくある。
ワン!
犬が吠えた。
仕方がない。こういうこともある。三万円を払った。
払ったが駄目だった。あまりイミがなかった。
がんばったのだが、でも、あまりイミがなかった。
もういいかげんにしてくれ!
それはこっちのセリフであった。そうなのであった。なのにいったいなぜ? 今になってなぜ?
オレはやりきれなくなってきて思わずひっくり返ってしまった。
仕方がない、か。
んなわけねえだろ!
オレは怒りに震えた。
仕方がないですますんじゃねえ!
オレは走り出した。目的地なんてわかんねえ。でも、走るしかねえんだ。止まってる場合か!
よし! 頼むぜ。
相棒。
オレの頭上に光る鳥。
どこにいるんだい?
聞いているのかい?
だったら答えておくれ。連れてっておくれ。
街の方で爆発音がした。(了)
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